株式会社ロジクールが2024年3月22日に発売する4K対応のウェブカメラ、MX BRIO 700をレビューする機会をいただきましたので紹介していきます。参考価格は33,000円(税込)です。
結論から言います。値段が高い以外で不満点がなく、モニターライトに乗せたときの安定感や画質、音質の良さ、機能性、すべてが今までのウェブカメラを凌駕していると感じました。さすが3万円超えのフラグシップモデル。
- 4K対応の高画質と高度なAI技術により鮮明でクリアな映像を実現
- デュアルビームフォーミングマイク搭載でノイズを低減したクリアで明瞭な音質
- ロジクール製品専用ソフトに対応で、 色味や視野角などを自分好みにカスタマイズ可能
- 反転せずに手元の資料を映せる
- プライバシーをしっかりと保護する便利なプライバシーシャッター
便利な機能など、MX BRIO 700の魅力を余すこと無く紹介していきます!
MX BRIO 700を使ってみて感じた魅力
早速、MX BRIO 700を実際に使ってみて感じた魅力を紹介していきます。
STARVIS搭載でドラレコ並の暗所耐性
まず、一般的なウェブカメラに比べて暗所耐性が高いと感じました。MX BRIO 700はドライブレコーダーに広く採用されているSONYのイメージセンサー「STARVIS(スタービス)」を搭載しており、薄暗い環境でもノイズが出にくくクリアな画質なっています。
実際に室内の薄暗い環境でSTARVIS搭載のMX BRIO 700と、MacBook Pro内蔵のカメラで比べてみましたのでご覧ください(画像をタップすると拡大できます)。
パッと見た感じではMacBook Pro内蔵のカメラが明るく写っていますが、よく見るとノイズを潰しすぎて塗り絵のような感じになっています。それに比べてMX BRIO 700は、若干ノイズが出ているもののディティールが潰れず残っており、発色もより鮮やかに見えます。ノイズリダクションの出来は、個人的にMX BRIO 700が圧倒的に上だと感じました。オートフォーカスも人物を特定してくれる仕様みたいで、すぐにピントが合ってくれるのもいいですね。
そもそもカメラの解像度が4Kで高精細だからというのもありますし、AIの自動補正による恩恵もありますがさすがSTARVISといった感じですね。
BRIO 300で画質を比較しても高画質かつ広画角
以前レビューした4KウェブカメラのロジクールのBRIO 300、こちらもなかなか良い画質でしたが、MX BRIO 700はさらに上を行く画質に仕上がっていました。
実際にMX BRIO 700とBRIO 300で撮影した写真をご覧ください(画像をタップすると拡大できます)。
まず、MX BRIO 700の方が広く写っていますよね。後述しますが、テーブルの資料も撮影できるモードも搭載している関係で90°という広いレンズ画角を実現しています(BRIO 300のレンズ画角は70°)。そして画質ですが、MX BRIO 700の方が服の赤色が自然で、かつ後ろにある絵もノイズで潰れることなくくっきり写っていますね。
ロジクールのウェブカメラでフラグシップモデルを名乗るだけのことはあり、画質は他のモデルよりノイズレスかつきれいです。
Logi Options+で画質や画角の調整ができる
MX BRIO 700は、Windows、Macに対応している「Logi Options+」及び「Logicool G HUB」を使って画質の調整が可能です。
今回はLogi Options+を使ってみましたが、視野の調整やズーム機能など画面を見ながら設定でき便利でした。ズームはデジタルズームですが、その分位値調整でズームする位置を決められるので光学ズームより便利に使えたりします。
また、画質の調整もかなり細かくできます。色温度・輝度・コントラスト・彩度・自然な彩度・鮮明さといったパラメーターを操作して自分好みの画質に仕上げられるので、ライブ配信など画質調整がしにくいシチュエーションでもリアルタイムに仕上げられます。
設定項目も分かりやすく、迷うこと無く操作できました。
プライバシーシャッター搭載で安心
MX BRIO 700はプライバシーシャッターを搭載しており、レンズ周りのダイヤルを回すだけで映像を瞬時にブロックできます。例えばWeb会議などで操作を間違ってカメラをオンにしてしまったとしても、物理的にシャッターが降りていれば映ってしまうことはありません。ロジクール製のウェブカメラはBRIO 300を含めプライバシーシャッター搭載のモデルが多いので、僕が本業でも愛用している1つの理由になっています。
