iPhone 16シリーズの登場で脚光を浴びることになった最新規格のWi-Fi 7、その技術をいち早く試すことができるAmazon専売モデル、Archer BE450をレビューします。
- 7.2GbpsデュアルバンドWi-Fi 7: 高速で安定した接続を可能にし、スムーズな4K/8Kストリーミング・快適なAR/VRゲーム・超高速ダウンロードをお楽しみいただけます。
- MLO(Multi-Link Operation):複数の周波数帯域とチャンネルでデータを同時に送受信できるようになり、高スループット、低遅延でより安定したネットワークの利用が可能です。
- 10G&2.5G有線接続: 10Gbps WAN/LANポート×1・2.5Gbps WAN/LANポート×1・1Gbps LANポート×3を搭載し、高速なデータ通信を実現します。
- 柔軟な設置方法: 縦、横、壁掛けなど自由に置くことができるため、スペースも節約できます。
- EasyMesh: EasyMesh技術と互換性のあるネットワーク機器と連携させることで、シームレスなメッシュWi-Fi環境を構築することも可能です。
- かんたんセットアップで手軽に利用: Tetherアプリを使えば、ネットワーク管理も楽々です。
- TP-Link HomeShield: TP-Linkのセキュリティサービスが、ご家庭のネットワークを様々なサイバー攻撃から守ります。
- 優れた互換性: 全Wi-Fi世代と幅広いインターネットサービスプロバイダーに対応しています。
Wi-Fi 7の解説も含め、Archer BE450を徹底レビューしていきます!
TP-Link Archer BE450の開封・外観チェック
まずは開封しながら本体や付属品をチェックしていきましょう。
付属品は下記のものが揃っています。
- Archer BE450本体
- 電源アダプター
- Ethernetケーブル
- スタンド
- クイックインストールガイド
Ethernetケーブルはカテゴリ6Aのものが付属し10Gbpsで通信できる高級なものが付属しています。Wi-Fi 7対応なだけあって、付属品にも妥協がないです。
電源アダプターは30W出力対応の比較的小型なものが付属しています。
スタンドは縦横兼用でき、裏面に滑り止めがあります。
TP-Link Archer BE450本体の外観
Archer BE450は従来のAX23Vといった縦置きにも対応したモデルと近いデザインです。全体的に角がなく、流線型の優しいデザインがスマートさを演出しています。
上部には放熱を高めるためのベントが空いています。
背面、底面にはスタンドを取り付けるための穴が空いており、スタンドをスライドさせて取り付けることで横置き、縦置きに対応します。
実際に縦置き、横置きにするとこんな感じです。設置場所の自由度が上がりそうですね。
サイズ
Archer BE450のサイズは200 x 176 x 59mmです。
iPad miniを重ねると一回り大きいぐらいのサイズ感で、比較的コンパクトな仕様ですね。
上位モデルのArcher BE550と並べるとこんな感じです。BE450の方がよりコンパクトに見えますね。
対応する入出力端子
Archer BE450の対応する入出力端子は、下記になります。
- 10Gbps WAN/LANポート × 1
- 2.5Gbps WAN/LANポート × 1
- 1Gbps LANポート × 3
- USB 3.0ポート × 1
10Gbps、2.5GbpsのWAN/LANポートがあり、かなり高速な通信ができそうですね。USBポートはUSBストレージ(SSDなど)を接続すると、NASとして使用できたり便利です。
TP-Link Archer BE450の特徴・使用感レビュー
実際にArcher BE450を使ってみて感じた特徴や使用感をレビューしていきます。
縦置き・横置きもでき設置場所の自由度がかなり高い
Archer BE450は、コンパクトかつ縦置き・横置きに対応するモデルなので設置場所の自由度がかなり高いです。縦置きにすると、デスクの隅や棚の細いスペースにも設置できます。
また、横置きにすればデスクシェルフの下や、棚のちょっとしたスペースにも設置できます。平置きできるルーターはこれまでもありましたが、外付けアンテナが邪魔でなかなか高さの低い場所には設置しづらかったので内蔵アンテナの長所が光りますね。
今回は試していませんが、公式サイトでは壁掛けにも対応しているとアナウンスがあります。ホームルーターとしてはトップクラスのコンパクトさなので、今まで大きなルーターを置いていて邪魔に感じていた方には有力な選択肢になりそうです。
Wi-Fi 7に対応し高速で安定した通信ができる
Archer BE450は、最新規格のWi-Fi 7に対応しています。Wi-Fi 7の主な特徴は下記のとおりです。
- 最大通信速度:Wi-Fi 6(6E)の9.6Gbpsに対し、Wi-Fi 7は最大36Gbps。
- 周波数帯域:2.4GHz、5GHz、6GHzの全てのバンドを利用可能(BE450は2.4GHz、5GHzのみ)。
- 帯域幅:最大320MHz幅の通信が可能で、これにより通信速度が向上。
- 変調方式:4096-QAMを採用し、データ伝送効率が向上。
- MLO(Multi-Link Operation):複数の周波数帯を同時に利用することで、通信の安定性と速度を向上
通信速度が速くなったというのはもちろんですが、帯域幅がWi-Fi 6の倍にあたる320MHz幅になったことはかなり大きいです。 道路に例えると、通信経路がこれまで2車線だったものが4車線になり一度により多くの同時送信が行えるようになっています。
いわゆるOFDMAと言われている技術ですが、Archer BE450ではデフォルトでオフになっていますのでWeb版の管理画面でログインし、「ワイヤレス > OFDMA/MU-MIMO」の欄で有効にしておく必要があります。MU-MIMOもビームフォーミングを使った高速化技術なので、合わせて有効化しておくといいですね。
