上位機種顔負け！TP-Link Archer AX55レビュー | IPv6 IPoE対応の高コスパWi-Fi 6ルーター

本記事は、IPv6 IPoE対応の高コスパWi-Fi 6ルーター、「TP-Link Archer AX55」のレビュー記事です。OFDMA技術によって容量が4倍に向上したくさんのガジェットとの接続に強いルーターです。また、外付けのハイゲインアンテナ×4とビームフォーミング技術によって、広い範囲に電波が届きます。上位機種顔負けのルーターがついに登場しました。

評価：5

現在Archer AX73という高性能ルーターをメインで愛用しています。

このルーターを使用してから、多くのガジェットを同時接続しても通信速度が落ちずに快適になりました。

今回ご紹介するArcher AX55は、上位機種に匹敵する性能を持ちながらAmazon参考価格で1万円を切るモンスターマシンです。

下記のような方におすすめです。

本記事は、TP-Link様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。内容に関する指示は一切受けておりません。

TP-Link Archer AX55の概要

まず、TP-Link Archer AX55の概要をご紹介します。

価格

12月現在のAmazon参考価格は、9,800円です。

後述しますが、使用感や通信速度はスペックで差のあるAX73と一般家庭での使用において変わりません。破格です。

AX55のスペック概要

AX55のスペックは下記のとおりです。

規格	Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a（5GHz） IEEE 802.11ax/n/b/g（2.4GHz）
Wi-Fi速度	AX3000 5GHz：2402Mbps（802.11ax、HE160） 2.4GHz：574Mbps（802.11ax）
プロセッサー	デュアルコアCPU
有線ポート	ギガビットWANポート×1 ギガビットLANポート×4
USB対応	USB 3.0ポート×1 対応フォーマット： NTFS, exFAT, HFS+, FAT32 機能： Apple Time Machine FTPサーバー メディアサーバー Samba サーバー (ルーターの利用状況に応じて利用可能なHDDサイズの上限やファイル数は上下します)
Wi-Fi暗号化	WPA WPA2 WPA3 WPA/WPA2-Enterprise (802.1x)
ボタン	WPS/Wi-Fiボタン 電源オン/オフボタン リセット（初期化）ボタン
プロトコル	IPv4 IPv6
寸法 (W×D×H)	261.1 × 134.5 × 41.0mm
動作環境	動作温度: 0℃~40℃ (32℉~104℉) 保存温度: -40℃~70℃ (-40℉~158℉) 動作湿度: 10%~90% 結露を避けてください 保存湿度: 5%~90% 結露を避けてください
システム要件	Internet Explorer 11/Firefox 12.0/Google Chrome 20.0/Safari 4.0以上の Javaに対応したブラウザ モデム インターネット接続契約 フレッツ光の場合は契約書
認証	FCC, CE, RoHS

TP-Link Archer AX55の開封・外観チェック

まずは、開封して本体や付属品をチェックしていきます。

パッケージで推奨利用環境が分かるので、購入の際に決めやすいですね。ちなみにAX55は3階建て、最大48の機種を同時接続できます。

AX55本体の外観

本体は、4本の特徴的なアンテナと上位機種譲りのデザインがアクセントになっています。左右対称で、クールな印象です。

裏面は壁掛け用の穴が空いており、SSIDなどの情報も記載されています。表裏とも通気口があり、放熱に優れた形状です。

アンテナは90度まで可動します。

後述しますが、外付けスタンドを使用する時はアンテナをまっすぐ立てます。

AX55の各ボタンとポート

ポートは上位機種並みに揃っています。

ボタンはポートと同様に側面に集約されています。

WPS/Wi-Fi	短く押すとWPSに、3秒長押しするとWi-Fiのオンオフ切り替え
Reset	10秒長押しすると機器の初期化が可能
Power	電源のON/OFFが可能

