かつてベストセラーになった『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』で著者のリズ・ダベンポートは、平均的なビジネスマンが年間に探し物に費やす時間は年間150時間と提唱しています。つまり、人は1日平均で30分ほど探し物に時間を使っています。その時間を減らす工夫の一つとして、最近増えているのがスマートタグ(忘れ物防止タグ)です。

僕はAppleのAirTag含め10個以上使ってます。
今回は、スマートタグの中でも最もメジャーなメーカーの一つ、Tileの最新4製品を比較レビューし実際にそれぞれどのような用途でおすすめなのかを検証していきます。


世界の利用者数2000万人を突破しており、AirTagが生まれる前から世にスマートタグを広めた先駆者でもあります。日本ではソフトバンクグループのSB C&S 株式会社が販売代理をしています。








Tileでできること
Tileでできることは大きく分けて3つあります。
- 探し物の位置を特定すること
- スマートフォンをTileで鳴らすこと
- 探し物の位置を複数人で共有すること
- SOS機能で身の危険を感じた時に家族や友人に通知できる
探し物の位置を特定すること
Tileでできることの1つ目は、探し物の位置を特定することです。そのために買うので当たり前の機能ですが、探し物を少しでも探しやすくするための工夫が多く詰め込まれています。
例えば探し物が近くにある場合ですが、スマホアプリから「見つける」ボタンをタップするとTileからアラートが鳴って位置をすぐに特定可能です。部屋の中にしまっておいたのに、どこを探しても見つからないってこと多いですよね?そんな時に音で知らせてくれるので、バッグの中に入っていたとしても見つけやすいです。




最後の位置情報まで表示してくれる
また、ショッピングセンターで自分の車を探すようなシチュエーションでも重宝します。広いショッピングセンターの駐車場で、自分の車をどこに停めたか忘れることって多いですよね?そんな時に車にTileを入れておけば、どこに駐車したかすぐに調べることが可能です。


Tileが遠くに離れている時は、最後に通信が途切れた位置情報を元にマップで位置を特定してくれます。この機能のおかげで、僕は迷うことなくまっすぐに愛車の位置を特定できました。Tileのアプリはショッピングモール内の店舗名まで詳細に表示してくれるので、財布を落としたときなどでもどこの店舗の近くで落としたのか分かりやすいですよ。







普段使っているAppleの探すアプリと遜色ないマップ表示です。
それ以外でも、例えばスマートアシスタントのSiri、Alexa、Google Assistantとの連携に対応しており、声で探し物を見つけることも可能です。「Hey Siri、財布を探して」と話せば、アラームを鳴らして通知してくれます。僕の場合は部屋の中でまれにリモコンをなくすことがあるのですが、そんな時にTileでスマートアシスタントを使えばアプリを立ち上げることなく探し物を見つけられます。







外部連携しやすいのはAirTagにない強みです!
スマートフォンをTileで鳴らすこと
Tileでできることの2つ目は、スマートフォンをTileで鳴らして見つけることです。実は、Tile本体のボタンを2回タップすると近くにあるスマートフォンを鳴らして探すことが可能です。これはAirTagにはない機能です。ちなみにマナーモードにしていてもiPhoneの最大音量で鳴らしてくれるので見つけやすいです。





家から出て「あれっ、スマホ持ったっけ?」って時もすぐに探せて便利です!
探し物の位置を複数人で共有すること
Tileでできることの3つ目は、探し物の位置を複数人で共有することです。メールアドレスを入力して他のTileユーザーに共有すれば、1つのTileを別の人のアプリでも管理することができます。例えば家族で共用の車があるなら、家族間で共有しておけば誰でも駐車場にある車の位置を特定できて便利です。
また、紛失した場合はTileネットワークを通じて他のTileアプリがインストールされたスマートフォンの位置情報を拾って最新の位置をトラッキング可能です。これはAirTagにもある機能ですが、最後に紛失した位置から動いてしまった時により正確な位置情報を記録できるので便利です(クラウドトラッキングってやつです)。




Tileネットワークの仕組みとしては下記の図のようになっていて、誰が検知したのかは分からないようになっているので個人情報も守られます。





Tileはみんなで支え合って出来ているサービスって実感が湧きます。
実際にTileネットワークで検知されると、下記のようにメールが届いて通知してくれます。実際の位置とは若干離れていますが、検知範囲の105m以内にいた別ユーザーから位置情報が送信されたのでしょう(検知範囲はProであれば150m、それ以外であれば105m)。アプリだけではなく、アカウントのメールアドレスにも通知してくれて親切です。


SOS機能で身の危険を感じた時に家族や友人に通知できる
Tileでできることの4つ目は、SOS機能で身の危険を感じた時に家族や友人に通知できることです。Life360アプリを合わせてインストールしておくと、例えばTileを3回押すとLife360アプリで設定したサークル(家族など)に向けて位置情報とSOSの通知を送信できます。





遠距離防犯ブザーとしても活用できます!
Tileのデメリットは?
Tileのデメリットですが、iPhoneユーザーの僕からすれば「探す」アプリに対応していないことでしょうか。「探す」アプリはiPhoneにプリインストールされていてすぐに使えますが、Tileは会員登録やアプリのインストールといった初期設定の手間が若干あります。



最初の手間だけですけどね。
個人的にはAirTagと比較してデメリットよりも、タグからスマートフォンを探せる、Androidでも使用可能といったメリットのほうが大きく感じています。
製品別のおすすめの使い方
ここからは、製品の特徴や具体的な利用シーンを紹介して、おすすめの使い方を提案していきます。


