- SONY STR-DH590の特徴
- SONY STR-DH590の使用感レビュー
- SONY STR-DH590の評判・口コミ
こんにちは!コスパの良いホームシアター構築を進めているたいしょん(@taishonpresso)です!
本記事では、2018年に発売されたSONYのAVアンプ、STR-DH590をレビューしていきます。家でも映画やゲームを大迫力で楽しみたいということで、スピーカーやAVアンプを探していました。
その中でSONYのAVアンプ、STR-DH590は下記の点で魅力に感じて購入しました。
- AVアンプの中で最安
- 安くてもHDMI4系統や自動音場補正など基本性能は十分
- サイズがコンパクトで設置しやすい
- ハイレゾ対応
- AmazonのAVアンプカテゴリーで1位
初心者なのでAmazon1位の安心感とコスト重視で選んでみました。
結論として、3万円台でハリウッドに実在するシアターの音響を疑似体験でき、映画やゲームの臨場感を高めるのに最適なAVアンプです。エントリー機ながらハイエンドオーディオで培った技術がふんだんに盛り込まれており、僕のようなオーディオ初心者でも満足できるモデルでした。
- かっこいいデザイン
- 奥行き30cm未満でデスクへの設置性は高い
- 4K対応のHDMI出力端子が4つで快適
- 音場補正は30秒で完了し手軽かつ正確
- 声が強調された音質で映画やボーカル中心の音楽に合う
- ヘッドホン出力の音もいい
- Bluetooth接続もAAC対応かつ安定していて良い
- メニューは日本語に非対応
- ゲームプレイ面で最新の機種に劣る
- Phono端子はないのでレコードを聴く方は注意
長めなので、目次で必要な箇所だけ読んでみてくださいね。
SONY STR-DH590の特徴
STR-DH590は、SONYのAVアンプの中で最も安いエントリーモデルです。エントリーモデルでありながら上位機種のSTR-DH790と同じ筐体、実用最大出力を持ち、コストパフォーマンスに優れたAVアンプです。
合計で5.1ch(スピーカー5台とウーファー1台)のサラウンド環境を構築できます。
リモコンが付属しており、本体から離れていてもすべての機能にアクセスできます。
- 理想的なサラウンド空間を実現する自動音場補正機能「D.C.A.C.(Digital Cinema Auto Calibration)」搭載
- フロントスピーカーだけでも臨場感豊かなサラウンドを実現する「S-Force PROフロントサラウンド」を搭載
- Xエンボスデザインを採用し、進化したFB(Frame and Beam)シャーシ
- 最新の4Kコンテンツのパススルーに対応
- ARC対応でテレビと連動して電源のオンオフが可能
HDMI入力 | 4系統(背面4系統) |
HDMI出力 | 1系統 |
音声出力 | サブウーファー:2系統 ヘッドホン:1系統 |
音声入力 | 光デジタル:1系統 同軸デジタル:1系統 ライン系:4系統 |
Bluetooth接続 | 対応(SBC・AAC) |
実用最大出力 | フロント:145W+145W(6Ω) センター:145W(6Ω) サラウンド:145W+145W(6Ω) |
外形寸法(幅×高さ×奥行mm) | 430 x 133 x 297 mm |
質量 | 7.2Kg |
付属品 | キャリブレーションマイクロフォン、リモートコマンダー(RMT-AA401U)、単4形乾電池×2、FMアンテナ線、取扱説明書、スタートガイド |
SONY STR-DH590の外観レビュー
では、まずSTR-DH590の外観をレビューしていきます。
フロントパネル部分はいかにもAVアンプといった見た目で、ヘアライン加工されたボディとスピンドル加工された大きなダイヤルがかっこいいです。デスクに置いて使っているので、見た目って大事ですよね。
左側には電源ボタン、ヘッドホン出力端子、音場補正用マイク端子があり、ヘッドホン出力端子の金メッキ部分がアクセントになっています。
右側には入力切り替えダイヤル、ボリュームダイヤルがあり、大きく手元で操作しやすいです。
天板や側面に放熱用のベントが設けられ、アンプ本体が熱くなるのを防いでいます。
背面には各種入出力端子が備わっています。
スピーカー出力のうちフロントはバナナプラグにも対応し、よくスピーカーを着脱する方には嬉しい仕様ですね。
底面はXエンボスデザインを採用し剛性を高めたシャーシになっており、スピーカーなどの音圧など外部からの影響を最小にする仕様です。Xエンボスデザインを採用したことで、従来よりアンプ本体の高さを15%低く、奥行を10%短く小型化できたということでした。
