こんにちは!最近ヘッドホンアンプを物色しているたいしょん(@taishonpresso)です!
本記事では、聴き専(音楽を聴く専用の使い方)目線で、オーディオインタフェースのMOTU M2をレビューしていきます。
MOTU M2は2万円台とは思えない音だ!
MOTU M2は数十万クラスのコンバーターテクノロジーを惜しげもなく採用しているハイコスパ機だ!!
もしかしたらあなたは、この記事に辿り着く前にこのような口コミを見ていたのではないでしょうか。
結論から言えば、MOTU M2は聴き専用途ではかなり人を選ぶ、というかプロの機材なので「音楽を楽しむ」という用途では一工夫必要な機種と感じています。
なぜ聴き専用途では人を選ぶのか、詳しくレビューしていきますね。
- 出力はハイインピーダンスのヘッドホンも十分鳴らせる
- USBバスパワー駆動で余計な配線がいらない
- LCDディスプレイ内蔵で音量が分かりやすい
- 音質は「究極の普通」で人を選ぶ
- ミニステレオイヤホンジャックはない
MOTU M2の概要
MOTU M2は、高価なハイエンドモデルのオーディオインターフェースやラグジュアリーなピュアオーディオ機器に採用されるESS Sabre32 Ultra™DACテクノロジーを搭載し、そのメイン出力では驚くべき120 dBのダイナミックレンジを実現します。ESSコンバータはまた、プロフェッショナルヘッドフォンアンプにも匹敵するヘッドフォン出力を備えています。
- 優れたアナログサウンドを実現するESS Sabre32 Ultra™DACテクノロジー
- 数十万円クラスのオーディオインターフェースで使用されているコンバーターテクノロジーを惜しみなく採用
- 120 dBのダイナミックレンジを測定したメイン出力
- -129 dBu EINを実現したクリーンなプリアンプ
- ESSテクノロジーがもたらすヘッドフォン出力
- フルカラーLCD内蔵
MOTU M2はオーディオインタフェースで、通常のヘッドホンアンプとは異なります。ざっくりとした違いは下記です。
- オーディオインタフェース・・・音声の入出力に対応している。
- ヘッドホンアンプ・・・音声の出力のみに対応している。
寸法(幅x奥行きx高さ) | 19.05 x 10.8 x 4.5 cm |
重量 | 0.61kg |
サンプルレート | 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz |
電源 | USBバスパワー |
対応OS | macOS、Windows、iOS |
製造国 | Made in USA |
Amazon参考価格(2022年8月) | 28,500円 |
MOTU M2の外観・付属品
MOTU M2を開封しつつ、外観や付属品も見ていきましょう
MOTU M2の付属品は、本体とUSB Type-Cケーブルです。
説明書は、外箱の内側に軽く説明されてる程度です。日本語の説明書はありませんが、正規代理店の株式会社ハイ・レゾリューションさんの公式サイトでMOTU M2の日本語の説明もあります。
では、本体の外観を見ていきましょう。フロント部分はLCDディスプレイやボリュームツマミなど、分かりやすい操作性です。
そして金属のひんやり感に高級感があってたまらないですね。
フロントパネルの各種インタフェースはこちらです。
- 1/4 “TRSヘッドフォン出力 x 1
- XLR / TRSコンボ入力 x 2
- ポテンショメーター・モニターvol x 1
- ポテンショメータ・ヘッドフォンvol x 1
- ポテンショメーター・マイク/インストゥルメント入力ゲイン x 2
- スイッチ・(2)48Vおよび(2)MON
- 160 x 120ピクセルの入力および出力レベルメーターを備えたフルカラーLCD
バックパネルは、USB Type-Cポートや電源ボタンなどがあります。USBバスパワー出力なので、別途電源を用意する必要はありません。
バックパネルのインタフェースは下記のものが揃っています。
- USB-C(USB Type Aと互換)2.0オーディオクラス準拠、iOSデバイスとの互換(要パワードUSBハブ) x 1
- 1/4 “TRSライン出力(バランス、DCカップリング) x 2
- RCA(アンバランス)アナログ出力(ミラーリング) x 2
- 電源スイッチ
MOTU M2の使用感レビュー
では早速、聴き専目線でMOTU M2の実際の使用感をレビューしていきます。
- 出力はハイインピーダンスのヘッドホンも十分鳴らせる
- USBバスパワー駆動で余計な配線がいらない
- LCDディスプレイ内蔵で音量が分かりやすい
