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オリンパス ED 300mm F4.0 IS PROレビュー|野鳥撮影が手持ちでできるレンズ

オリンパスブランドの単焦点レンズの中で、最も望遠で高価な単焦点レンズと言えばM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO(以降ED 300mm F4.0 IS PRO)です。35mm判換算で600mm相当の超望遠レンズです。

今回OM Digital Solutionsの野鳥フォトウィークキャンペーンで、憧れのED 300mm F4.0 IS PROを3,000円でお借りすることができました。

マイクロフォーサーズユーザーであれば持っている方が多いM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIとの比較も交えながら、レビューしていきます。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 超望遠らしい重厚感のあるたたずまいとオリンパスのデザインが格好いい。
  • 高い防水性能や最大6段の5軸シンクロ手ブレ補正を搭載し、ネイチャーフォトに活躍できる。
  • ED 75-300mm F4.8-6.7 IIに比べ解像感も高い。
  • フルサイズ用レンズと比べれば圧倒的にコンパクト。
  • 三脚座はアルカルイス互換で、対応する三脚を使用すればネジを回すことなく固定可能。
デメリット
  • フォーカスクラッチが、かばんから取り出したときに勝手に動くことがある。
  • 600mm単焦点はズームできないので汎用性に欠ける。
  • 大きく重い。

本レンズはレンタル品ですので、傷や付属品の欠品があります。あらかじめご了承ください。

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ED 300mm F4.0 IS PROの外観レビュー

では、まず外観からレビューしていきます。

ED 300mm F4.0 IS PROを机においている様子
ED 300mm F4.0 IS PRO

超望遠レンズらしいたたずまい

ED 300mm F4.0 IS PROを初めて触った時、その大きさとずっしり感にびっくりしました。

重さは三脚座を含めると1,475g、長さは227mm(フード収納時)です。

ED 300mm F4.0 IS PROの本体

「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を所有していますが、それ以上大きなレンズを持ったことがなかったためさすが超望遠レンズのたたずまいだと感じました。

この大きさだと防湿庫に入れるのも一苦労かと思いましたが、斜めに入れればギリギリ収納できました。

ED 300mm F4.0 IS PROと防湿庫

側面には、3つのスイッチが搭載されています。

ED 300mm F4.0 IS PROのスイッチ類
  1. フォーカスリミットスイッチ
  2. ISスイッチ
  3. L-Fnボタン

フォーカスリミットスイッチはAFの範囲を絞ることができるスイッチです。1.4m〜4m1.4m〜無限遠4m〜無限遠の3つを選択できます。

たいしょん

超望遠レンズはAF範囲がかなり広くAFが遅くなりがちなので、AF範囲を絞ることで高速化できますよ。

ISスイッチはED 12-100mm F4.0 IS PROと同様で、手ブレ補正のオンオフを切り替えることができます。

その補正性能は、5軸シンクロ手ぶれ補正時で6段レンズ手ぶれ補正時で4段です。

たいしょん

2016年発売のレンズですが、2022年の今でも通用するかなり高性能な手ブレ補正機能を持っています。

三脚座付きでアルカルイス互換

ED 300mm F4.0 IS PROは超望遠レンズらしい三脚座がついています。

ED 300mm F4.0 IS PROの三脚

ツマミを回すことで取り外すことができます。

ED 300mm F4.0 IS PROの三脚

三脚座はアルカルイス互換ですので、対応する三脚を使用すればネジを回すことなく固定可能です。

ED 300mm F4.0 IS PROの三脚

僕が使用している三脚、「K&F Concept SA254T1」もそのまま使用できました。

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ED 300mm F4.0 IS PROの三脚

フォーカスリングはスライド式でAFとMFの切り替えが可能

オリンパスのレンズではおなじみの、フォーカスクラッチ機能がついています。

下記のGIF画像のように、フォーカスリングを前後に移動させることでAFとMFの切り替えが可能です。

フォーカスクラッチ
たいしょん

便利そうに見えて、かばんから取り出したときに勝手にフォーカスクラッチが動いたりするのであまり好きではありません。

OM-D E-M1 MarkⅡだとフロントヘビー

実際にOM-D E-M1 MarkⅡに取り付けてみました。

ご覧の通り、OM-D E-M1 MarkⅡ本体が浮いています。できればE-M1Xと合わせたいレンズですね。

たいしょん

とはいえオリンパスらしい上品なメカメカしさがかっこいいです。

ED 300mm F4.0 IS PROの製品仕様まとめ

焦点距離300mm(35mm判換算600mm相当)
レンズ構成10群17枚(スーパーEDレンズ3枚、HRレンズ3枚、E-HRレンズ1枚)レンズ構成図
MTFチャート
防滴処理保護等級1級(IPX1):オリンパス製の防滴カメラと組み合わせたときに防滴性能を発揮します。
防塵設計。
フォーカシング方式ハイスピードイメージャAF(MSC)
画角4.1°
最短撮影距離1.4m
最大撮影倍率0.24倍(35mm判換算0.48倍相当)
最近接撮影範囲72.1 × 54.2mm
絞り羽枚数9枚(円形絞り)
最大口径比F4
最小口径比F22
レンズ内手ぶれ補正機構あり(VCM機構)
手ぶれ補正性能5軸シンクロ手ぶれ補正時:6段*
レンズ手ぶれ補正時:4段CIPA規格準拠。2軸加振時(Pitch/Yaw)、半押し中手ぶれ補正:OFF、使用ボディー:OM-D E-M1 FW ver4.0/E-M5 Mark II FW ver2.0(2015年12月現在)
フィルターサイズØ77mm
フード組込式
大きさ 最大径×長さØ92.5 × 280mm(フード使用時) / Ø92.5 × 227mm(フード収納時)
質量1,270g (三脚座除く) / 1,475g(三脚座含む)
同梱品レンズキャップ(LC-77B)、レンズリアキャップ(LR-2)、デコレーションリング(DR-79)、レンズケース(LSC-1127)、取扱説明書、保証書
より詳しい仕様はOMDS公式サイトよりご覧いただけます。

