この記事はElevoc Clearのレビュー記事です。骨伝導と3つのマイクでこれまでにないノイズキャンセリング技術が搭載された意欲作です。
完全ワイヤレスイヤホン全盛期で、有名なオーディオメーカーのほとんどが完全ワイヤレスイヤホンに参入しています。
最近では音質以外に、SONYやBOSE、Appleをはじめ「ノイズキャンセリング機能」に特に力を入れる傾向があります。
そんな中、今回面白いアプローチでアクティブノイズキャンセリング機能を強化した「Elevoc Clear」をご提供いただきましたので、使用感などレビューしていきます。
- 3万円相当の完全ワイヤレスイヤホンとほぼ同等のアクティブノイズキャンセリング機能。
- 通話ノイズキャンセリングはクリアに聴こえるそうで、仕事にピッタリ。
- 2種類の異なるイヤピース付属で音質の幅を楽しめる。
- 本皮製のケースの質感がかなりいい。
- IP54相当の防塵防滴性能で、スポーツにもピッタリ。
- 外音取り込み機能(アンビエントサウンド)はホワイトノイズが多くAirPods Proには劣る
- 対応コーデックがSBCのみ。
- 筐体が大きめなので耳に若干圧迫感を感じるかも。
1分で分かるElevoc Clearの特徴
まず、Elevoc Clearの特徴を1分で分かるようにまとめてみました。
Elevoc社とは?
Elevoc社は、中国のシリコンバレーとも呼ばれる深センで2017年に設立した企業です。
大手企業への導入実績も多く、ディープラーニングと信号処理技術を組み合わせてバックグラウンドノイズから音声を抽出しCortanaやAlexaなどのボイスアシスタントの認識率を上げる技術に定評があります。「Vocplus™」と呼ばれており、Elevoc社が特許取得済みの技術です。
現在、ファーウェイやXiaomiなどの多くの有名企業で、計1億台以上ものデバイスに同社のVocplus™技術が使われています。
このVocplus™を惜しげもなく搭載したのが、今回ご紹介するElevoc Clearです。Elevoc社としては日本初上陸の製品です。
Elevoc Clearの特徴
Elevoc Clearは、下記の特徴を持っています。
- 骨伝導と3つのマイクでこれまでにないノイズキャンセリング
- Vocplus™技術搭載で通話ノイズキャンセリングにより話し声もよりクリア
- 10mmのダイナミックドライバーで迫力のあるサウンド体験
多くのイヤホンは、左右に2つのマイクがついていますが、Elevoc Clearは3つのマイクを搭載。
これに、特許取得済みのAI音声技術と骨伝導マイクを組み合わせることで、「装着者自身の声」と「環境音」を正確に分別し、環境音や風切り音を徹底的に除去します。
ANC機能が周囲の音を完全に遮断するから、作業に没頭したいときに最適!
リモートワークの強い味方になってくれます。
工事の音や車の走行音など周囲のあらゆるノイズを完全シャットアウト。
外出先や家族がいる自宅などでも、ミーティングに集中できます。
「音」の限界を超えたド迫力サウンド
10mmのダイナミックドライバーを搭載。
音楽マニアも驚愕、心臓まで響く迫力のあるサウンド体験をお届けします。
ドライバー | 10mm ダイナミックドライバー |
周波数特性 | 20Hz〜20KHz |
対応コーデック | SBC |
ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング 通話ノイズキャンセリング |
防水性能 | IP54相当 |
バッテリー持続時間 | ANCオン:5時間(バッテリーケースと併用で最大25時間) ANCオフ:6時間(バッテリーケースと併用で最大30時間) |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
倍近い価格のAirPods Proに劣らないノイズキャンセリング性能を持っており、コストパフォーマンスに優れた製品です。
Elevoc Clearの通話ノイズキャンセリング機能を疑似体験できるアプリ
「VOCPLUS」がApp Storeにてリリースされました!購入前にこちらもお試しください。
開封・外観レビュー
では、開封していきます。
付属品チェック
付属品は下記になります。
- 充電ケースと本体
- イヤピース2種類(サイズS,R,Lのペア)
- USB Type-Cケーブル
- 説明書
- 保証書
イヤピースはカサの浅さが異なる2種類のイヤピースが付属されています。
浅いイヤピースは音が近くなるので、例えば今流行のASMRを聴く際におすすめです。
説明書は複数の言語で書かれており、日本語でもしっかり説明がありました。
本体の大きさと重量
Elevoc Crearの充電ケースの大きさは、カードより一回り小さいサイズです。
イヤホン本体を含めた充電ケースの重量は、56.46gでした。
イヤホン本体は手のひらに収まる、一般的な完全ワイヤレスイヤホンの大きさです。
他機種との比較
WF-1000XM4とAirPods Proのケースと並べてみました。
AirPods Proのケースより一回り大きいサイズです。
イヤホン本体は、AirPods Proより少し厚みがありますがほぼ同じ大きさです。
ケースレビュー
ケースはなめし加工された本皮仕様で、安価なイヤホンに同梱されている合皮のケースとは違う高級感のある仕上がりでした。
質感は最高ですが、開封時に細かい粉が出るのと、海外輸送ということもありケースの痛みが酷いのが気になりました。
Elevoc Crearの操作方法
ここからはElevoc Clearの操作方法を解説しつつ、iPhoneで使用できるようにセッティングを進めます。
電源のオンオフ
電源をオンにする時は、充電ケースのフタを開けた瞬間に自動的にオンになります。
電源をオフにする時は、充電ケースにイヤホンをいれてフタを閉じれば自動的にオフになります。
AirPods Proなど、他社の完全ワイヤレスイヤホンと同じですね。
ペアリング
