ゲームもデザインも満足にこなせる高機能モニターを、10万円以下で手に入れるのは至難の業です。円安傾向でモニターの価格は上がっていますし、4K160Hz対応のゲーミングモニターだとスタンドの使い勝手がいまいちだったりします。
そこでINNOCN 27M2V Liteが登場しました。ちなみにINNOCNの読み方は「イノクン(イノセンと呼ぶ人もいる)」です。詳しい説明は後ほどしますが、下記のような仕様で10万円を切っているモニターです。
- Mini-LED バックライト技術を採用しHDR1000の高コントラストを実現。
- DCI-P3 および Adobe RGBの色域に99%対応。
- 4K160Hz対応の高リフレシュレート仕様。
デザイナーならDCI-P3 および Adobe RGBに99%対応なんて喉から手が出るほど欲しい仕様ですし、ゲーマーからすれば4K160Hz対応はかなり嬉しい仕様ですよね。極論を言えば、ゲームをプレイするデザイナーさんにおすすめできるモニターに仕上がっています。
実際にINNOCN 27M2V Liteを使用して使い勝手や特徴をまとめてみましたので、気になっている方はぜひご覧ください!
INNOCN 27M2V Liteの特徴
INNOCN 27M2V Liteを実際に使いながら、主な特徴を解説していきますね。
付属品までホワイトの”純白仕様”
INNOCN 27M2V Lite一番の特徴、それは本体から付属品を含めホワイトに統一されているところです。光沢感のないつや消しの白で、非常に清潔感があります。
それでいて例えばスタンドの軸部分はスピンドル加工のシルバーになっているなど、高級感も演出してくれます。
ボディが白いと清潔感があるだけではなく、黒に比べ皮脂汚れが目立ちにくいといったメリットがありますよ。
黒にくらべ部屋の印象も明るくなるので、今までモニターは黒しか使ったことがない僕も好印象でした。
なめらかに調整可能なスタンドが便利
INNOCN 27M2V Liteに付属しているスタンドは、かなり自由度が高いクリエイター向けの高機能スタンドになっています。
上下には120mmの間で調整できます。
画面を傾ける時は、前方5°、後方20°で調整可能です。
モニターをクルッと回せば、縦向きでも使用可能です。水平方向には、左右90°で調整できます。
スタンドの背面にはケーブルをまとめる穴が空いていますので、散らばりがちなケーブルもしっかり整理できます。
また、スタンドの下部にはスペースが空いており、スマートフォンを横向きに置いてカレンダー代わりにするなど利便性も高いです。僕の場合は、電子ペーパーAndroidタブレットのBOOX Palmaを置いています。
モニターアームがなくても使いやすいですよ!
リフレッシュレート160HzにHDMI2.1対応の高いゲーミング性能
INNOCN 27M2V Liteはゲーミング性能も高いです。
- 最大4K160Hz対応。
- ローカルディミング機能対応。
- VRRやALLMなどHDMI2.1の機能に対応。
- HDR1000に対応。
VRRは可変フレームレートで負荷に応じて最適なフレームレートに調整してくれる機能で、ALLMはゲームプレイ時に低遅延を実現してくれる機能です。僕はPlayStation 5を使っているのですが、INNOCN 27M2V Liteはいずれも有効にできました。
VRRとALLMを有効にするにはINNOCN 27M2V Lite側の「ゲーム設定」で「Adaptive Sync」をオンにする必要があります。また、HDRを有効にしているのに発色が変な時は、「ピクチャ設定」から「HDR標準」を選択すると正しい色味になってくれました。
実際にホグワーツ・レガシーをプレイしてみたのですが、「めちゃくちゃキレイ」です。まずコントラストについてですが、窓から入る日差しがかなり明るくてリアリティを感じられました。ローカルディミングというLEDの分割駆動に対応しているだけあって、暗い部分はより暗く、明るい部分はより明るくといったメリハリのある画質でゲームの世界観をより鮮やかに演出してくれます。発色も99%DCI-P3、99%AdobeRGB色域に対応しているだけあって、最近の高画質な液晶テレビに劣らないぐらいの画質で楽しめました。
そして一番大きかったのはフレームレートです。僕は今まで60Hzでしか試したことがなかったのですが、ホグワーツ・レガシーでは119Hz(画面の右上に数字が出ています)でプレイできました。画質はもちろんいいのですが、普段よりヌメヌメとした滑らかな画面の動きに思わず「これすごいなぁ」と声が漏れるほどでした。
PlayStation 5で120Hz対応のゲームは少ないのですが、対応するゲームはよりリッチなゲーム体験ができるのでゲーミングモニター未体験の人はびっくりするかもしれません。
ゲームがやめられなくなります(笑)
USB−Cケーブルを使ってMacBookとの相性もいい
