今回は、Android内蔵のお絵かきタブレット、Huion Kamvas Slate 11をレビューしていきます。PCでお絵かきする時にペンタブや液タブは便利ですが、USBケーブルを接続しなければ使えなかったりPCが必須で取り回しがしづらいのが難点でした。
Huion Kamvas Slate 11はAndroidを内蔵しており、iPadと同じように単体で完結するので出先や自宅の好きな場所で気軽にお絵かきを楽しめるのが大きな魅力です。

Huion Kamvas Slate 11の製品概要
Huion Kamvas Slate 11はスタンドアローン型のAndroidタブレットで、クリエイティブな作業に最適なデバイスです。以下に、スペックを表でまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ディスプレイ | 10.95インチ FHD+(1920×1200)、IPS、90Hzリフレッシュレート、99% sRGB |
プロセッサ | MediaTek Helio G99(8コア:高性能コア×2、高効率コア×6) |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB(最大1TBまで拡張可能) |
ペン | H-Pencil(4096段階の筆圧感知、60°の傾き検知) |
バッテリー | 8000mAh(最大11時間稼働) |
カメラ | フロント:8MP、リア:13MP |
スピーカー | クワッドスピーカー(ステレオサウンド) |
OS | Android 14 |
サイズ | 256.8×168.3×7.5mm(A5ノートより少し大きいぐらい) |
重量 | 約500g |






Huion Kamvas Slate 11の付属品は以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
デジタルペン | H-Pencil(4096段階の筆圧感知、60°の傾き検知) |
スタンド機能付きレザーケース | タブレットを立てて使用できる専用ケース |
充電ケーブル | USB 2.0ポート対応 |
プリインストールアプリ | ibisPaint、Clip Studio Paint などのクリエイティブアプリ |
その他 | クイックスタートガイド、保証書 |


ケースや手袋もついて豪華ですね!


Huion Kamvas Slate 11の使用感レビュー
ここからは、実際にHuion Kamvas Slate 11の使用感を見ていきましょう。
液タブと同様にノングレアで目に優しい
Huion Kamvas Slate 11はAndroidを搭載していますが、Huion自体が液タブやペンタブを中心に取り扱っていることもありサラサラとしたノングレアの液晶を搭載しています。主な仕様は次のとおりです。
Huion Kamvas Slate 11のディスプレイ性能を以下の表にまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ディスプレイサイズ | 10.95インチ |
解像度 | FHD+(1920×1200) |
画素密度 | 207 PPI |
リフレッシュレート | 90Hz |
色域 | 99% sRGB |
表示色 | 1670万色(8ビット) |
コントラスト比 | 1000:1 |
輝度 | 350nits |
視野角 | 160度 |
応答時間 | 25ms |
スクリーン加工 | ナノエッチング加工(紙のような質感) |
フルラミネーション | あり |
アンチグレア | あり |
AGナノエッチング技術による外乱光低減で余分な反射をカットしてくれるうえに、AF光学コーティングによる指紋防止効果で汚れもつきにくく落としやすくなっています。そしてペーパーライクな書き味を実現していて、iPadにペーパーライクフィルムを貼った時に近いようなサラサラ感を実現しています。


普段使っているiPad Pro 11インチモデルと並べてみました。色の鮮やかさはダントツでiPad Pro 11インチモデルが上です。ただ価格が倍以上違うことを考えればHuion Kamvas Slate 11はかなり健闘していると思います。





お絵かきだけじゃなくて読書する時でもサラサラとしたペーパーライクな触り心地はいいんですよね。
単体で絵が描けるのはかなり快適
以前HUION Kamvas Pro 16を使っていて、性能自体は満足していたのですがサイズが大きくMacとの接続が必須ということもありiPadのほうが出番が増えていました。Huion Kamvas Slate 11はOSもバッテリーも内蔵しており本体のみで完結するので、この気軽さはかなり嬉しいです。
プリインストールされているHiPaintというアプリでは、気軽にお絵かきが楽しめます。


ペンだけではなく、指でもお絵かきができるのは普通の液タブやペンタブではできなかったことですね。お子さんのお絵かき遊びも捗りそうです。


付属のペンにはモード切替ボタンがついており、ラジアルメニュー、ブラシ/消しゴム切り替え、パレット表示、取り消し、やり直し、無効化など機能割当が可能です。このあたりはさすが液タブのメーカー。


お絵かきだけではなくHiNoteというアプリでメモも書けます。Goodnotesほど高機能ではありませんが、画像を取り込んで問題集の回答を書き込んだり参考書にメモをしたり用途は広がりそうです。


原神も遊べる
液タブなのに原神が遊べます。Androidが入っているということはそういうこと。
実際にプレイした感想は、一応グラフィック設定を最高(フレームレートは60Hz)にしてもしっかり遊べました。