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIと比較

ED 300mm F4.0 IS PROと同じ300mmの焦点距離をもち、初心者向けのED 75-300mm F4.8-6.7 IIとも比較をしてみました。

大きさの比較(フードありなし)

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIはiPhone 13 Proと並べてもコンパクトで、35mm判換算で600mmのズームレンズとは思えない大きさです。

ED 300mm F4.0 IS PROはED 75-300mm F4.8-6.7 IIの倍近い長さです。

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIと比較

フードを伸ばした状態でも比較しました。

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIのフードは大きい部類ですが、ED 300mm F4.0 IS PROも同様に大きめです。

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIと比較
たいしょん

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIはコンパクトですね。

解像度の比較

解像度も比較しました。

3万円のレンズと30万円のレンズで価格差は10倍です。条件を合わせるために、両方とも手持ちでF値を8に揃えました。

たいしょん

あれっ、いい勝負してるように見えますね。

価格差が10倍のレンズですが、正直なところスマートフォンやノートPCで見る分には明確な写りの違いを判断できませんでした

では、ナンバープレート付近を拡大してみます。これだとしっかり写りの違いが分かりますね。

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIと比較と解像度比較
タップして拡大できます

ED 75-300mm F4.8-6.7 IIはナンバープレートの文字が少しかすんでおり、細かいパーツ部分も潰れています。

ED 300mm F4.0 IS PROはナンバープレートがくっきりしており、にじみも少ないです。

光学性能の高さに加え、ED 300mm F4.0 IS PROは5軸シンクロ手ぶれ補正で手ブレが抑え込まれているからですね。

たいしょん

とはいえED 75-300mm F4.8-6.7 IIもズームレンズとしてはかなり健闘していることが分かりました。

作例を交えつつED 300mm F4.0 IS PROの活用法を探る

35mm判換算で600mmの単焦点レンズ、つまりより広角に写すことができません。

ED 300mm F4.0 IS PROは初心者にとってどのようなシチュエーションで活用できるか、色々検証してみました。

野良猫など近寄ると逃げる野生動物

600mmの焦点距離であれば、近づけば逃げてしまう野良猫の撮影もしやすいです。

猫の撮影

単焦点レンズらしい解像感の高い写りで、毛並みもしっかり表現してくれます。

野鳥撮影にも最適

ED 300mm F4.0 IS PROは野鳥の撮影に適しています。

600mmであれば電線にいるスズメもこのようにかなり大きく写すことができます。

鳥の撮影

ちなみに3枚とも三脚を使わず手持ち撮影ですが、全く手ブレしていません

物撮りもテレマクロ撮影可能

「超望遠ズームで物撮り?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ED 300mm F4.0 IS PROは最大撮影倍率0.48倍のテレマクロ撮影に対応し物撮りにも対応できます。

最短撮影距離1.4m(レンズ先端から約1.15m)なので、南京錠のような小さな被写体もしっかり撮影できました。

遠景スナップ

望遠を生かして遠景のスナップも撮影可能です。

普段であれば豆粒にしか見えていなかった建物も、600mmの焦点距離ならかなり大きく撮影できます。

月の撮影

超望遠レンズといえば月の撮影にも向いています。

下記の写真は「MC-14」というテレコンバーターを使用して840mm相当で撮影しています。

月の撮影

時期的に満月の撮影はできませんでしたが、月はブルームーンやスーパームーン、ブラッドムーンなど1年で様々な表情を見せてくれる天体ですので、MC-14と合わせて使えば満足のいく月の撮影ができます。

MC-14
MC-14
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ED 300mm F4.0 IS PROのデメリット

ED 300mm F4.0 IS PROを使っていて感じたデメリットは下記の3点です。

  • フォーカスクラッチが、かばんから取り出したときに勝手に動くことがある。
  • 600mm単焦点はズームできないので汎用性に欠ける。
  • 大きく重い。

もちろん写真を職業にしている方であればED 300mm F4.0 IS PROは間違いのない選択ですが、趣味程度であればED 75-300mm F4.8-6.7 IIが汎用性・可搬性に優れベストな選択でしょう。

まとめ:野鳥撮影や月の撮影など妥協したくない方へのベストな選択肢

ED 300mm F4.0 IS PROとOM-D E-M1 MarkⅡ

ED 300mm F4.0 IS PROは、ED 75-300mm F4.8-6.7 IIからのステップアップとしてもおすすめできる写りをしたレンズです。

高い防水性能6段の補正性能を誇る5軸シンクロ手ぶれ補正を搭載し、悪天候時のネイチャーフォトなどプロの現場でも充分活躍できます。

ただし、もしマイクロフォーサーズのカメラを手にしたばかりの初心者であれば、まずはED 75-300mm F4.8-6.7 IIから始めることをおすすめします。

メリット
デメリット
  • 超望遠らしい重厚感のあるたたずまいとオリンパスのデザインが格好いい。
  • 高い防水性能や最大6段の5軸シンクロ手ブレ補正を搭載し、ネイチャーフォトに活躍できる。
  • ED 75-300mm F4.8-6.7 IIに比べ解像感も高い。
  • フルサイズ用レンズと比べれば圧倒的にコンパクト。
  • 三脚座はアルカルイス互換で、対応する三脚を使用すればネジを回すことなく固定可能。
  • フォーカスクラッチが、かばんから取り出したときに勝手に動くことがある。
  • 600mm単焦点はズームできないので汎用性に欠ける。
  • 大きく重い。
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