最近は新型コロナウィルスの影響により、在宅勤務が増えました、私も実は週5日中4日間は自宅で仕事をしています。
そうなると、Web制作では3種の神器を充実させる必要が出てきます。
1つ目は快適に動作するPC(Web制作ではPhotoshop、Dockerコンテナの複数起動など重い処理が多いです)、2つ目は高速な通信を実現するネット環境(これがないと仕事ができません)、」そして3つ目が作業がしやすく疲れにくいモニターです。
私は現在「PD2700Q」というデザイナーズモニターを使用していますが、これがすごく使い勝手が良くて気に入ってるんですよね。しっかりキャリブレーションをしてあげればMacBook Pro並の広色域でデザインもしやすいですし、WQHDという適度な解像度で広すぎず狭すぎずな絶妙な作業領域を実現してくれます。
そして今回ご紹介するモニターは、PD2700Qと同じメーカーであるBenQの新作モニター「GW2780T」です。しばらくPD2700Qと一緒に仕事やプライベートでも使ってみましたので、その使用感やどのような方におすすめできるのかをご紹介します。
- BenQが力を入れているアイケアモニター技術が惜しげもなく搭載されている
- PD2700Q以上の実用的なピボット台座を実装
- PD2700Qでほしかった輝度自動調整機能を搭載
- 文字が大きく見えて見やすい
- 画質もいいのでデザイン用途にも使えそう
- Type-Cのみで接続できるとかなり助かる
- 輝度自動調整機能でベースとなる明るさを調整できるとなおいい
開封の儀とGW2780Tの付属品チェック
ではまず、開封の儀を執り行います。
モニターということで、非常に丁寧な梱包で送られてきました。
付属品はモニターの台とHDMIケーブル、電源ケーブルが付属していました。必要最低限ですね。EIZOさんのモニターはこれでもかというくらいケーブル類が付属していましたので、これぐらい最低限の付属品でいいと思います。
GW2780Tの概要
まずは、簡潔にこのモニターの仕様をご紹介します。
画面サイズ | 27インチ |
パネル | IPS |
バックライト | LED |
解像度 | 1920 x 1080 (Full HD) |
輝度 | 250 |
コントラスト比 | 1000:1 |
視野角(左右/上下) (CR>=10) | 178° / 178° |
応答速度 | GTG 5ms |
アスペクト比 | 16:9 |
表示色 | 約1677 万色 |
表示サイズ(mm) | 597.6 x 336.2 |
画素密度(ppi) | 82 |
対応ポートは「D-sub」「HDMI1.4」「DisplayPort1.2」です。
モニターに詳しい方がこのスペックを見られたら分かると思うのですが、スペック表だけを見るとかなり平凡なスペックです。特別色域が広いわけでもなく、ゲーミングモニターのように応答速度が速いわけでもないです。これはこのモニターが悪いわけではなく、メーカーの戦略的な差別化によるものです。デザイナーや写真家はPDシリーズ、ゲーマーはZOWIEシリーズを購入すると幸せになれるでしょう。
ただしこの仕様表に「疲れにくさ」という項目があったとするならば、私は100点中100点+aをあげるでしょう。このモニターを一言で表すなら、あらゆるパラメーターを疲れにくさに全振りしたモニターです。テレワークが増え個人でのモニター所有の重要性が増した今、手頃な値段でかなり扱いやすいモニターが登場してきたなと感心しています。
もし今あなたが事務仕事をしていて、この世にあるモニターの中で一番疲れにくいモニターを探しているということであればベストな選択です。また、大学やオンライン学習塾でデジタル学習をする学生にとっても、長時間使用でも使いにくくお財布に優しいモニターであるという意味でかなりおすすめできます。
では、なぜ私がそう感じたのか、実際の体験を踏まえてより詳細にご紹介していきましょう。
GW2780Tが疲れにくいモニターである理由
スペックだけを見れば平凡なスペックであるにもかかわらず、なぜその他のモニターよりも疲れにくいと感じたのか、ご紹介します。
BenQが力を入れているアイケアモニター技術が惜しげもなく搭載されている