スピーカーと同じぐらい、アンプも繊細なのでノイズ対策が重要です。
外観は個人的にかっこいいデザインで、かつ端子も多く必要十分な仕様でした。実際の使用感はどうなのか、次章で解説していきます。
SONY STR-DH590の使用感レビュー
では、実際にSTR-DH590を使用してみて感じたことをレビューします。検証では下記の機器を使用しています。
一般的にAVアンプの使い方は、下記の図のような流れです。
奥行き30cm未満でデスクへの設置性は高い
最近のAVアンプはWi-Fi接続対応など機能が増えた分ボディサイズも大きくなりがちですが、STR-DH590は奥行き297mmと30cmを切っているためデスクの設置性も高いです。
実はDENONのX1700HというエントリークラスのAVアンプを所有しているのですが、こちらは奥行き339mmと少し幅があります。
微々たる差かもしれませんが、例えば奥行き60cmの天板で手前に奥行き30cmのデスクマットを置いた時に、STR-DH590なら背面にケーブルを接続しても無理なく設置できるんですよね。
そのおかげでデスクに設置しても圧迫感もなく、手前にMacBookを置くなどスペースに余裕が出ています。もちろん別途ラックがある方は気にならないかもしれませんが、僕のようにデスクトップで快適な視聴環境を構築したい方はこのコンパクトなサイズがぴったりです。
最高のデスクトップ環境ができあがりました。
4K対応のHDMI出力端子が4つで快適
AVアンプはHDMIセレクターの側面もありますが、STR-DH590は合計4つのHDMI入力端子がありますのでモニター側に1つしかHDMI端子がない場合でもより多くの機器を接続できます。僕の場合は下記の機器を接続しています。
- Nintendo Switch
- Xbox Sereis S
- SONYのブルーレイレコーダー
- Amazon Fire TV Stick 4K Max
4つすべての端子が18Gbps、4K/60p 4:4:4(8bit)の映像信号に対応し、HDR(HDR10、HLG)に加えてDolby Vision(TM)にも対応していますので必要十分です。
実は背面に最大5W出力のUSB端子がありますので、例えばFire TV Stick 4K Maxの給電をSTR-DH590側ですることも可能です。
電源難民には嬉しい仕様ですね!
音場補正は30秒で完了し手軽かつ正確
STR-DH590は「D.C.A.C.(Digital Cinema Auto Calibration)」という自動の音場補正に対応し、付属のマイクを使って最適なサラウンド環境を30秒で構築できます。
コンサート会場などで実際に行われる音場測定方法であるマルチポイントマイク測定に近い結果が得られるペアマッチング技術を採用し、室内でも自然なサラウンド効果を得られます。
実際に使用してみましたが、マイクを耳の高さに近い場所に持っていき、特定のパターンの音をスピーカーから聴かせるだけで簡単でした。9000番台のSONYのBRAVIAでもリモコンのマイクを使って似たような音場補正ができますが、実際X9500Hと同じ音を使って補正していました。
DENONのX1700Hなど最新のAVアンプは、より正確に補正しようと6箇所以上測定し10分以上時間がかかるのですが、正直ステレオであればSTR-DH590の音場補正でも十分だと感じました。
もし測定しても満足できない場合はマニュアルでも設定できます。
声が強調された音質で映画やボーカル中心の音楽に合う
音場補正をして早速THE FIRST TAKEを観てみましたが、画面から声がくっきり浮き上がるようなリアル感のある音質で感動しました。
ボーカルが画面中央に定位し、ボーカルを支えるかのように左右から各楽器の迫力のある音色が聴こえてくるサラウンド感が気持ちいいです。中低域の音の厚みもありますので、特にジャズとかなり合います。
DENONのX1700Hと交換しながら聴き比べてみたのですが、ステレオ再生において声の実体感と重低音の臨場感は個人的にSTR-DH590が上と感じました。
本来サラウンドは3本以上のスピーカーが必要なのですが、「S-Force PROフロントサラウンド」というフロントスピーカーだけでサラウンド空間を実現する機能が効いているため十分な臨場感を感じられました。
様々なサウンドモードがあるのですが、特に「HD-D.C.S.」はハリウッドにあるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの「ケリーグラントシアター」を音場再現のモデルにしたという本格仕様です。
3万円でハリウッドにあるシアターの音響を疑似体験できるって激安じゃないですか?