AX55のインジケーターランプ

インジケーターランプは、左から下記の役割があります。

AX55の大きさと重量

AX55は、片手でつかめるぐらいのサイズ感です。

重量は実測で491.57gでした。

寸法 (W×D×H)	261.1 × 134.5 × 41.0mm
本体重量	491.57g

AX55で外付けスタンドを使用

AX55は、TP-Link純正の外付けスタンドが使用できます。

ただし、インジケーターランプは確認しづらくなります。

TP-Link Archer AX55の魅力

ここからは、AX55の魅力をご紹介します。

充実した高速化技術

AX55は、快適な通信を実現するために複数の高速化技術を組み合わせています。

1つ目のWi-Fi6は、これまでの規格にくらべて「高速・省エネ・高効率」の3点が優れています。

iPhoneなど、身近な機器も対応しています。

2つ目の外付けのハイゲインアンテナ×4とビームフォーミング技術は、より電波を遠くに届かせるのに役立っています。

3つ目のIPv6 IPoE対応ですが、対応する光回線を利用すれば混雑の少ないより高速にインターネットを使用することが可能です。

下記のリンクより、IPv6 IPoE対応のプロバイダーが確認できます。

4つ目の強力CPU＆メモリですが、ルーターもPCと同じでCPUとメモリを内蔵しています。

ルーターもCPU性能が高ければ高いほど、より待機時間を最小限に抑えてくれるようになります。

AX55はデュアルコアCPUと512MBのRAMを搭載しており、高負荷なタスクも十分こなせるスペックになっています。

独自のメッシュ化技術、OneMesh™に対応

AX55は、TP-Link独自のメッシュ化技術、「OneMesh™」に対応しています。

OneMesh対応の中継機と組み合わせれば、より電波の範囲を広げることができます。

Wi-Fi6にも対応している中継機は下記の3台です。

大型のヒートシンク搭載でルーターの性能を保つ

高性能なチップを内蔵していますので、当然ながら熱も発生しやすいです。

熱は性能低下につながるため放熱させることが重要なのですが、ルーターにPCのようなファンを内蔵すると騒音につながります。

そこでAX55は、大型のヒートシンクを搭載することで効率的に熱を逃がすことが可能になっています。

簡易NASやTimemachineのバックアップ先として使用可能

AX55は、簡易NASとしても使用可能です。

しかもMacの場合は「Timemachine」にも対応しているので、バックアップもNASで可能です。外付けストレージをMacに直接繋ぎたくない派としては嬉しい仕様ですね。

