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iBasso DC03PRO レビュー|据え置きDACいらず!ハードウェアボリューム調整対応で操作性が上がったハイレゾUSB DAC

iBasso DC03PRO

本記事では、2022年11月25日発売の小型USB DAC、iBasso DC03PROをレビューしていきます。同社の「DC03」をベースとし、DACチップにCS43131をデュアル構成で採用した小型USB DACです。

最近のスマートフォンはBluetooth接続が主流となり、イヤホンジャックを搭載していないモデルが多いですよね。完全ワイヤレスイヤホンが人気とはいえ、音質に徹底的にこだわるなら有線接続をしたいところです。

DC03PROなら、新しく音楽プレイヤーを購入しなくてもお手持ちのスマートフォンで高音質な有線接続が可能です。

たいしょん

DC03PROの主な特徴は下記です。

  • CS43131のデュアルDAC構成
  • KDS社製フェムトクロック水晶発振器を採用
  • CNC加工のアルミニウムボディとリア・フロントのガラスパネルデザイン
  • ハードウェアボリューム調整ボタン搭載
  • ケーブル交換式設計
iBasso Audio DC03PRO
iBasso Audio DC03PRO

再生能力はPCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生に対応し、1万円以下のDACとしてはかなり贅沢な仕様です。

今回は一足早くこのDC03PROをお借りしましたので、その外観や仕様、音質など公式サイトには載っていない情報満載でレビューをお伝えしたいと思います。

DC03PRO
総合評価
( 5 )
メリット
  • パワフルで音質がいい
  • ケーブル交換可能で様々な機器と接続できる
  • AndroidならiBasso UACアプリで細かい調整が可能
  • 音楽再生時の発熱が少ない
デメリット
  • iOSやiPad OS使用時に音量の確認ができない
  • ガラス面の汚れが目立ちやすい

PR:この記事は、iBasso Audioの正規代理店MUSIN様より製品提供をいただき作成しています。

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iBasso DC03PROの外観レビューと特徴

iBasso AudioのDCシリーズは今までアルミボディにケーブル一体型のデザインが主流でしたが、DC03PROから一新しました。具体的には、リア・フロント部分にガラスパネルを使用しよりおしゃれで高級感が増しています

今回はグレーを選びましたが、MacBook Proのスペースグレーより濃い色で重厚感があります。

DC03PROグレーはMacBook Proのスペースグレーより濃い
DC03PROグレーはMacBook Proのスペースグレーより濃い

本体側面にはハードウェアボリュームコントロールキーを搭載し、DC03PRO側でボリューム調整が可能です。コントロールキーの根元部分がアンプのダイヤルのように溝が掘られている点は洒落イカシてますね。

サイドにハードウェアボリュームコントロールキーを搭載
サイドにハードウェアボリュームコントロールキーを搭載

本体上部には3.5mm ステレオジャックを搭載しています。市販されている一般的な有線イヤホンやヘッドホンであればほぼ使用可能な、汎用性の高い規格です。

3.5mm ステレオジャックを搭載
3.5mm ステレオジャックを搭載

本体下部にはUSB-Cポートを搭載。USB-OTG規格に対応するケーブルを用意することで、幅広いデバイスとの接続が可能です。

たいしょん

例えばライトニングケーブルに差し替えてiPhoneで使うこともできます。

USB-Cポートを搭載
USB-Cポートを搭載

フロント側にLEDランプを搭載しており、色によって再生ファイルの違いやスタンバイ状態かを確認できます。

ランプの色状態
レッドスタンバイ(待機状態)
ブルーDSD
グリーンPCM
LEDの色と状態
たいしょん

従来機種より大きく見やすくなりました。

大きなLEDでステータスの確認が可能(写真はレッドの状態)
大きなLEDでステータスの確認が可能(写真はレッドの状態)

大きさ

DC03PROの外形寸法は約49.4×21×8mm、重量は10.5gと、かなり小型です。

指でつまめる小型なDAC

比較対象として目薬の容器(目薬の中でも小さい容器)と並べてみましたが、ほぼ互角のサイズと言っていいほど小さいです。これならスマートフォンを片手に外出先に持ち運ぶのも楽です。