また、MLOという新しい機能にも対応しました。これは従来は5GHz帯か2.4GHz帯のどちらかでしか通信できなかったのが、2.4GHz帯+5GHz帯のように同時にリンクして通信できるようになりました。これにより、より低遅延で途切れにくい安定した通信を可能としています。
特にオンラインゲームやビデオ会議などリアルタイムで大量の通信を必要とする作業にぴったりです。
TP-Link Tetherアプリで設定も簡単
Archer BE450は、TP-Link Tetherアプリを使えば初期設定、端末の管理もスマホでかんたんに管理できます。他社の場合アプリではなくWebブラウザで操作する必要があったり、スマホにそもそも最適化されていないメーカーがある中でTP-Linkは当初からアプリで設定画面を提供していたので選ぶ理由の一つにしていました。
ネットワークのパスワード変更や、接続中の機器がひと目で確認できるのでかなり重宝しています。
ちなみにWeb版の管理画面もかなり見やすく、5つのメニュー項目から自分が設定したい内容のページに辿り着きやすいのでこちらも他社より優れているポイントに感じました。OFDMAなど一部の設定項目はアプリではなくWeb版の管理画面を使わないといけないので、覚えておきましょう。
安心の3年保証
Archer BE450に限らず、TP-Linkのルーターは3年間の保証がついています。
ルーターはほぼ毎日稼働するため故障リスクが高く、1年保証としているメーカーがほとんどです。
保証の範囲は製品の購入価格の範囲内という条件がありますが、日本メーカーで3年間という保証期間を設けているルーターはほぼありません。
また、フリーダイヤルで窓口を設けているのも安心ですね。
固定電話:0120-095-156 (通話料無料)
携帯電話:0570-066-881 (有料ナビダイヤル)
※受付時間:平日9:00~18:00、土日祝10:00〜18:00(年末年始を除く)
Archer BE450の電波範囲と速度の検証
では、ここからは実際にArcher BE450の通信速度、範囲を検証していきます。
- 使用端末:iPhone 16 Pro
- 大垣ケーブルテレビ(IPv4)1Gプラン使用
- 木造建築
- 18時に計測
- fast.comで計測(https://fast.com/ja/)
- 同時接続:32台
今回はWi-Fi 7対応のiPhone 16 Proで、MLOを選択して検証しました。18時の計測結果はこちらです。
場所 | 下り | 上り |
---|---|---|
自室 | 762Mbps | 520Mbps |
ルーターのある部屋 | 790Mbps | 610Mbps |
トイレ | 270Mbps | 320Mbps |
下りはWi-Fi 6E対応のモデルとあまり変わりが感じられなかったのですが、上りのスピードが思ったより出ている印象でした。1階のトイレは壁で囲まれており通信状況が悪いはずですが、上りは300Mbpsを出していたりと悪くない数値でした。
次に同じ条件でM1 MacBook Pro(Wi-Fi 7非対応)でも検証してみました。結果はこちらです。
場所 | 下り | 上り |
---|---|---|
自室 | 544Mbps | 460Mbps |
ルーターのある部屋 | 760Mbps | 580Mbps |
トイレ | 220Mbps | 170Mbps |
そこまで悪くない数字ですが、エントリーモデルのArcher AX23Vとルーターがある部屋意外の数値はかなり近く、Wi-Fi 7対応端末の方が通信速度向上の恩恵は受けられるようです。
TP-Link Archer BE450のメリット・デメリット
TP-Link Archer BE450を実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを紹介します。
メリット
TP-Link Archer BE450のメリットは下記の4点です。
- 縦置きも横置きも対応し、設置の自由度が高い。
- 最新のWi-Fi 7に対応し、対応機種で高速化の恩恵が受けられる。
- TP-Link Tetherアプリで設定や端末管理がしやすい。
- 3年保証で長く安心して使える。
コンパクトで縦置き・横置き対応なので設置の自由度はかなり高いですね。内蔵アンテナでデザインがシンプルなので、リビングなどにおいても目立ちにくいです。
また、iPhone 16シリーズなど最新規格のWi-Fi 7対応の端末を持っている方は高速化の恩恵が受けられるので、買い替えのタイミングで試してみるのはありかもしれません。
デメリット
TP-Link Archer BE450のデメリットは下記の1点です。
- Wi-Fi 7対応端末以外で恩恵が薄い。
Wi-Fi 7に対応していない端末でのWi-Fiの測定結果は、エントリーモデルのArcher AX23Vと大きく変わらないと感じました。ただしこれは1G回線の話で、2Gや10Gに対応した回線を契約している方は理論値の5,760Mbpsの恩恵を受けられる可能性が高いためその限りではありません。
実は私物で上位モデルのArcher BE550を使っているのですが、こちらは1G回線でワイヤレスでも下り1Gbpsを叩き出すなどWi-Fi 7以外の端末でもかなり高速で通信できました。
せっかく2万円出すなら、思い切ってBE550を買うのもありです。
TP-Link Archer BE450のレビューまとめ
TP-Link Archer BE450をレビューしました。
Amazon専売モデルで、最新規格のWi-Fi 7を気軽に試せるモデルです。無線以外でも有線で10Gbps WAN/LANポートと2.5Gbps WAN/LANポートを有しており、従来のモデルより高速通信できるモデルに仕上がっています。
2024年10月時点のAmazon販売価格が20,800円で、恐らく今後セールなどでさらにお得に購入できるチャンスがありますのでぜひ下記のリンクからチェックしてみてください!
- 縦置きも横置きも対応し、設置の自由度が高い。
- 最新のWi-Fi 7に対応し、対応機種で高速化の恩恵が受けられる。
- TP-Link Tetherアプリで設定や端末管理がしやすい。
- 3年保証で長く安心して使える。
- Wi-Fi 7対応端末以外で恩恵が薄い。