本体側面にUSBポートがあるので、こちらにUSBメモリーなどの補助記憶装置をつけて使用します。

では、Macで実際にNAS機能を使用してみます。

TP-Link Tetherアプリで設定も簡単

TP-Link Archer AX55は、TP-Link Tetherアプリを使えば初期設定、端末の管理もかんたんに管理できます。

アプリの実際の画面はこんなイメージです。

視覚的に分かりやすく、接続中の機器がひと目で確認できるので重宝しています。

安心の3年保証

TP-Linkのルーターは、3年間の保証がついています。

ルーターはほぼ毎日稼働するため故障リスクが高く、1年保証としているメーカーがほとんどです。

また、フリーダイヤルで窓口を設けているのも安心ですね。

Archer AX55のあと一歩なところ

AX55の魅力をご紹介しましたが、あと一歩な点もご紹介します。

IPv6使用の場合、利用できる機能に制限がかかる

楽天ひかりでIPv6 IPoE接続を使用していますが、IPv6を使用している場合AX55で使用できなくなる機能がいくつかあります。

（要望）スタンドは別売りより内蔵型にしてほしい

スタンドは800円で購入できますが、縦置きで使いたい人も多いと思います。

できればNintendo Switchのように収納できる内蔵スタンドを付けてもらえるとより使いやすいかなと思います。

電波強度と速度の検証

では、ここからは実際に通信速度、範囲を検証していきます。

今回IPv6で通信できているかも確認するため、下記サイトでも検証しました。10点中10点だったので、IPv6での通信ができています。

今回は5GHz帯で検証しました。昼間の計測結果はこちらです。

場所	下り	上り
自室	420Mbps	180Mbps
ルーターのある部屋	480Mbps	360Mbps
トイレ	330Mbps	200Mbps

次に同じ条件でiPhone 13 Proでも検証してみました。結果はこちらです。

場所	下り	上り
自室	470Mbps	180Mbps
ルーターのある部屋	380Mbps	210Mbps
トイレ	430Mbps	160Mbps

どちらの計測結果も、十分な速度が出ていました。

Archer AX73と性能比較

では、上位機種のArcher AX73とも比較してみましょう。

大きさはAX73の方が一回り大きいです。

厚みもAX73の方があります。高性能CPUを積んでいる分、熱を逃がす空間の確保がされている印象です。

スペックは下記の違いがあります。

製品名	Archer AX73	Archer AX55
規格	Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a（5GHz） IEEE 802.11ax/n/b/g（2.4GHz）	Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a（5GHz） IEEE 802.11ax/n/b/g（2.4GHz）
Wi-Fi速度	AX5400 5GHz：4804Mbps（802.11ax、HT160） 2.4GHz：574Mbps（802.11ax）	AX3000 5GHz：2402Mbps（802.11ax、HE160） 2.4GHz：574Mbps（802.11ax）
Wi-Fi範囲	4LDK 高性能固定アンテナ× 6 複数のアンテナが信号を増幅させ より多くの方向と広いエリアをカバーします ビームフォーミング クライアントに無線信号を集中させWi-Fi範囲を拡大します 高性能FEM 送信パワーを改善し信号範囲を強化します 4T4R 同じ帯域内の複数ストリームが障害への耐性を強化します	4LDK 高性能固定アンテナ×4 複数のアンテナが信号を増幅させより多くの方向と広いエリアをカバーします ビームフォーミング クライアントに無線信号を集中させWi-Fi範囲を拡大します 高性能FEM 送信パワーを改善し信号範囲を強化します
Wi-Fi性能	高（High） デュアルバンド 最適なパフォーマンスを得るためにデバイスを異なる帯域へ割り当てます 4×4 MU-MIMO 複数のMU-MIMO対応クライアントと同時に通信します OFDMA 複数のWi-Fi6対応クライアントと同時に通信します エアタイムフェアネス 帯域の過度な占有を制限することによりネットワーク効率を向上させます DFS 電波干渉の少ないDFS帯を利用できます 6ストリーム デバイスをより多くの帯域幅に接続させます	高(High) デュアルバンド 最適なパフォーマンスを得るためにデバイスを異なる帯域へ割り当てます OFDMA 複数のWi-Fi6対応クライアントと同時に通信します エアタイムフェアネス 帯域の過度な占有を制限することによりネットワーク効率を向上させます DFS 電波干渉の少ないDFS帯を利用できます 4ストリーム デバイスをより多くの帯域幅に接続させます
プロセッサー	1.5 GHz トリプルコアCPU	デュアルコアCPU
有線ポート	ギガビットWANポート× 1 ギガビットLANポート× 4（うち2つは静的リンクアグリゲーション対応）	ギガビットWANポート×1 ギガビットLANポート×4
WANタイプ	動的IP 静的IP PPPoE PPTP L2TP v6プラス DS-Lite	動的IP 静的IP PPPoE PPTP L2TP v6プラス DS-Lite
プロトコル	IPv4 IPv6	IPv4 IPv6
Amazon参考価格	13,600円	9,800円

理論値では5GHz帯の速度がAX73がAX55の倍になっていますが、先程検証したように速度はAX73とあまり変わりませんでした。

まとめ

検証した結果、上位のAX73と通信速度に変わりは見られませんでした。

それでいて価格は1万円を切り、AX73にはない大型のヒートシンクも内蔵していますので長時間使用で性能も落ちにくいです。

メリット

デメリット

こんな方におすすめ

IPv6 IPoEに対応していない回線を使用している方は、より安価な「Archer AX20」がおすすめです。

接続機器が48台を超える方は、より多くの機器と同時接続可能な「Archer AX73」もおすすめです。