最近Apple Musicのロスレス対応やAmazon music HDなど、ロスレス・ハイレゾのストリーミングサービスが増えました。
そんな中注目が集まっているのが、「ポータブルDAC」と言われる小型のアンプです。
- 高出力でヘッドホンもインピーダンスの高いイヤホンも鳴らしきれる
- 小型軽量でスマートフォンでの使用もしやすい
- ロスレス・ハイレゾ音源の再生に対応
- ノイズの少ない純度の高い音質
- Apple MFi非対応のためいつかiPhoneで聴けなくなる可能性がある
ロスレスで注目を集めているポータブルDAC
iPhoneでは昔から外付けのDACをつなぎ、ハイレゾ音源を聴くことはできました。しかしそれは今までであれば、音質にこだわる一部のオーディオマニアぐらいしか聴くことはなかったでしょう。なぜなら主要な音楽ストリーミングサービスで、ロスレスやハイレゾ音源を配信しているサービスが少なかったからです。moraはハイレゾ音源を昔から配信していましたが、通常の音源より高めなので本当に音質にこだわりたい人向けであったのは確かです。
しかし、Apple Musicなど月額料金はそのままに、ロスレスやハイレゾ音源を聴き放題になった現在はより身近になり状況は一気に変わってきました。
iPhoneでは、下記の条件でハイレゾ音源を再生できます。
- 有線接続のヘッドフォン、レシーバー、または電源内蔵スピーカー
- 内蔵スピーカー
- サンプレートが 48 kHz を上回る曲を聴くには、外付けの DA (デジタル/アナログ) コンバータが必要です。
つまり、イヤホンやヘッドホンで再生するには1と3の条件が必須です。というわけで、ポータブルDACの需要は高まり各社品切れの状態が続いています。
そんな中、「Shanling UA2」というポータブルDACを購入してみましたので、今回使用感などをレビューしていきます。
開封レビュー
箱はマグネットで開閉できる仕組みで、おしゃれですね。
本体とUSBアダプタが見えてきました。
こちらはUSB-CケーブルとLightningケーブルです。
これだけのアダプタがあれば、比較的どんな端末でも使用できますね。ちなみにLightningケーブルは初回限定で、通常は付属していません。
このコンパクトさながら、バランス接続にも対応しています。
Type-C端子で様々な機器に接続可能です。
UA2の魅力
では早速、UA2の魅力をご紹介していきます。
高出力でヘッドホンもインピーダンスの高いイヤホンも鳴らしきれる
まず、「RT6863」というオペアンプを使用し最大出力レベル195mW@32Ωという高出力なので、スマートフォンでは音量の取りにくいヘッドホンやイヤホンでも鳴らし切ることができます。
僕はPinnacle P1というインピーダンス50Ω(普通のイヤホンは16Ω)でかなりインピーダンスの高いイヤホンを使用しています。そのため例えばイヤホンジャック搭載のiPhone6では、音量を最大にしてもギリギリという状態でした。しかしUA2はそんなPinnacle P1を音量70%ぐらいで鳴らしきってくれるので、非常に気持ちよく音楽に浸ることができました。
小型軽量でスマートフォンでの使用もしやすい
ポータブルDACは、今までであればスマートフォンぐらいのサイズのものが多かったです。もちろんバッテリーを内蔵していたり放熱の関係で大型化するのは仕方ないのですが、UA2は「ES9038Q2M」という最新のチップを搭載することで小型化に成功し、本体サイズ:54 x 18 x 9mm、重量:約 12.6gというミニマム設計を実現しています。
ロスレス・ハイレゾ音源の再生に対応
シールが貼ってあるので分かると思いますが、ハイレゾ音源の再生に対応しています。
再生している音源によって、イルミネーションLEDの色が変化するのも特徴です。Apple Musicなどでもハイレゾ音源が配信され始めているので、コンパクトでありながらハイレゾ対応である部分は魅力ですね。
ノイズの少ない純度の高い音質
UA2はバックグラウンドノイズが少ない点も特徴です。
シングルエンド出力特性値
出力レベル:2V @ 32Ω (125mW@32Ω)
周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
ダイナミックレンジ:122dB @ 32Ω (A特性)
S/N 比:121dB @ 32Ω (A特性)
クロストーク:76dB @ 32Ω
出力インピーダンス:<0.8Ω
バランス出力特性値
出力レベル:2.5V @ 32Ω (195mW@32Ω)
周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
ダイナミックレンジ:120dB @ 32Ω (A特性)
S/N 比:116dB @ 32Ω (A特性)
クロストーク:109dB @ 32Ω
出力インピーダンス:<1.6Ω
音質との相関が最も高い数値は「THD+N(全高調波歪み+雑音)」なのですが、「0.0008%」という数値は同社の「M6」という専用DAPと「0.0003%」しか違いません。
https://musinltd.com/shanling/192.html
この差であれば、専用機並のノイズの少なさと歪の少なさを実現しているといえます。
アンバランス接続で「King Gnu」の「Teenager Forever」を聴いてみましたが、アコギのカッティングの音の生々しい乾いた音が心地よく、非常に気持ちよく聴けました。
「ずっと真夜中でいいのに。」の「正しくなれない」を聴いてみましたが、澄んだボーカルはもちろんのこと、途中から入ってくるベースの輪郭がしっかりしていてかつ迫力もこもっている音に感じました。
昔同社の「M2x」というDAPを使用していましたが、それと比べると音の傾向は少し温かみがあり、高音が刺さりにくいチューニングなので聴きやすいと感じました。
残念な点
ここからは愛を込めて、残念だった点も説明していきます。
Apple MFi非対応のためいつかiPhoneで聴けなくなる可能性がある
初回購入特典でついてくるLightningケーブルですが、実は「Apple MFi認証」に通っていないためOSのアップデートでいつか聴けなくなる可能性があります。
最近では安いDACでも「Apple MFi認証」を通過しているモデルもあるので、ここは対応してほしかったという印象です。
Shanling UA2は様々なデバイスでハイレゾ音源を楽しむのに適した機種
アプリの問題などありますが、通常使用では音質含めとても満足しています。
ハイレゾ対応の音楽ストリーミングサービスを契約していて、かつリーズナブルでコンパクトな高音質DACを探しているという方にはおすすめな製品です。