以前、会社で使用しているBenQのモニターをレビューいたしました。
WQHDという一般的なフルHDモニターよりも解像度の高いモニターでしたので、非常に使いやすかったです。もっといえば、そのときは「4K出力は思っている以上に負荷のかかる処理」という理由で4Kモニターを避けていました。
しかし、1年経って以下のような不満が出てきました。
- WQHDとフルHDモニターのマルチモニター環境はケーブルが邪魔で取り回しづらい。
- それが原因でWQHDモニター1枚構成にしたら狭い(ディレクションもしているのでチャットワークやBacklogも常駐させているため)。
- USB-Cで給電も映像出力もできたらMacbook Proで使いやすいのに、、、
- 個体差なのか、キャリブレーションしても白が黄ばんでいるような気がする。
であれば、WQHDよりも解像度の高いモニター1枚に集約しようという結論にいたり、ウルトラワイドモニターか4Kモニターを購入しようと考えるようになりました。
先に結論:32インチクラスの4Kモニターが一番使いやすいです
僕は最終的にDELLのU3219Qという4Kモニターを選択しましたが、なぜもっと早く購入しなかったのか悔やまれるぐらい気に入っています。
というわけで僕がなぜ32インチクラスの4KモニターをWeb制作用に購入し、その中でもなぜDELLのU3219Qを選んだのかをご紹介します。
32インチ4Kモニターと迷った構成
まず、4Kモニターと迷った構成をご紹介します。
ウルトラワイドモニター(曲面含む)
実は、元々4Kではなく「ウルトラワイドモニター」を選択しようと考えていました。
ウルトラワイドモニターとは、アスペクト比が「21:9」のようなシネマスコープサイズの幅広モニターです。
もしあなたが映画鑑賞をされる方であれば、このモニターを使用すれば上下に黒帯が出ずに映画を観ることができます。WQHDよりはもちろん解像度は高いですし、ほぼ決めかけていました。
しかし以下の理由で断念しました。
- コードを書くとき、ランディングページなど縦に長いデザインをするときは横よりも縦の解像度を稼ぎたいので、幅広であることはそこまで優先度が高くない。
- 曲面モニターが多いが、デザインを行う上で真っ直ぐな線が歪んで見えるのは論外。
- 90W給電できるモニターがDELLの曲面モニター以外に見つからない。
- 4Kモニターと値段がそこまで変わらない。
多分今使用しているWQHDモニターが横に伸びるだけなので、そこまで大きく使用感は変わらないのではないかと考えました。
27インチの4Kモニター
そこで4Kモニターにしようと考えていたのですが、次はサイズ感です。
幸いなことに会社に28インチの4Kモニターがあったので、等倍で見てみました。
文字ちっさ、、、
両目の視力1.5以上の僕でさえ、流石に常用することは厳しい状態でした。
実は27インチの4Kモニターは、写真家向けであることが多いです。
写真の確認であれば、等倍の解像度で閲覧できるメリットを得られるので27インチ4Kでもいいわけです。
しかし例えば文字が小さいという理由で27インチ4KモニターをWQHD解像度で使用していたら、文字や画像はきれいになりますが作業領域が広がらないという本末転倒な結果になります。
ということは32インチぐらいが丁度いいという結論に至りました。
43インチの4Kモニター
実は40インチクラスの4Kモニターもあり、32インチサイズと意外に価格差が少なかったので検討しようとしていました。
しかし、下記の理由でやめました。
- モニターアームが40インチクラスに対応していない。
- 40インチクラスになると首も動かさないと端まで見れないので首が疲れそう。
ちなみに今まで使っていたテレビがちょうど43インチですが、近くで見ようとすると結構でかいです。デスクに置いて使用するのであれば、32インチぐらいがちょうど良さそうですね。
DELLのU3219Qの魅力をレビュー
では早速、U3219Qの魅力をご紹介していきます。ちなみに僕はデルアンバサダーとしてこのブログで過去にDELLの製品をレビューしてきましたが、初めて購入したDELL製品がこのU3219Qです。
ベゼルが薄いため圧迫感が少ない
今までベゼルが太いモニターを使っていたからか、U3219Qを見るとかなりベゼルが細く没入感が高いです。一言で言えばかっこいいです。
ベゼルが細いことも影響しているのか、筐体も意外とコンパクトに感じました。27インチモニターとくらべても幅はこのような感じです。
32インチクラスといえば亀山モデルのテレビを想像していたので、モニターを開封したときは少し拍子抜けしました。
画質が綺麗
確実に実感したのは、色の再現性が高いということです。これはBenQのデザイナーズモニター、PD2700Qとくらべても圧倒的に綺麗です。価格差が約3倍あるので当然といえば当然ですが、DCI-P3 95%という高色域はキャリブレーションの必要がないぐらいです。