スマートフォンと接続するために、ペアリング設定を行います。ペアリングは下記の手順で可能です。
初回のペアリングは、充電ケースを開くとイヤホンが自動的にペアリングモードになります。
iPhoneなどの端末のBluetoothをオンにし、「Elevoc Clear」を選択してペアリングします。
2回目以降のペアリングは、イヤホンを充電ケースボタンに入れた状態で底のボタンを5秒間押し続けるとペアリングモードに移行します。
タップコマンド操作
実際に使用する際の操作方法をまとめます。アプリはないので、基本的にイヤホン本体をタップすることで操作します。
音楽再生時は、下記のタップコマンドが動作します。
シングルタップ | 音楽の再生/一時停止 |
ダブルタップ | 次の曲 |
トリプルタップ | 前の曲 |
電話がかかってきたときや、通話中は下記のタップコマンドが動作します。
シングルタップ | 通話の受信 |
ダブルタップ | 拒否/キャンセル/通話終了 |
モード切り替えは、L,Rのいずれかを5秒間押し続けると「アクティブノイズキャンセリング→アンビエントモード→デフォルトモード」の順に切り替わります。
充電方法とバッテリーLEDランプの目安
Elevoc Clearは、付属のUSB Type-Cケーブルで充電する事が可能です。ACアダプターはついてきませんので、別途必要です。
バッテリーのLEDランプは、4段階で確認できます。
機能レビュー
では、ここからElevoc Clearの機能部分についてレビューしていきます。
装着感
完全ワイヤレスイヤホンは、装着感が重要です。Elevoc Clearはカサの浅さが異なる2つのイヤピースが付属しており、耳の形状に対し柔軟に対応可能です。
冒頭でご紹介したように、AirPods Proよりも少しボディに厚みがあるので、その厚みで耳に圧迫感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。フィット感はいいです。
アクティブノイズキャンセリング機能
Elevoc Clearの目玉機能であるノイズキャンセリング機能ですが、こちらは3万円相当のAirPods Proに匹敵すると感じました。
Elevoc Clearを着けながら駅前を歩いてみたのですが、雑踏が遠くに聴こえ、車の通過する音も「サーーッ」とかなり静かに聴こえました。
ノイズキャンセリングといえば耳に圧迫感を感じることがありますが。Elevoc Clearは耳に圧迫感がなく気に入っています。
また、ノイズキャンセリング有効時に離すと頭の中で自分の声が反響して聴こえる(もしくはより大きく聴こえる)ことってありませんか?Elevoc Clearは「骨伝導」の制御で外音と自分の声を認識してノイズキャンセリングを効かせてくれるので、そのような違和感がかなり緩和されていました。
次に、電車の中で使用してみました。
こちらでは電車の「ゴトンゴトン」というかなり低周波の音をうまくカットしてくれて、かつアナウンスや話し声は適度に聴こえる絶妙なチューニングでした。なのでアナウンスの音までカットしてしまい、降りる駅を過ぎてしまうこともなさそうです。
日本での市場想定価格は14,500円(税込)ということでした。AirPods Proの半額でこのアクティブノイズキャンセリングの効きは驚異的です。
外音取り込み機能(アンビエントサウンド)
Elevoc Clearは外音取り込み機能もついています。
こちらも検証しましたが、アクティブノイズキャンセリングで感動しただけにちょっと期待はずれでした。
ホワイトノイズが多く、聴こえる音もイヤホンを外した状態より少し遠くに聴こえます。ただし音の質自体は電子的ではなく自然なので、違和感は少ないです。
AirPods ProやWF-1000XM4の自然な外音取り込み機能に慣れている方は、不満に感じる方が多いでしょう。
通話ノイズキャンセリング機能
通話ノイズキャンセリング機能も、実際に仕事のミーティングで使用して検証してみました。
結果として「クリアに聴こえる」という返答をいただいたので、ビジネス用途で使用する場合はぴったりでしょう。
通話ノイズキャンセリングを疑似体験できるアプリも登場しましたので、気になる方は購入前にこちらもお試しください。
イヤピースごとの音質の変化
イヤピースごとの音質の変化も見ていきましょう。
フィット感が最も良かったのはこちらのイヤピースでした。
ボーカルが奥になり、楽器が際立って聴こえる印象です。10mmドライバー搭載とはいえ重低音はあまり出ていない印象で、真面目な音です。
SONYのようなドンシャリ(高音と低音を強調したような音)を求める方にはつまらないかもしれませんが、クセの少ないモニターライクな音が好きな方はぴったりでしょう。
こちらは音の距離が近くなる印象で、ボーカルが先程より前に聴こえました。
しっかり耳にはまっていれば、ボーカル主体の音楽は特に気持ちよく聴けます。
ただし僕はどのサイズのイヤピースもうまくフィットせず、筐体の大きさがあだとなっている気がします。
Bluetoothの高音質コーデック、apt-xやAACに対応していない音楽的な用途より、ビジネス使用であればかなりおすすめです。
接続安定性
Bluetooth接続ということで、接続安定性は重要です。
検証のために今回「岐阜駅→名古屋駅→徒歩で栄・大須」のルートで使用してみました。
結論としては、大須商店街で一瞬音が途切れることがありましたが、他の場所では全く途切れることもなく快適に音楽を聴くことができました。
接続安定性もGoodです!
まとめ:1万円台でこのノイズキャンセリング機能は驚異的
1万円台のイヤホンのノイズキャンセリング機能は正直期待していませんでしたが、Elevoc Clearのアクティブノイズキャンセリング機能は倍の価格がするAirPods Proと同等の機能を備えていて驚かされました。
特にお手軽価格でしっかり使えるノイズキャンセリング機能が付いている完全ワイヤレスイヤホンを探している方はおすすめです!