2023年11月22日に発売する新イヤーピース、SpinFit OMNIをレビューします。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は各サイズ1ペア1,580円前後になります。
SpinFit社によれば「音楽が持つポテンシャルを解放する。どんな試聴機器・楽曲ジャンルであっても、今まで体験したことのないような音楽の世界を体感できる」というイヤーピースというだけあって期待していました。
結論から言えば、装着感は過去に試したSpinFitのイヤピース史上最高、音質も従来のSpinFitの傾向と同じように、特に指向性の高い高音域の透明感が上がるように感じました。
実際にOMNIを装着して試してみましたので、特徴やイヤホンとの相性といった細かい部分まで徹底レビューしていきます!
- 独自開発のシリコンで快適な装着感。
- 三段階のチューブ設計で幅広いイヤホンのノズル径に対応。
- 音質がクリア傾向になり特に高音域の透明感が上がる。
- SSサイズからXLサイズの6サイズ展開で最適なサイズが見つかりやすい。
- 密着性が高い(あるいは素材が滑りにくい?)分、耳垢が取れやすい。
- 1ペアで1,580円と少し高価。
SpinFit OMNIの特徴
まずは、SpinFit OMNIの特徴を簡単に説明していきます。
三段階のチューブ設計
SpinFit OMNIは、チューブの内壁に三段階の凹み構造を持っています。これにより、今まで以上に様々なサイズのノズル径に対応できるようになりました。
オリジナルロゴを印字した軸
SpinFitのロゴは高い品質を保証する印です。完璧な機能と洗練された設計によって「最高の視聴体験」を届ける、その目的を達成するために全力をつくすという想いを込めています。
優れた柔軟性と弾力性
SpinFit独自開発の高品質シリコン材質を配合。柔軟でしなやかな特性とハリのある弾力性をバランスよく配合し、長時間の仕様でも快適な装着感を提供します。
シリコン素材配合の二層チューブ
SpinFit OMNIのチューブは、外装には肌に優しい柔らかなシリコン素材を使用し、高いフィット感と心地よさを実現。内層にはしなやか且つしっかりしたシリコン素材を使用し、装着したイヤホンのノズルがしっかりホールドされるよう設計されています。
多くのユーザーに対応する全6サイズ展開
SpinFit が収集したこれまでのデータをもとに、より多くのユーザーにフィットする全6サイズ(SS/S/MS/M/L/XL)を設定。サイズごとにカラーが異なり、サイズ判別の視認性に優れたデザインを採用しました。1つのパッケージに1ペアずつのパッケージ構成です。
SpinFit OMNIの使用感レビュー
実際にSpinFit OMNIを使用してみたレビューを紹介していきます。
CP360との比較
従来機種のSpinFit CP360と、SpinFit OMNIを比較してみました。サイズ感自体は同じなのですが、ノズル径はSpinFit OMNIのほうが若干広く、傘の部分の透明感がSpinFit OMNIのほうが高く見えました。
仕様でも、SpinFit CP360は内径が3.6mm、SpinFit OMNIは内径が3.7mmと違いがあります。シリコンの透明度が高いだけではなくCP360より上位グレードのシリコン素材を使っており、皮膚刺激性試験(in vitro)に合格している肌に優しいシリコンです。
過去最高グレードのシリコンを使っているだけのことはありますね。
装着感
まず実際に使用してみた装着感ですが、個人的には過去のSpinFit史上最高じゃないかと感じました。特にJBL TOUR PRO 2と組み合わせると、純正は2時間で耳が痛くなるのに対しSpinFit OMNIに変えたところ4時間装着しても少しヒリヒリするぐらいまで改善されました。SpinFitは初代から使っていますが、ノズルが長く耳の奥に入ってくるため長時間の使用で痛むことがよくありました。
しかしSpinFit OMNIは完全ワイヤレスイヤホンに対応したノズルの長さが控えめのモデルなので、耳の奥ではなく穴の手前でフィットしてくれます。シリコンもサラサラしたものではなく滑り止め作用のあるものを使っており、密着感が高いです。
また、軸が柔軟に曲がってくれるためフィット感が高く、傘の圧力が耳に均等にかかるため負担が少ないと感じました。
ちなみに普段他のイヤピースでMサイズを使用していますが、OMNIもMサイズでぴったりでした。
完全ワイヤレスイヤホンとの相性
ノズル径の形状、大きさが異なる2種類のイヤホンでSpinFit OMNIの相性を検証してみました。まずは一般的な正円のノズルを搭載しているWF-1000XM4です。
こちらは難なくぴったりイヤホンに装着できました。
次に、楕円形で大きめのノズル径のJBL TOUR PRO 2にOMNIを装着してみました。一般的なノズルより大きいため、イヤーピースによっては使えないものもあります。
少しキツめでしたが、なんとかJBL TOUR PRO 2にもOMNIを装着できました。
完全ワイヤレスイヤホンに対応したイヤーピースなので、充電ケースへの干渉もほぼありませんでした。
音質の変化
SpinFit OMNIによる音質の変化をレビューしていきます。今回はJBL TOUR PRO 2を使用してみます。先ほど紹介したようにJBL TOUR PRO 2はノズル径が大きめなので、付属のイヤーピースのみで使用していました。
JBL TOUR PRO 2はドシッとした低音域でライブ感を演出するのが得意なイヤホンなのですが、OMNIを使用したところより塊感のある重低音が出てかつ高域の透明感が増しました。特に指向性が高い高音域の改善が顕著で、女性ボーカルの声の透明感がより増す感じがします。
SpinFit OMNIのメリット・デメリット
SpinFit OMNIのメリット・デメリットをまとめます。
メリット
SpinFit OMNIのメリットは下記の4点です。
- 独自開発のシリコンで快適な装着感。
- 三段階のチューブ設計で幅広いイヤホンのノズル径に対応。
- 音質がクリア傾向になり特に高音域の透明感が上がる。
- SSサイズからXLサイズの6サイズ展開で最適なサイズが見つかりやすい。
個人的にSpinFit史上最高の装着感に感じました。
デメリット
SpinFit OMNIのデメリットは下記の2点です。
- 密着性が高い(あるいは素材が滑りにくい?)分、耳垢が取れやすい。
- 1ペアで1,580円と少し高価。
僕の耳垢はウエットなのですが、OMNIを装着して外すとサラサラしたシリコンより多めに耳垢が取れました。グリップ感が強いからかと思いますが、一応拭き取れば問題なく使えます。
また、1ペアで1,580円と少し高価なので、サイズはしっかり自分にあったものを選ぶ必要があります。
高価な分、装着感も音質も向上が実感できるのでおすすめです。
SpinFit OMNIは音楽のポテンシャル引き出すイヤーピース
SpinFit OMNIを実際に使ってみて、「音楽のポテンシャル引き出すイヤーピース」という謳い文句は誇大広告じゃないと感じました。
音楽のポテンシャルと聞くと音質のことをイメージする方が多いと思いますが、音を楽しむ体験、すなわち装着感や、汎用性の高さもSpinFitが本気で考えて設計したということが伝わってきました。かなり気に入ったので、今後僕はOMNIをリピートしてみようとおもいます。
音楽体験をもっと快適にしたい方は、ぜひOMNIを使ってみてくださいね!