Tile Mateはバッグやキーケースなど汎用性が高い
Tile Mateは最もバランスが取れた汎用モデルで、取り敢えずTileで何を購入すれば良いか迷ったらまず使ってみてほしいモデルです。


Tile Mateは1円玉4枚分という薄さと、8.99gという軽量さを兼ね備えていますので、比較的どんな用途でもこなします。




AirTagと違い単体でフックに引っ掛けることができるので、僕の場合は仕事用のバッグのフックに引っ掛けて使っています。軽いので邪魔になりませんし、ブラックなのでホワイトのAirTagより目立ちにくいのはポイント高いです。


また、キーケースに入れて使うのも便利です。余談ですが、鍵を紛失して警察に届けられた場合、返してもらうのに合鍵の提出を求められることがあるなどかなり手間がかかります。そんな時にTileのようなスマートタグがあると、その場で鳴らすだけですべての手順をすっ飛ばしてすぐに返してくれるという大きなメリットがあります。なので特に財布やキーケースといった比較的落としやすいものに優先的に使いたいところです。





カラビナで引っ掛けたり、一番広い用途で使える製品です。
Tile Proは車のワイヤレスキーと相性がいい
次に紹介するのは、Mateの上位版のTile Proです。


何が上位モデルなのかというと、電池交換ができる、アラートの音がMateより大きい、最大接続距離がMateは約105mに対してProは約150mという違いがあります。


サイズはTile Mateより少し大きめで、重量は15.01gとMateの8.99gより少し重めです。




ほとんどMateと同じ使い勝手ですが、特におすすめしたいのは車のスマートキーです。Tile Proはダークグレーの高品位な縁取りがされており、このデザインと車のスマートキーがかなりマッチしています。また、交換電池はCR2032で車のスマートキーと同じものが使われています(僕のMAZDA3の電池もCR2032でした)。両者ともにいづれは電池交換しなければいけないので、セットで使っておけば型番も忘れにくくておすすめです。


Tile Slimは財布や手帳に挟むのがおすすめ
次に紹介するのは、カード型のTile Slimです。


Tile製品の中では厚み2.5mmと最も薄く、一般的なクレジットカードが入るポケットであれば難なく入ります。




そうなると一番おすすめの使い方は財布にいれることです。Tile Mateなどでも入りますが、厚みが半分以上違うのでより財布の厚みを抑えたい場合はTile Slimを使うのがベストです。


最近ではガジェットポーチやボディバッグにカードを入れるスペースがあるので、そちらに入れてもぴったりです。


また、薄さを活かして手帳に挟んで使うのもおすすめです。栞のようにしてもいいですし、手帳は割と使って適当なところに置きがちなので忘れやすいという意味でもぴったりかなと思います。


Tile Stickerはリモコンやカメラ・自転車などで使うのがおすすめ
最後に紹介するのは、貼り付けができるTile Stickerです。


Mateよりもさらにコンパクトで軽量なので、特に小型ガジェットへの取り付けに便利です。




例えば、家の中でなくしがちなのがテレビのリモコンです。僕はベッド横にテレビがあってよく寝落ちするのですが、ベッドの隙間からリモコンが知らないうちに落ちてしまい探すのにかなり時間がかかった記憶があります。Tile Stickerなら、リモコンの裏や操作面の空いているスペースに貼り付けておけるので、室内でリモコンを探す手間がかなり短縮できます。


また、ミラーレス一眼カメラの軍艦部にもぴったりサイズでした。外に持ち運んでよく使うので、万が一なくしたときの保険として使うのもありです。最近のカメラは高価格ですし、Tile Stickerなら3,980円で紛失保険に入れると考えれば安いです。


僕は所有していないのですが、自転車やバイクに取り付けて使うのもおすすめです。自転車やバイクは特に盗難に会いやすく、AirTagなら見た目でバレてしまい犯人が取り除いてしまう可能性があります。Tile Stickerなら一見スマートタグに見えないので、その分生存確率が上がります。



貴重品に直接貼り付けできるのは大きなメリットです!
用途を考えながら自分にあったTileを探してみましょう
2024年に発売したTile製品を紹介しました。スマートタグでもここまで幅広いモデルを展開しているメーカーはなく、「スマートタグ」と検索すると1番目に表示されるほどメジャーなメーカーです。
iOS、Androidの両方で使えて汎用性が高いので、ぜひ自分に合ったモデルを選んで使ってみてください。
商品名 | Tile Mate | Tile Pro | Tile Slim | Tile Sticker |
---|---|---|---|---|
製品画像 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
発売日 | 2024年9月17日 | 2024年10月上旬 | 2024年9月17日 | 2024年9月17日 |
オープン価格 希望小売価格 (税込み) | ¥3,980 | ¥5,780 | ¥5,180 | ¥3,980 |
カラー | ブラック/ホワイト/カラー4色パック (ブルー、グリーン、ピンク、ライトブルー※EC販売のみ) | ブラック/ホワイト | ブラック | ブラック |
電池タイプ | 交換不可 | 交換可能 (CR2032) | 交換不可 | 交換不可 |
電池寿命 | 約3年 | 約1年 | 約3年 | 約3年 |
最大接続距離 | 約105m | 約150m | 約105m | 約75m |
商品サイズ (幅×高さ×厚み) | 37.6 x 37.6 x 7.2mm | 34 x 54 x 7.54mm | 85.5 x 54 x 2.5mm | 28 x 28 x 7.8mm |
防水性 | 防水(IP68) | 防水(IP68) | 防水(IP68) | 防水(IP68) |