目薬の容器とほぼ互角なサイズ

デュアルDACでNDK 社製のフェムト・クロック水晶発振器を搭載しているDC03PROと同クラスのUSB DAC、iBasso Audio DC05と比較すると2回りぐらい大きく見えます。

DC05より本体サイズは大きめ
DC05より本体サイズは大きめ
たいしょん

ただ、大きさの違いで使用感が損なわれることはありませんでした。

付属品

付属品は下記の4点です。

  • DAC本体
  • USB-Cケーブル
  • USB-Aアダプター
  • 説明書
DC03PROの付属品
DC03PROの付属品

付属のケーブルは布巻きで柔軟性があり、使いやすいです。

今回iPhoneを使ったレビューに際しライトニングケーブルを使用していますが、ライトニングケーブルは付属していません。

使用感レビュー

では、DC03PROを実際に使ってみて感じたことをレビューしていきます。

音質レビュー

まずは音質をレビューしていきます。DAC本来の音質傾向を把握するために、リファレンスヘッドホンを使用します。使用機材は下記にまとめました。

  • ヘッドホン:audio-technica ATH-R70x
  • プレイヤー:iPhone 14 Pro
  • アプリ:Amazon music(Amazon music unlimited加入中)

音の傾向は、アタック感が強く解像感の高い硬質なiBassoらしいサウンドです。音場は頭を包み込むような広がりがあり、中低域がどっしりしている分きらびやかな高音域がより華やかに聴こえます。ATH-R70xはインピーダンスが470Ωとヘッドホンの中では音量が取れにくい抵抗値ですが、70%ぐらいの音量で不満のない十分なパワーを持っています。CS43131のデュアルDAC構成ということで、シングル構成のDACより音に余裕が感じられますね。

インピーダンスの高いATH-R70xも余裕でドライブできる
インピーダンスの高いATH-R70xも余裕でドライブできる

個人的に、きらびやかな高音域が引き立つクリスマスソングと相性がいいと感じました。特にベルや金管楽器の再現性の高さは、ぜひ味わってほしいです。

ノイズがほとんど聴こえず、くっきりした音像が浮かび上がるので実体感もあります。この点では、KDS社製フェムトクロック水晶発振器を採用した恩恵が感じられました。

たいしょん

オーディオと水晶ってなんの関係性があるか、NDKさんのサイトで調べてみました。

デジタルオーディオではクロック周波数の位相雑音が、ジッタとしてDAC機能に影響し音源の劣化の一因となり、忠実な音の再現を妨げています。したがって、音の再現性を高めるには位相雑音特性に優れた(ジッタの小さい)、マスタークロック用水晶発振器が必要となります。

NDK:オーディオと水晶の関係

ざっくりいうと、デジタルからアナログに変換する時に雑音を限りなく少なくしてくれるのが水晶発振器です。

MOTU M2など評判のいい据え置きDACも色々使ってきましたが、3万円以下のDACなら個人的に一番好みの音質です。

ケーブル交換可能で様々な機器と接続できる

DC03PROはケーブル交換が可能ですが、それにより様々な機器と接続できる点が魅力です。例えば付属のUSB-CケーブルとUSB-Aアダプターを使用すればデスクトップPCなどでも使用できますし、別途ライトニングケーブルを用意すればiPhoneでも使用できます。

ケーブル交換で様々な機器と接続可能
ケーブル交換で様々な機器と接続可能

DC03PROと同時発売のUSB-OTG対応のオーディオケーブル、CB18と組み合わせればさらなる音質の向上も期待できますね。

iPadでYoutubeを見るのが好きなのですが、イヤホンジャックのないiPadでも有線の高音質で楽しむことができました。据え置きのDACと違って小さく持ち運びやすいので、デスクやベッドに持ち運んで色んな場所で見れるのもいいですね。

iPadに接続して動画も高音質で楽しめる
iPadに接続して動画も高音質で楽しめる
たいしょん

ケーブル交換ができることは使える機器が増えるだけでなく、ケーブルが断線した際に取り替えるだけで修理が完了する安心感もありました。

AndroidならiBasso UACアプリで細かい調整が可能

Androidのスマートフォンを使っている方は、iBasso UACアプリを使用すればより詳細な設定やスマートフォン側での音量調節が可能です。

一般的にスマートフォンのボリュームステップは10数段階しかありませんが、iBasso UACアプリを使えばウォークマンのような専用DAPと同じようにボリュームを最大100段階から調節できます

iBasso UAC

iBasso UAC

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ゲインの調節もできますので、音量が取れやすいイヤホンはゲインを下げる、逆に音量が取りにくいヘッドホンはゲインを上げるといった使い方も可能です。その他にもデジタルフィルターの変更や、左右バランスの調整などに対応します。

iBasso UACアプリで様々な調整が可能に
iBasso UACアプリで様々な調整が可能に
たいしょん

アプリが利用できるAndroidスマホと最も相性がいいですね。

音楽再生時の発熱が少ない(DC05比)