INNOCN 27M2V Liteは、最大65Wで給電可能なUSB−Cポートを搭載していますのでMacBookなどラップトップPCSとの相性も抜群です。MacBookをモニターの正面に置いて使う場合でも、スタンドの昇降範囲が広いので画面が被らずに使用できます。
ブロガーなのでサムネイルのデザインや写真のレタッチなどもしますが、99%DCI-P3、99%AdobeRGB色域という業界標準の色域をほぼ網羅しているのに加え、ΔE <2というかなり色差の小さい状態にキャリブレーションされているので調整しなくても正しい色を再現してくれます(一般的なモニターはΔE <= 4で出荷されることが多く、数値が小さいほど色味が正確)。
実際にINNOCN 27M2V Liteに表示された映像を写してみましたが、普段使っているモニターよりも原色が鮮やかで、iPhoneなど有機ELディスプレイに近い発色に感じました。
これなら、デザイン作業にもぴったりですね。
自動調光機能付きで明るさを自動調整してくれる
INNOCN 27M2V Lite、実は自動調光機能付きで周囲の明るさに応じてモニターの明るさも自動で調節してくれます。
昼間と夜で部屋の明るさが違うと夜にモニターを使った際に眩しさを感じることがありますが、その調整を自動で行ってくれるのはかなり魅力的ですよね。EIZOなど国内メーカーでは自動調光機能がついたモニターが多いですが、海外メーカーだと10万円を超えるモデルでも自動調光機能がついていない場合が多いです。
いつでも目に優しい明るさでモニターが使えます!
INNOCN 27M2V Liteのメリット・デメリット
INNOCN 27M2V Liteを使ってみて感じたメリットとデメリットをまとめます。
メリット
INNOCN 27M2V Liteのメリットは下記の4点です。
- すべてがホワイトに統一されており清潔感を感じられる。
- 付属のモニタースタンドの調整範囲が広く、最適な視線で作業できる。
- HDRやVRR、ALLMなどHDMI2.1の機能、160Hzのフレームレートなどゲームがより快適に楽しめる。
- 99%DCI-P3、99%AdobeRGB色域でデザイン作業に最適。
- 自動調光機能付きで明るさを自動調整してくれる。
まずホワイトに統一されたデザインが爽やかでかっこいいですね。付属品までホワイトというこだわりで、特にPlayStation 5のようなホワイトのデバイスと組み合わせると相性がいいです。
また、ゲームでは119Hzという高リフレッシュレートでの滑らかなプレイが楽しめ、高色域な仕様と相まって今までで最高のゲームプレイができたと実感しています。
僕のようなゲーミングディスプレイ初心者の人は感動すると思います!
デメリット
- 付属のケーブルがDisplayPortのみなのでUSBやHDMIケーブルは別途用意する必要がある。
- 若干ボタン操作しづらい。
- カラーバリエーションがホワイトのみ。
まず、付属の入力ケーブルがDisplayPortのみなのでUSBやHDMIケーブルは別途用意する必要があります。すでに持っている方なら問題ないのですが、特にHDMIケーブルは4K(120Hz)対応のものを購入する必要がありますので注意しましょう。
僕は下記のケーブルを使っています。
ディスプレイの操作についてですが、ジョイスティックに慣れていたからかボタン操作は若干し辛い印象です。ただこれは他社のモニターにも言えることですね。
例えばホットキーパックといったコントローラーがあれば、もっと便利なのになと思いますね。
あとはカラーバリエーション、INNOCN 27M2V Liteは残念ながらホワイトしかありません。もちろんホワイトは清潔感があっていいのですが、デスクをブラックに統一している人向けにもブラックモデルがあると嬉しいかなと感じました。
INNOCN 27M2V Liteのレビューまとめ
INNOCN 27M2V Liteをレビューしましたが、久々にモニターで感動しました。
人生初の120Hz駆動によるゲームプレイは、もう一度今まで遊んだゲームを遊び直したくなるほどの体験でした。遊びだけではなく、デザインも99%DCI-P3、99%AdobeRGBという高色域で色再現が抜群なので満足しています。
ゲームにもデザイン作業にもぴったりなモニターなので、ぜひゲットしてみてください!
- すべてがホワイトに統一されており清潔感を感じられる。
- 付属のモニタースタンドの調整範囲が広く、最適な視線で作業できる。
- HDRやVRR、ALLMなどHDMI2.1の機能、160Hzのフレームレートなどゲームがより快適に楽しめる。
- 99%DCI-P3、99%AdobeRGB色域でデザイン作業に最適。
- 自動調光機能付きで明るさを自動調整してくれる。
- 付属のケーブルがDisplayPortのみなのでUSBやHDMIケーブルは別途用意する必要がある。
- 若干ボタン操作しづらい。
- カラーバリエーションがホワイトのみ。