Xboxでゲームもプレイしてみましたが、こちらも爆発音や声の聴こえてくる方向など高い臨場感でプレイでき、ゲームの没入感を高めてくれました。もうテレビやモニター内蔵のスピーカーには戻れません。
ヘッドホン出力の音もいい
元々スピーカー用途でしたが、ヘッドホン出力もあるのでATH-R70xをつないで使用してみました。これが予想外に音質が良かったです。ヘッドホン出力の仕様は60mW+60mW(32Ω)で470ΩのATH-R70xではどうなのかわかりませんでしたが、最大ボリューム50のうち17でちょうどいいほど高出力です。
ヘッドホン出力の場合イコライザーもサラウンドも使えませんが、SONYらしいドンシャリ(重低音と高音域を強調した音質)でロックもジャズも楽しく聴けるチューニングでした。
ATH-R70xの抵抗値が高いのもありますが、ノイズ感もほとんど感じないクリアな音質です。
もし夜間で音が鳴らしにくい環境でも、引き続き快適に映画やゲームを楽しめますね。
Bluetooth接続もAAC対応かつ安定していて良い
STR-DH590は、Bluetoothの入力に対応しています。SBC(Sub Band Codec)とより高音質なAAC(Advanced Audio Coding)のコーデックに対応しています。
詳しくはBLUETOOTHオーディオコーデックを設定する「BT AAC」でも紹介されています。
実際にiPhoneを接続して音楽を聴いてみましたが、自室に多くの機器があるにも関わらず途切れること無く安定して接続できていました。音場はHDMIに直接入力したときよりかなり狭くなりますが、BGM用途なら十分な音質です。
ただし「サーーッ」というホワイトノイズは少し大きめなので、気になる場合はFire TV Stick 4Kなど音楽アプリで再生できる機器を使用したほうがいいでしょう。
SONY STR-DH590のデメリット
STR-DH590はコストパフォーマンスに優れておおむね満足していますが、少し気になるデメリットもありますので解説していきます。
- メニューは日本語に非対応
- ゲームプレイ面で最新の機種に劣る
- Phono端子はないのでレコードを聴く方は注意
メニューは日本語に非対応
SONYはグローバル企業とはいえ日本に本社を持つ企業ですが、メニューで選択できる言語に日本語はありません。フランス語なども選択できますが、ほとんど読めないので多くの方は英語を選択することになると思います。
Amazonや価格.comで評価を下げている最大の要因がこの言語部分で、確かに英語が読めない方には不便だと感じます。
ただ、個人的にカタカナにすれば分かるレベルの英語(Night Modeはナイトモードで夜間のモード、Sound Fieldはサウンドフィールドで音場など)で、不便は感じませんでした。
英語メニューはすぐに慣れます。
ゲームプレイ面で最新の機種に劣る
STR-DH590は、最新のPlayStation 5やXbox Series Xで対応している4K 120Hzに対応していません。それどころか、4K 10ビットの60Hzにも対応していません。
試しにXbox Sereis Sを4KモニターのEW2880Uに直接接続しましたが、こちらは4K 10ビットの60Hzに対応している表示が出ました。
ただ、僕は正直気にしていません。
- そもそも4K 120Hzに対応したモニターを持っていない。
- 4K 120Hzに対応したHDMIケーブル(HDMI2.1)を持っていない。
- AVアンプ経由とモニターに直接つないだ場合で画質の違いが分からない。
もちろん4K 120Hzに対応したモニター、ケーブル、機器があれば問題がありますが、そもそも4K 60Hzで十分な環境なら気になりません。また、4K 10ビットの60Hzに対応していないと表示されていますが正直画質に違いを感じませんでした。
もし4K 120Hzに対応させたいのなら、DENONのX1700Hなど他社のエントリークラスのAVアンプを検討しましょう。
デメリットですが、個人的に気になりませんでした。