出荷時にsRGB 99 %、Delta-E 2以下に正確に補正されているということで、デザイナーの方は特に重宝すると思います。
ちなみにWeb制作を行う場合はsRGBを気にしていれば大丈夫です。なぜなら9割以上の方がそこまで性能のいい画面で見ていないからです。
4K解像度で作業領域が広がり文字も意外と見やすい
4Kモニターを購入する上で最も懸念していたのが文字サイズです。作業領域が広がるとはいえ、文字が読みづらければ解像度を落として使わなければいけなくなります。ちなみに31.5インチの4Kモニターは、スケーリング100%でドットピッチが0.181mmになります。
下記の表を見てみると、21インチフルHDモニターよりドットがかなり細かいですね。
画面サイズ | 解像度 | dpi | ドットサイズ |
---|---|---|---|
21インチ | フルHD | 104dpi | 0.242mm |
24インチ | フルHD | 91dpi | 0.277mm |
27インチ | WQHD | 108dpi | 0.233mm |
31.5インチ | WQHD | 93dpi | 0.272mm |
ただ、一文字あたり2mm前後なので実は案外文字が読みやすいです。今もし15インチのMacbook Proを持っていたら、だいたいその文字サイズが目の前に広がると思っていただければと思います。
こちらがWQHDの解像度です。
そしてこちらが4Kです。横はもちろんのこと、縦にもかなり長くなるのでデザインやコードの見通しが良くなることはおわかりいただけると思います。
フルHDのモニターが4枚分あるのと同じ解像度なので、こんな感じで様々なツールを配置できることも大きな魅力ですね。
下記の解像度が1枚で手に入ると思ったら少しロマンを感じませんか?
Macbook Proを90Wで給電できる
Macbook Proの中でも、13インチモデルは65W、15インチモデルは85W給電できなければ不足だと言われています。実はこの「85W」以上の電力で給電できるモニターは、かなり少ないです。というよりDELLのモニター以外で見たことがありません。
実際に本当にU3219Qで公称通り90Wで給電できているのか確認したところ、しっかりワット数の数値が「90」になっていました。
これであればUSB-Cで接続している限り、電池切れの心配はありません。
今までであれば下記のようにHDMIケーブルと充電用USB-Cケーブル、アダプターが必要だったので、これがUSB-Cケーブル1本で済む快適さは気持ちがいいですよ。
また、今までモニターに付いているUSBハブは別途給電用のUSBをモニターにつけて、PCから電力を供給しながらじゃなければ使用できませんでした。
しかしこのモニターなら、サイドにあるUSBポートにケーブルを指すだけでモニター単体で給電を行うことが可能です。2A(最大)のBC1.2充電機能を備えたUSBがサイドに2ポートあるので、例えばスマートホンの充電であったりワイヤレスイヤホンの充電もこなしてくれます。テレワークが始まるとこれらの機器を頻繁に使用するので、手元で充電できるのはすごく便利に感じています。
デルのプレミアムパネル交換でドット抜けも安心
デルの高価格帯モニターは、画面上に1つでもドット抜けが見つかった場合、ハードウェア限定保証の期間内であれば、デルのプレミアムパネル交換により無償で代替品に交換してもらえます。これは輝点に対する保証なので光らない黒点の場合は保証されないのですが、実はまともにドット抜け保証をしているのはDELLかEIZOぐらいです。
かなり多くの輝点があれば流石にどのメーカーでも交換してもらえると思いますが、1つでもドット抜けが見つかれば交換してもらえる点は決め手の1つとなりました。
不満は解消されたか
WQHDモニターを使っていましたが、下記の4つの不満点はすべて解消しました。
- WQHDとフルHDモニターのマルチモニター環境はケーブルが邪魔で取り回しづらい。
- それが原因でWQHDモニター1枚構成にしたら狭い(ディレクションもしているのでチャットワークやBacklogも常駐させているため)。
- USB-Cで給電も映像出力もできたらMacbook Proで使いやすいのに、、、
- 個体差なのか、キャリブレーションしても白が黄ばんでいるような気がする。
また、下記のような方にはかなりおすすめできるモニターです。
- Web制作者
- 映像制作者
- 写真愛好家(プロの方はAdobeRGB対応のモニターを使用しましょう)
- フルHDモニターでマルチ環境を作っている方
- Macbook Proのような、TYPE-C端子を備えたマシンを持っている方