BenQは「アイケアモニター」という、目に優しいモニター技術を所有しています。フリッカーフリー技術、ブルーライトカット技術は最近他のメーカーでも当たり前のように搭載されており、全く真新しいものではありません。
しかし、それだけで終わらないのがBenQのアイケアモニターの概念です。
例えばモニターを閲覧する時の姿勢です。実は不適切な姿勢でモニターを見続けると、目が乾く、頭痛が起きる、肩が凝るといった間接的な影響が出てくると言われています。目に入ってくる光はもちろんですが、姿勢も目の疲労に影響しています。
また、環境にも左右されます。朝、昼、夜で部屋の明るさは変化しますし、暗い場所なのにモニターが明るいと眼精疲労が起きやすくなります。
そこでこのGW2780Tは、スタンダードなモデルにも惜しげもなく上位機種並みの技術を搭載しています。
PD2700Q以上の実用的なピボット台座を実装
私がこのモニターで最も気に入っているのがこの台座です。
実はこのモデルの一つ前のモデルGW2780が会社にあり、仕事で使っています。旧モデルは輝度自動調整機能など基本的なモニター性能はGW2780Tと同じなのですが、台座がピボット台座ではない一般的な台座です。いわゆるモニターを縦向きにしたり、横向きに動かせない台座ですね。
GW2780Tはこれとは違いかなりどっしりしたピボット式台座となっています。
せっかくなので、PD2700Qと台座部分のみ比べてみました。PD2700Qはヘアライン加工がされている少し上品な感じですが、つや消しのGW2780Tもいいですね。大きさはほぼ同等といえます。
ケーブルをまとめるための穴もついています。ここも上位機種と同等ですね。
実はGW2780Tの方がPD2700Qよりも優れている部分があります。それが台座に取っ手がついていることです。
成人男性の手で持ってもガッチリと持てるので、少しモニターを移動させたいときにかなり重宝しますね。
そしてこの台座はPD2700Qと同等性能の台座なので、例えば下記のようにかなり低くした上でチルトさせることができます。
座りながらずっと作業していると血行が悪くなるのでたまに立ちながら作業するのですが、ここまで自由に角度調整ができると目だけでなく姿勢も正せるので結果的に疲労が溜まりにくいと思います。
縦向きにもできます。縦向きにできると私のようなプログラムを書く人にとってコードの見通しが良くなるので、重宝しますね。
ここまで台座がしっかりしているので、例えばスマートスピーカーを乗せるような使い方もできます。実はEIZOの台座が小さいのでスペースを取らなくていいと思っていたのですが、むしろ台座が大きいほうがモニターを支える力も強くなりますし、上記のように色々と置けるので便利だと感じるようになりました。
PD2700Qでほしかった輝度自動調整機能を搭載
PDシリーズではPD2705Qから搭載されたこの輝度自動調整機能(B.I.)は、スタンダードなモデルのGW2780Tにも搭載されています。
光はロゴマーク下のセンサーで感知しています。
明るい状態の場合、モニターに目のマークが表示されケージが溜まった状態になります。
そして暗くなると、ケージが減り画面の輝度が暗くなります。周りの光を感知して自動で調光してくれる機能はPD2700Qにもなかった機能なので、改めて便利な機能だと感じました。
なぜこの機能をピックアップしたかというと、実は同等の値段でこの自動調光機能を搭載しているモデルは他のメーカーに無いからです。
2モデルとも価格帯も機能も近いですが、いずれも輝度自動調整機能を搭載していません。この時点で、いかにBenQが疲れにくさにかなりこだわってモニターを作っているかが分かると思います。
EIZOのFlexscanを使っておりそちらにも輝度自動調整機能はついているのですが、価格が1万円ほど違うのでいかにコストパフォーマンスがいいか分かると思います。
輝度自動調整機能がついていないPD2700Qと比べると差は明らかで、輝度に関しては自動調整機能を有しているGW2780Tの方が優れています。
文字が大きく見えて見やすい
実はこのブログはGW2780Tを使用して書いているのですが、画素ピッチが広いということもあり文字が大きく見えます。
これは、13インチノートPCの約4倍の文字サイズになると言われています。