Phono端子はないのでレコードを聴く方は注意
STR-DH590は、レコードプレイヤーなどで採用されているPhono端子がありません。最近はAVアンプでもPhono端子がついているモデルが増えていますが、あくまで映像入力に特化したモデルと割り切って使用する方がいいです。
もしレコードプレイヤーの使用も視野に入れている方は、DENONのX1700Hなど他社のエントリークラスのAVアンプ、あるいはSTR-DH190という映像出力を省いたステレオアンプを検討しましょう。
SONY STR-DH590の口コミ・評判
僕以外のSTR-DH590はどう感じているのか、Twitterを中心に口コミ・評判を集めてみましたので紹介します。
良い口コミ・評判
#一番買ってよかったPC周辺機器 PC周辺機器かどうかは分からないけどSONYさんのAVアンプのSTR-DH590、これでPCの音を出力してるから迫力のある音を出してくれるとっても素晴らしいきき
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STR-DH590のサウンドフィールド(音場補正)機能を試してみるなどをしている。 手始めにHD-D.C.S.で視聴。サウンドステージが広がって、小音量でもセリフがはっきりと聞こえてくるね。 気が向いたらゲームでも試してみるか。
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画像も音も凄く良くなりました。今までテレビのスピーカーだけでは聞こえなかった音が、はっきり綺麗に聞こえるようになりました。ちょっと贅沢気分。投資して良かったです。
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口コミでもセリフが聞き取りやすく、迫力のある音は高評価ですね。
悪い口コミ・評判
長らく使ってきたAVアンプの挙動が怪しくなってきたので、STR-DH590に買い替え。古めの機種だけど、ラックに入る手頃な機種がこれくらいしかないので仕方がない。これでTVに続きアンプも4K対応になりました。 ただ手持ちのパッシブウーファーが繋げられないのが残念。ウーファー用アンプも買わなきゃ…
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一応STR-DH590はウーファーへの出力に対応しているものの、アンプを内蔵していないウーファーには対応していないので注意が必要ですね。
PCのスピーカーまわりを何とかしたくて、何を思ったかSONYのSTR-DH590とSS-CS5を購入。そしてSS-CS5の設置場所で悩み、STR-DH590の設定で悩む。 こういう悩みって若い頃は楽しめてたのになぁ、としみじみするじじぃでございました。 あ、STR-DH590、結構熱くなるね。 音自体は、うん、SONY。
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STR-DH590は確かに本体が結構熱くなります。1日中電源をつけていたら、6畳程度なら普通に暖房器具として成立するぐらいです。僕は秋に購入しましたが、STR-DH590を置いて1日中電源をつけていた部屋(8畳)は他の部屋より3度ほど室温が高くなっていました。アンプだけのせいでは無いかもしれませんが、一般的にAVアンプは特に熱を持ちやすいので取り扱いに注意しましょう。
USBファンをつけて熱対策をしている方もいらっしゃいます。
SONY STR-DH590のレビューまとめ
SONY STR-DH590は、3万円台というエントリークラスのAVアンプながら上位機種譲りの筐体、最大出力でパワフルなモデルです。
ハリウッドにあるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの「ケリーグラントシアター」を音場再現のモデルにした「HD-D.C.S.」などSONYならではのモードもあり、入門機でも本格的なホームシアターを構築したい方におすすめです。