出力はハイインピーダンスのヘッドホンも十分鳴らせる
まず、100Ωを超えるようなハイインピーダンスのヘッドホンも鳴らしきれる出力が良いと感じました。例えば460Ωのハイインピーダンスのaudio-technica ATH-R70xを使用していますが、2時の方向につまみを回せば十分な音量が取れます。
MOTU M2はもともと音楽制作現場で使用されるプロ向けの機材なので、モニターヘッドホンなどプロ向けヘッドホンでも対応できるように設計されていますね。
50ΩのHD 599 SEの場合、0時の方向までボリュームツマミを回せば十分な音量が取れました。
据え置きアンプとして使うのに十分すぎますね。
USBバスパワー駆動で余計な配線がいらない
聴き専として嬉しいのが、USBバスパワー駆動で余計な配線がいらないことです。MOTU M2はUSBバスパワー駆動で、MacBookやiPadとケーブルを1本接続するだけで音楽が聴けます。
据え置きのアンプだと別途AC電源が必要なモデルもありますが、好きな場所で音楽を聴きたいのにわざわざ電源を探さなければいけないのはナンセンスですよね。
配線もスッキリしますし、利便性も高いです。
LCDディスプレイ内蔵で音量が分かりやすい
MOTU M2は160 x 120ピクセルのフルカラーLCDディスプレイを内蔵しているため、視覚的に音量がわかりやすく確認できます。
通常外部のアンプを使用する場合は排他制御(アンプに音量を任せる)になり、PC側で音量を確認できません。2万円台のヘッドホンアンプはほとんどLCDディスプレイがついていないので、音を実際に聴くまで音量を確認できないんですよね。
想定外に大きい音が出ててびっくりすることもあります。
MOTU M2は本体にLCDディスプレイがついていますので、ヘッドホンを挿さなくても音量を確認でき便利です。
2万円台でLCDディスプレイ内蔵はコストパフォーマンスかなり高いですよね。
MOTU M2のデメリット(気になったところ)
では、MOTU M2を実際に使ってみて感じたデメリット・気になったところもレビューしていきます。
- 音質は「究極の普通」で人を選ぶ
- ミニステレオイヤホンジャックはない
音質は「究極の普通」で人を選ぶ
まずMOTU M2の音質ですが、一言で言えば「究極の普通」です。
どういうことかといえば、解像感、音の自然さはかなりいいですが、高音〜低音までフラットな特性のため長く聴いていると飽きてきます。そして音場は数千円のアンプと変わりません。多分、「2万円なのにこの音はありえない!」というレビューを見て購入されるとがっかりする方も多いと思います(僕もその一人です)。
それもそのはずで、MOTU M2はプロの機材だからです。もしどこかの音域が極端に強調されていたら、そして異様に広い音場で音声が出力されていたら、楽曲制作に支障が出てきますよね。なのでMOTU M2は、プロ向けに「何も足さない、何も引かない」音質に仕上がっていると感じました。
個人的にiBasso Audio DC05(1万円以下のDAC)の方が音楽を聴いていて楽しいです。
とはいえ、「作曲家が意図した音質で聴く」という用途ならこれ以上のものはないと感じました。たしかにフラットな音質で聴いていて物足りないと感じることはあるものの、イコライザーで調整したり少しでも工夫すれば聴き専でも満足できる音質にできます。
「究極の普通」な音質だからこそ、自分で足すことも引くこともできる音質ともいえますね。
ミニステレオイヤホンジャックはない
MOTU M2はヘッドホン使用用途で6.3mmステレオ標準プラグしか搭載していないため、普段3.5mmステレオミニプラグで音楽を聞いている場合は少し手間がかかります。モニターヘッドホンを中心に音楽を聴いている方なら問題ありませんが、もしそうでない方は3.5mmから6.3mmに変換するアダプターの使用をおすすめします。
700円前後で購入できますね。
MOTU M2のレビューまとめ
結論として、MOTU M2は聴き専でも十分満足できる性能がありますが、人を選ぶオーディオインタフェースでした。数十万円クラスのオーディオインターフェースで使用されているコンバーターテクノロジーを惜しみなく採用し、コストパフォーマンスで言えばこれ以上無いほど贅沢な製品です。
しかしMOTU M2はあくまでプロ向けなので、解像感や音の自然さは優れているものの、フラットで広すぎない普通の音場なので人によっては「数千円のDACの方が音質がいい」という方も出てきそうな機種です。
Made in USAで質感がよく所有欲も満たせます。百聞は一聴にしかず、聴き専の方もぜひお試しください!