同社のDC05を使っていたからこそ分かるのですが、DAC使用時の発熱が明らかに減っています。DC03PROはデュアルDAC構成でパワフルなため、本来その分発熱も高いはずです。実際にデュアルDAC構成のDC05は、30分音楽を聴くだけでも少し不快に感じるほど発熱していました。

しかしDC03PROは1時間使用しても本体が熱くならず、快適に音楽を聴き続けることができました。

1時間音楽を聴いたあとでも気になる発熱はない
1時間音楽を聴いたあとでも気になる発熱はない
たいしょん

本体は少し大きくなりましたが、その分放熱の効率が上がったのか快適になりました。

気になったところ(デメリット)

音質にも使い勝手にも満足していますが、DC03PROをしばらく使用して少し気になったデメリットも紹介します。

iOSやiPad OS使用時に音量の確認ができない

iPhoneやiPadでDC03PROを使用した際に困ったのは、現在の音量がどれぐらいなのか数値で確認できないことです。ライトニングケーブルを使用すればiPhoneでも使用できますが、音量の制御を完全にDC03PRO側にゆだねるためiOS版のiBasso UACアプリがない現状は数値での音量確認はできません。

iPad側は音量の増減に関わらず100%固定になっている
iPad側は音量の安定性のため増減に関わらず100%固定になっている
たいしょん

音を流したらいきなり大音量だったら困りますね。

ただし、普段から使用しているヘッドホンが同じだったり、DC03PROを使用する前に大音量にならないか確認すれば問題ありません。

ガラス面の汚れが目立ちやすい

DC03PROは本体にガラスを使用していておしゃれな外観ですが、指でガラス面に触れると皮脂汚れがかなり目立ちます。音楽を聴いているときは特に本体をまじまじと見ることはないので気にならないかもしれませんし、服やハンカチなどで拭けばすぐに落ちるので致命的なデメリットではありません。

ガラス面の皮脂汚れは目立ちやすい
ガラス面の皮脂汚れは目立ちやすい
たいしょん

汚れに神経質な人は気をつけたほうがいいかも。

iBasso DC03PROは最初の1台目のDACとしておすすめ

iBasso DC03PRO

多分、1年前にDC03PROが発売されていたらこれ以上アンプを購入しなくても良かったかもしれないと感じるほど気に入っています。

音質面はCS43131のデュアル構成KDS社製フェムトクロック水晶発振器を採用し、据え置きのDAC並みに音がいいです。それでいてiPhoneのUSBバスパワーでも十分駆動でき、470Ωのハイインピーダンスのヘッドホンも十分に鳴らしきれるパワーを持っています。

ここに目薬の容器並みのコンパクトさが加わり、機動力も高いです。正直、据え置きのDACが邪魔に感じるほど気に入っています。

たいしょん

もし1台もDACを持っていない方は、最初の1台としてDC03PROをおすすめします。

iBasso DC03PROの製品仕様

入力端子USB Type-C 端子
出力端子3.5mm ステレオミニジャック
DAC チップCS43131 x2
THD+N-114dB (300Ω 負荷時)
-111dB (32Ω 負荷時)
出力レベル2Vrms (300Ω 負荷時)
1.77Vrms (32Ω 負荷時)
S/N 比127dB
周波数特性20Hz~40kHz +/-0.5dB
ノイズフロア<0.9µVrms
出力インピーダンス0.12Ω
PCM対応最高 384kHz/32bit までのネイティブ再生に対応
DSD対応最高 11.2MHz までのネイティブ再生に対応
重さ10.5 g
本体サイズ約 49.4 x 21 x 8 mm
仕様表
iBasso DC03PRO

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