これは言い方を変えれば「解像度が低い」とも言えるのですが、文章を入力する用途に限って言えば文字が大きい分モニターと距離をとって使用することができるので疲れにくいんですよね。
ちなみにWQHDとフルHDでは、上記のようにページの表示範囲が違ってきます。WQHDではカルーセル部分もしっかり表示されていますが、フルHDモニターはナビゲーションリンク部分までですね。モニターサイズは変わらず解像度が変わってくるので、非常に大きく映るということが実感いただけると思います。
文字が大きい分距離をとってモニターを見られるので、目にも優しいモニターであると言えますね。
画質もいいのでデザイン用途にも使えそう
Webデザインも担当するので、仕事においてはモニターの画質も非常に気を遣います。特に最近はiPhoneなど色域の広い液晶を使っているデバイスが増えたこともあり、最低でもsRGB100%は欲しいと言ったところです。
27インチのフルHDで対応しているということで画像の解像度が低下しないか懸念していましたが、WQHDに比べれば少し粗いと感じるものの十分実用的な解像度だと感じました。
また、対応色域を具体的に明示していない低価格帯のモニターはあまり発色が良くないという印象でしたが、赤色の発色も非常に鮮やかで綺麗です。輝度自動調整機能のおかげで、時間帯によってはPD2700Qより良く見える(色の再現性ではなくぱっと見た感じの鮮やかさ)こともあります。適正な露出が常に保たれているので、その恩恵ですね。
以下のモニターの写真は夕方に撮っていて、少し色かぶりしていますので実際はかなり綺麗です。モニターの撮影はモアレもあり、なかなか難しいですね。。。
ただし、やはりPD2700Qは「デザイナーズモニター」と銘打っているだけあって、PD2700Qのほうが色の深みは上です。sRGB100%をカバーし、キャリブレーションも1台ずつしっかりやってあるだけあってここは差が出ているように感じました。
また、WQHDでは下記のように並べてコーディングすることがしやすいので、WebデザインをされるのであればPD2700Qのほうが使いやすいかなと思います。
GW2780Tの次回作に期待すること
GW2780Tはたしかに魅力的なモニターなのですが、だからこそ次回作で期待したい機能もリクエストしてみたいと思います。
Type-Cのみで接続できるとかなり助かる
最近はUSB Type-Cのみで接続してモニターへの画面出力と給電を兼ねることができるモニターが増えてきました。PD2705Qもこの機能に対応しています。
台座が上位機種並みにしっかりしているので、可能であればUSB Type-Cとの接続にも対応しているとよりMacbookなどで作業しやすくなると思います。
輝度自動調整機能でベースとなる明るさを調整できるとなおいい
実は輝度自動調整機能はついているのですが、iPhoneなどのようにベースの明るさを設定できません。
個人的にデフォルトの輝度自動調整機能は明るすぎる気がするので、ベースとなる明るさを自由に変えられるとなお良いと感じました。
GW2780Tはこんな方におすすめ
このGW2780Tは、以下のような方におすすめです。
- とにかく疲れにくいモニターを探している。
- メインモニターがすでにあり、サブモニターとして手頃なものを探している。
- 事務仕事やオンライン学習をされる方。
- ベゼルレスデザインでスタイリッシュなモニターを探している。
上記の3つに該当している私の感想としては、間違いなく疲れにくくかつ上位機種並の機能を備えているという点でかなりおすすめの一台です。
そういえばここまでお値段をお伝えしていませんでしたね。2020年10月10日現在、Amazonで25,050円です。PD2705Qという、私の使用しているPD2700Qの次のモデルが49,597円ですので、その半額でここまでの性能が得られるとはかなりコストパフォーマンスが高いですね。
もし少しでも気になりましたら、SNSなどでこの記事をシェアしてコメントいただければお答えします!
GW2780Tを並べて使っているとPD2700Qのベゼルが気になってきたので、次はPD2705Qを購入して並べてみたいですね。
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