本記事では、XGIMI MoGo 2 Proをレビューします。400ISOルーメンの明るさかつハリウッドの映画スタジオで採用されているD65色温度規格に対応で、モバイルプロジェクターの中でも特に色再現にこだわったモデルです。
家電の中でも特にプロジェクターが好きな僕ですが、初めて購入したプロジェクターがXGIMI MoGo Pro+で画質の綺麗さや音質の良さ、なんといってもAndroid TVの便利さに圧倒されたのを今でも覚えています。それ以来、XGIMIさんのプロジェクターのファンです。
そのMoGoシリーズから、新機種のXGIMI MoGo 2 Proが登場しました。
しばらくお借りして試していましたが、画質や音質はXGIMI MoGo Pro+を完全に超えており、上位機種のXGIMI Halo+と併用しても違和感がないほどレベルが上がっていました。
むしろ色再現や音質、補正時間はXGIMI Halo+さえ超えていると感じました。
XGIMI MoGo 2 Proが気になっている読者様向けに、特長やデザイン、実際に使ってみた感想など徹底レビューしていきます。
- 400ISOルーメンで十分な明るさ
- 高速かつ正確な自動補正で手間いらず
- 8Wのスピーカーでクラスを超えた音質
- Android TV内蔵で様々なVODを楽しめる
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 静音設計で映像に集中できる
- バッテリーは内蔵していない
- MEMC非搭載
XGIMI MoGo 2 Proの特徴
XGIMI MoGo 2 Proの特徴・仕様・付属品を下記のタブにまとめました。
- 1080p・400 ISOルーメン
- 90%DCI-P3色域
- ハリウッド映画並みのD65色温度
- 2基の8Wスピーカーを内蔵
- 中断なしの投影面補正
- 65W以上のモバイルバッテリーをサポート
本体デザイン
XGIMI MoGo 2 Proの本体は、ややブラウンがかった落ち着いたデザインです。ボディはプラスチックですが、金属感のある加工で高級感があります。
背面は重低音再生用のパッシブラジエーターが透けて見えており、かなりおしゃれです。
本体サイズは161 x 119 x 108mmで、100枚入りのウエットティッシュのボトルと同じぐらいのサイズ感です。なので持ち運びに苦労しません。
重量は1.1kgと片手で楽々持てるほどの軽さです。
XGIMI MoGo 2 Proのレビュー
実際にXGIMI MoGo 2 Proを使ったレビューをしていきます。発色や音質など、項目ごとに読み飛ばせるようにしましたので下記のリンクからチェックしてみてくださいね。
輝度・発色:400ISOルーメンで不満のない明るさで正確な色再現
XGIMI MoGo 2 Proは400ISOルーメンという明るさで、小型のモバイルプロジェクターとしてはかなり明るく投影可能です。また、DCI-P3 90%の広色域や、ハリウッドの映画スタジオで採用されているD65色温度規格にも対応した本格的な色再現性を実現しています。
今回は明るさや発色を含め、同社のXGIMI Halo+(900ANSIルーメン)を一緒に投影しながら比較してみました。
撮影時の露出は固定しています。
まずXGIMI Halo+ですが、こちらは上位モデルで900ANSIルーメンとモバイルプロジェクターとしてはかなり明るい仕様です。発色も単体で見ればかなりきれいで、色鮮やかに再現してくれます。
XGIMI MoGo 2 Proに変えると、仕様上はXGIMI Halo+より暗いはずですがあまり違和感がありませんでした。むしろ色の再現性は圧倒的にXGIMI MoGo 2 Proが上で、色かぶりもなく原色もはっきりとしています。
個人的にXGIMI MoGo 2 Proのほうが発色は好みでした。
ちなみに明るい室内でXGIMI MoGo 2 Proを使用した場合、見えなくはないですが常用は難しいと感じました。部屋を締め切った状態で、かつ電気を消せば十分な明るさで鑑賞できます。
昼間でも使いたい場合は、XGIMI HORIZON Proなどより上位のモデルがいいですね。
補正機能:高い精度の自動台形補正でばっちり
XGIMI MoGo 2 ProはISA 2.0という新しいインテリジェント環境適応技術を搭載し、自動台形補正、オートフォーカス、障害物回避、スクリーンへの自動アジャストをたった4秒でこなしてくれます。
従来品のXGIMI Halo+などの約半分の補正時間で済むので、出先で使うなど頻繁に投影場所を変える方には嬉しい仕様ですね。
XGIMI MoGo 2 Proの自動補正、めちゃ速いなぁ。