余談ですが、ダイヤルを回したときの「カチッ」という音が気持ちよくて何度も回してしまいます(笑)
ショーモードで手元を映せる
MX BRIO 700は、カメラを下側に向けることで手元の資料を映せるショーモードに対応しています。
ショーモードはカメラを下に向けるだけで発動し、手元にある資料を反転させること無く映せます。下記のイメージは実際にショーモードで手元を映している画像ですが、まるで僕が座っている側からカメラで撮影しているみたいですよね。
ウェブ会議ではウィンドウを画面共有することが多いですが、仕事によっては紙の資料を見せたいときもありますよね。そんな時にこのモードが役立ちます。
ステレオマイクにより立体感のあるクリアな音
画質だけではなく、音質も立体感があって優れていると感じました。MX BRIO 700はデュアルビームフォーミングマイクを搭載しており、2つのマイクが声の出ている方向を感知してしっかり音を拾ってくれます。
実際にMX BRIO 700のマイクで録音してみましたので、参考までにお聞きください。
ステレオマイクというだけあって声に立体感がありますよね。かつ、周囲のノイズもほとんど拾っていないのでクリアに聞こえます。
モニターライトの上に置いても高い安定性を誇る
個人的にウェブカメラを選ぶのに重要な指標となっているのが、モニターライトの上に乗せても使えるかです。結論から言えば、MX BRIO 700はモニターライトの上に置いてもかなり高い安定感を誇ります。
なぜ高い安定感をキープできるかというと、MX BRIO 700のフック部分が粘着性のある滑り止めになっておりモニターライトから高い密着性を得られるからです。本来はショーモードでカメラを前に倒してもモニターから外れにくくするための工夫だと思いますが、モニターライトの上に乗せても高い安定感が得られるというのは思わぬ副産物ですね。ちなみにノートPCのモニターに固定するときも、この滑り止めのおかげでかなり安定します。
モニターライトを使っている方に朗報ですよ!
土台から取り外して三脚固定もできる
MX BRIO 700は、土台から外すことで三脚にも固定可能です。汎用性の高い1/4インチネジに対応した穴が空いており、ほぼすべての三脚に取り付けできます。
例えば正面からではなく少しモニターからずれた位置で撮影したい時に、MX BRIO 700の三脚固定できる仕様がかなり便利です。卓上三脚やクランプ固定できる三脚など、使うものによって自由な位置から撮影できるので幅が広がります。
大きなモニターがなくても三脚で固定できます!
MX BRIO 700のデメリットや弱点は?
MX BRIO 700はかなり完成度の高いウェブカメラですが、デメリットもあります。
それは、一般的なウェブカメラより価格が高いことです。ウェブカメラは3,000円台の安いものもありますし、性能が高いものだと1万円を超えるモデルもあります。MX BRIO 700は33,000円と、ウェブカメラの中では確実に高級で手に出しづらい価格帯です。
ただ1万円台のBRIO 300と比較しても画質の良さ、音質の良さ、機能性の高さは圧倒的で、かつ一眼よりもコンパクトなので使い勝手がいいです。
高画質なカメラと高音質なマイクを別々で揃えるよりも、よりミニマルに収まる点は魅力ですね。
まとめ:画質も音質も妥協せずミニマルにしたい方におすすめしたい
MX BRIO 700、フラグシップモデルで3万円という強気の価格ながら、それに見合うだけの実力を持ったウェブカメラに仕上がっていました。
仕事でクライアントとWeb会議をする時、きれいな画質で、聴き取りやすい声で商談ができたらお互い気持ちよく進められそうですよね。個人的に別途一眼カメラやマイクがなくても満足できましたので、特にWeb会議用の機材をミニマルにしたい方におすすめできます。
ロジクール渾身のフラグシップモデル、ぜひ一度お試しください!
- STARVIS搭載でドラレコ並の暗所耐性
- BRIO 300で画質を比較しても高画質かつ広画角
- Logi Options+で画質や画角の調整ができる
- プライバシーシャッター搭載で安心
- ショーモードで手元を映せる
- ステレオマイクにより立体感のあるクリアな音
- モニターライトの上に置いても高い安定性を誇る
- 土台から取り外して三脚固定もできる
- 価格が3万円台で高価