搭載しているCPUはHelio G99で、ミドルスペックなので特段ゲームに向いているわけではありません。実際、60Hz設定でも実際は30Hz前後しか出ないことが多いです。
項目 | 詳細 |
---|---|
プロセッサ | MediaTek Helio G99 |
コア構成 | 8コア(高性能コア×2、高効率コア×6) |
クロック速度 | 最大2.2GHz |
GPU | ARM Mali-G57 MC2 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB(最大1TBまで拡張可能) |
ベンチマーク | Antutuスコア:約400,000 |



ただ、お絵描きの合間の息抜きに気軽に遊ぶ分には不便ないかなと思います。
付属のスタンド機能付きレザーケースが便利
一般的にタブレットを購入したらケースは別途購入する必要がありますが、Kamvas Slate 11はレザーケースが付属しています。


ケース内部はハニカム構造でねじれに強く、角にクッションがあり耐衝撃性にも配慮されています。




また、フラップカバーを折り曲げて角度調整できるのが便利です。絵を描きやすいようにしたり、動画視聴に便利な角度に調整するなど本体保護以外にも重宝します。







基本的にケースをつけっぱなしにしておくのが便利です!
Kamvas Slate 11のメリットとデメリット
メリット
Kamvas Slate 11のメリットは下記の5点です。
- 優れた携帯性:Kamvas Slate 11は、薄さ7.5mm、軽さ500gという薄型軽量設計が最大のメリットです。本体サイズは10.95インチで、通常のA5ノートよりもわずかに大きい程度であり、バックパックに簡単に入れて持ち運べます。この携帯性の高さから、外出先でのメモ取りやアイデア記録、クリエイティブな作業に最適です。
- 90Hzの高リフレッシュレートディスプレイ:10.95インチのディスプレイは、FHD+(1920×1200)解像度と90Hzの高リフレッシュレートを備えています。これにより、動画鑑賞やゲーム時の映像が滑らかになるだけでなく、ペン入力時のレイテンシ(遅延)を大幅に低減し、デジタル作画における描画の応答性を大きく向上させます。
- 目に優しく、紙のような描き心地の画面:ディスプレイにはAG+AF光学膜の2層構造が採用されており、AGナノエッチング技術により外乱光を99%低減し、AF光学コーティングで指紋防止効果を高めています。これにより、強い光の下でも画面が見やすく、目に優しい視覚体験を提供し、長時間の使用でも疲れにくいとされています。また、このナノエッチング加工は「紙のようなテクスチャ」を生み出し、描画や書き込みがより自然な感触になります。フルラミネーション構造により視差が少なく、ペン先と描画ラインが近く感じられる点もメリットです。
- 十分な処理性能と拡張可能なストレージ:Kamvas Slate 11は、MediaTek Helio G99オクタコアプロセッサー(高性能A76と高効率A55コア、動作周波数2.2GHz、6nmプロセス技術)と8GBのRAMを搭載しています。これにより、多レイヤーでの作業中もスムーズなパフォーマンスを確保し、ラグを防ぎます。内蔵ストレージは128GBあり、さらに最大1TBのMicro-SDカードでストレージ容量を拡張できるため、多くの作品やデータを保存できます。
- 汎用性の高いAndroidタブレット機能:Android 14を搭載し、Googleモバイルサービス(GMS)認証済みであるため、Google Playストアから様々なアプリ(絵画・作図ソフト、ノートアプリ、エンタメアプリなど)を自由にダウンロードして使用できます。描画ツールとしてだけでなく、通常のAndroidタブレットとして高い汎用性を持っています。分割画面機能に対応しており、2つのアプリを並べて同時に作業できるため、生産性が向上します。また、USB-C有線接続またはBluetoothによるファイル転送も可能です。
デメリット
Kamvas Slate 11のデメリットは下記の2点です。
- アンチグレアなので好みが分かれる:iPadとは違い光沢感が少ない画面なので、グレア液晶の鮮やかさに慣れている方は物足りなさを感じるかもしれません。
- ペンサイドボタンのカスタマイズ機能にソフトウェアによる制限がある:H-Pencilに搭載されているカスタマイズ可能なサイドボタンは、その機能(ラジアルメニュー、ブラシ/消しゴム切り替え、パレット表示、取り消し、やり直し、無効化など)が、HiPaintやibisPaintといった対応している特定のソフトウェアでのみ利用可能であると記載されています。他のソフトウェアでは、スタイラスのサイドボタンに機能がない、またはカスタマイズできない場合があります。
Kamvas Slate 11のレビューまとめ
Kamvas Slate 11をレビューしました。
普段性能の高いiPad Proを使っているため特段感動するほどでもありませんでしたが、サブ機として特に不満なく使える性能で満足しています。フレームレートが60Hzだとスクロールするときの残像感が気になりますが、Kamvas Slate 11は90Hzと滑らかなのでiPad Airよりも個人的に好きです。



iPadみたいにお絵かきは単体で完結したい、かつiPadより安く買いたいという方はぜひ一度お試しください!