— たいしょん ガジェットブロガー (@taishonpresso) March 31, 2023
体感でXGIMI Halo+の半分ぐらい。 pic.twitter.com/b8SRbNSP63
速いだけではなく精度もかなり正確で、手動で補正する必要がないほどでした。
ゲーミング性能:入力遅延も少なくプレイ可能
XGIMI MoGo 2 Proはゲームモードも選べ、50ms以下で入力遅延も少ないです。実際にNintendo Switchでポケモンやスマブラを遊んでみましたが、大画面でかなり迫力のあるゲームプレイを楽しめました。格闘ゲームの入力遅延は気になるほど感じなかったので、優秀です。
映画館でゲームをプレイしているみたいで楽しいです。
音質:8W出力で完全にクラスを超えている
XGIMI MoGo 2 Proは、2基の8Wスピーカーがついており小型なモバイルプロジェクターとしてはかなり高出力です。同じぐらいのサイズのXGIMI MoGo Pro+は3Wだったので、倍以上の出力です。もっと言えばより大型なXGIMI Halo+でさえ5Wスピーカーだったので、その出力の大きさはクラスを完全に超えています。ドルビーオーディオやドルビーデジタルプラスなどサラウンド規格にも対応していますので、映画ではより広がりのある音質で楽しめます。
XGIMI MoGo 2 Proは従来のようにHarman/Kardon社の監修はされていないモデルですが、それでもかなり満足できる音質でした。
具体的には声がかなり自然で、従来の同社のプロジェクターではややかすれたような声だったのがXGIMI MoGo 2 Proではよりみずみずしい自然な声で聴こえます。デフォルトでは映画モードに設定されていますが、長時間聴いていても聴き疲れしないように高域がやや柔らかく調整されています。かといってこもった音質にならないのが上手い調整で、別途スピーカーはいらないと感じるほど満足できました。
とにかくパワフルな音質なので、映画やアニメに限らずゲームをされる方も満足できます。
駆動音:騒音レベルはかなり静か
プロジェクターは放熱のためファンが常に回っていますが、あまりにうるさいと映像鑑賞の邪魔になります。
XGIMI MoGo 2 Proは常に30dBを下回る騒音レベルになるよう静音設計で、ノイズ対策がされています。実際に測定してみましたが、通常時で19〜23dBとかなり静かです。
映画や音楽の音が鳴ればほとんど気にならないぐらいですので、アニメや映画の鑑賞に集中できました。
OS:Android TV11.0搭載
XGIMI MoGo 2 Proは最新のAndroid TV11.0を搭載し、Google Play Storeを通して様々なアプリを使用可能です。
対応しているVODの数はプロジェクターの中でもトップクラスで、別途Fire TV Stickなどストリーミングドングルを使用しなくても単体で映画やアニメを楽しめます。
- U-NEXT
- ABEMA TV
- Amazon Prime Video
- Netflix
- dTV・dアニメストア
- TSUTAYA TV
- Youtube
- Hulu
- FOD
- DAZN
- DMM TV
アニメ好きなので、dアニメとDMM TVに対応しているのは嬉しいです。
また、Googleアシスタントで音声操作できるのも魅力です。リモコンについているGoogleアシスタントのボタンを押して話すだけなので、「OK,Google.」と話す必要がありません。
例えば、「今日の天気を教えて」や「セカオワの曲を再生して」など、スマートフォンと同じような感覚で音声操作できます。
実際に「今日の天気を教えて」と話すと、温度や1週間分の天気が表示されました。映画やアニメが好きな人なら、そのまま俳優や声優さんのことについて調べたり、スポーツが好きな人ならスポーツ中継を見ながら他のチームの試合結果を把握するのも簡単にできます。
充実したアプリや音声コマンドの便利さはAndroid TVならではですね。
USB-C採用で利便性が上がった
XGIMI MoGo 2 Proから給電方式にUSB-Cを採用したため、モバイルバッテリーからの給電に対応するなど従来品より利便性が上がりました。ケーブルもUSB-C対応のものでしたら使えますので、より長いケーブルを使うことも可能です。
それだけではなく付属のケーブルも従来品よりコンパクトになり、持ち運ぶ際の手軽さはXGIMI製のプロジェクターの中でもトップクラスです。プロジェクターはたまにしか使わないという場合でも、ケーブルをまとめるためのバンドも付属していますので片付けやすくなっています。
プロジェクターのケーブルは重く大きいものが多いので、XGIMI MoGo 2 Proはかなりスマートに感じました。
その他便利機能
プロジェクターとしての基本機能に加え、日常生活でXGIMI MoGo 2 Proを使う中で地味ではありますが快適に使える便利機能がありますのでいくつか紹介します。
1つ目は、スリープタイマーです。昨年のアップデートでXGIMIのプロジェクターに搭載されましたが、夜にベッドで寝ながらプロジェクターを使うことがあるのでそのまま寝てしまっても電源を切り忘れる心配がなく助かっています。
2つ目は、視力保護機能です。XGIMI MoGo 2 Proから搭載された新機能で、プロジェクターの前を横切ろうとすると自動的に検知して明かりを暗くしてくれます。テレビとは違いある程度壁と距離を離して使用するプロジェクターなので、前を横切ることは頻繁にあります。前を横切るたびに目にプロジェクターの光が入るのはストレスになりますが、視力保護機能のおかげで助かっています。
新しく搭載された視力保護機能。
— たいしょん ガジェットブロガー (@taishonpresso) March 31, 2023
プロジェクターの前を横断すると自動で消えてくれる。 pic.twitter.com/OjmL0pTDT4
XGIMI MoGo 2 Proのデメリット
XGIMI MoGo 2 Proのデメリットは、下記の2点です。
バッテリーは内蔵していない
XGIMI MoGoやHaloシリーズは内蔵バッテリーでコンセントに接続しなくても使用できましたが、XGIMI MoGo 2 Proはバッテリーを内蔵していないため電源との接続が必須です。
ただし従来のDC電源アダプターではなくUSB-Cケーブルで電源を取れるため、65W以上のモバイルバッテリーでも駆動できます。僕の場合はポータブル電源を使ってみましたが、USB-Cケーブルで駆動できました。
キャンプが好きな方ならポータブル電源を持ち運ぶ方が多いと思いますので、コンセントを塞ぐことなく給電できるのは便利ですね。
MEMC非搭載
XGIMI MoGo 2 Proは、MEMC(Motion Estimation Motion Compensation)を搭載していません。MEMCとは、前後のフレームを補完するテレビで言う倍速機能の事です。
XGIMI Halo+では搭載されているこの機能ですが、例えば動画の動きの滑らかさやゲームプレイ時の動きに影響してきます。当ブログの読者によれば、大画面の場合MEMCがあったほうがゲームプレイ時に3D酔いしにくいとのことでした。
僕もゲームプレイしてみましたが、RPGゲームぐらいなら特に気にならなかったのでもし高速に動くようなFPSゲームをプレイされるような方はMEMC搭載のプロジェクターのほうがいいかもしれません。
XGIMI MoGo 2 Proをおすすめできる人
XGIMI MoGo 2 Proをおすすめできる人は、10万円以下で家でも外でも映画やアニメ、ゲームを大画面で楽しみたい人です。
定価80,200円とXGIMI MoGo Pro+の定価84,800円より安いにもかかわらず、明るさ、画質、音質の面で上回っています。コンパクトなので持ち運びしやすく、キャンプなど外出先で使いやすいです。
内蔵バッテリーがないので、ポータブル電源いらずで使いたい方はXGIMI MoGo Pro+かXGIMI Halo+がおすすめです。また、家でしか使わない方はより明るく音質も良いXGIMI HORIZON Proがおすすめです。
XGIMI MoGo 2 Proのレビューまとめ
XGIMI MoGo 2 Proをレビューしました。ハリウッド映画並みのD65色温度への対応や8Wスピーカー2基を搭載するなど、完全に小型なモバイルプロジェクターのクラスを超えたレベルに仕上がっています。
USB-Cケーブルでモバイルバッテリーからの給電にも対応し、外出先でも使いやすくなっています。
自宅で映画やアニメを大画面で楽しむのはもちろんのこと、コンパクトな持ち運びやすさを生かしてキャンプなど外でも楽しめること間違いなしです。
ぜひ家族で、プライベートなホームシアターとして、XGIMI MoGo 2 Proをお試しください!
- 400ISOルーメンで十分な明るさ
- 高速かつ正確な自動補正で手間いらず
- 8Wのスピーカーでクラスを超えた音質
- Android TV内蔵で様々なVODを楽しめる
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 静音設計で映像に集中できる
- バッテリーは内蔵していない
- MEMC非搭載