この記事では、Webカメラや書画カメラなどマルチに活用できるBenQ ideaCam S1 Plusをレビューします。
テレワークが増え、モニターの上にWebカメラを置いて使っている方が増えています。そうなると例えば手元の資料を映したかったり、作業場面を映したかったり柔軟に対応したくなりますよね。
今回紹介するBenQ ideaCam S1 Plusは、通常のウェブカメラとしての使用はもちろんのこと、手元の撮影、さらにモニターから外して顕微鏡としても活用できるクリエイター向けカメラです。一例ですが、千円札をここまで拡大して撮影できます。
かなり面白い使い方ができるカメラなので、実際の利用シーンやデメリットなど詳しく解説していきます!
BenQ ideaCam S1 Plusのパッケージ・外観
まず、BenQ ideaCam S1 Plusを開封しながら付属品や外観を確認していきましょう。付属品は下記のものが揃っています。
- ideaCam S1 Plus本体
- モニター取り付けスタンド
- 15倍拡大レンズ
- レンズ保護フタ
- クイックスタートガイド
ideaCam S1 Plus本体は、307gと軽いです。レンズ周りはLEDライトが6つ搭載されており、暗い場所でも明るく撮影可能です。
底部分は付属のモニター取り付けスタンドに差し込めるようになっており、スタンドから取り出して手で持って使うことも簡単にできます。上部にはLEDライトのオンオフボタンとフリーズボタン(押した時点のイメージで固定する)がついています。S1 Proの場合はリモコンが付属していますので、そちらのほうが便利そうですね。
レンズは保護用のフタが付属しており、カメラを使わない時用のプライバシーフィルターとしても活用できます。マグネットによる着脱なのでかなり快適ですね。
モニター取り付けスタンドはBenQ製のモニターライトと同じような作りで、しっかり固定できます。LOCKレバーが付いていますので、カメラを手前に倒そうとしたときでもズレにくくなっています。しかも三脚固定用の穴も空いていますので、デスクに置いて使えます。
BenQ ideaCam S1 Plusの使用感レビュー
BenQ ideaCam S1 Plusを実際に使用してみましたので、利用シーンごとに解説していきます。
Webカメラとしての使い勝手はまずまず
まずは、Webカメラとして使用してみました。僕はモニターにBenQ PD3220Uを使用しているのですが、BenQ用のモニターならどれでも対応しているというだけあってしっかり固定できました。ロック機能もあり、カメラを前に倒しても外れにくくなっているのはいいですね。
一応BenQのScreenbarがモニターに取り付けてあってもBenQ ideaCam S1 Plusを取り付けることは可能ですが、カメラを下に下げられなくなるので併用は厳しそうですね。実際にこの状態で試したところ、頭頂部しか映りませんでした。三脚を使うか、モニターの端っこに固定するなら使えそうです。
今回は、MacBook Pro内蔵のカメラとBenQ ideaCam S1 Plusの画像を比較してみました。
HDRが強く効いていて自然なのはMacBook Pro内蔵のカメラ、より影が強調されていて発色が強めなのがBenQ ideaCam S1 Plusといったところでしょうか。どちらも悪くはないかなと思います。BenQ ideaCam S1 Plusはライトがあるので、目の中にキャッチライトが作れるメリットはありますね。
また、BenQ ideaCam S1 PlusはEnSpireという画像処理ソフトがあり、発色が変えられるので調整の幅で言えばBenQ ideaCam S1 Plusに分があります。
書画機能で手元の書類も映しやすい
普通のWebカメラにはないBenQ ideaCam S1 Plus独自機能として、書画機能があります。手元の書類を相手に見せやすくする機能ですね。実際に使ってみましたが、かなり実用的に感じました。
まず、下記のように手元に書類を置きます。
次に、EnSpireアプリで台形補正用の枠を表示させ、四つ角を書類に合わせていきます。
あとは適用するだけで、下記のようにしっかり補正された状態で手元の書類を見せることができるようになりました。
ほとんどデジタルデータでやり取りする時代とはいえ、まだ紙の資料は健在です。手書きの書類や絵を映しながらミーティングする場合に、かなり役立ちそうですね。
マクロ撮影で顕微鏡のように使える
BenQ ideaCam S1 Plusは、付属の15倍拡大レンズを使用することで顕微鏡のような使い方が可能です。レンズはマグネットによる着脱式で、取り外しがかなり楽です。
通常のカメラでマクロ撮影を行う場合、カメラやレンズ自身が影になってうまく撮影できないことが多いです。BenQ ideaCam S1 Plusなら、LEDライトがレンズの周りに付いていますので影にならず明るくマクロ撮影が可能になっています。
実際に15倍拡大レンズで撮影した作例をご覧ください。下記の写真は、千円札を実際に撮影したものです。
めちゃくちゃキレイですよね。千円札は様々な偽造防止用の技術が使われていますが、拡大して見るとかなり細かな部分まで見えています。
BenQ ideaCam S1 Plusのケーブルの長さは1.5mなので、デスク周りの様々なものをマクロで撮影できます。
一眼でもここまで拡大できないので、かなり重宝しそうです!
拡大画像がぼやける場合は、拡大レンズ側のフィルムを取り忘れている可能性があるのでご確認ください。
三脚に固定して拡大鏡としても活用できる
BenQ ideaCam S1 Plusは、三脚に固定してより手元に寄せれば拡大鏡として活用できます。
例えば小さなプラモデルの小さな部品や、フィギュアの組み立てで手元が見にくい時に、BenQ ideaCam S1 Plusを使って手元をモニターに映せば大きな画面で手元を確認できます。
それだけではなく、例えばYouTube動画を作る時に手元を拡大して映したいときも便利ですよね。小型でかなり寄れるので、アイディア次第で使い道がかなり広がるカメラだと感じました。
BenQ ideaCam S1 Plusのデメリット
BenQ ideaCam S1 Plusを使ってみて感じたデメリットをいくつかご紹介します。
ケーブルがUSB Type-A
あえてデメリットを挙げるなら、ケーブルがUSB Type-Aというところでしょうか。デスクトップ向けであることは理解できるのですが、僕のようにMacBookをクラムシェルで使っている場合別途USBハブが必要になります。
配線はシンプルに済ませたいので、できればUSB Type-Cにして欲しかったと感じました。
Macでは一部機能がまだ使えない
Macユーザー限定なのですが、BenQ ideaCam S1 Plusの一部機能がまだ使えません。
- スキャナー機能
- QRコード機能
- ルーラー機能
- 回転機能
- PIPスクリーン機能
詳しくはEnSpireの公式サイトに記載がありますが、上記の機能が開放されればもっと便利に活用できそうなのでアップデートが待ち遠しいです。
まとめ
BenQ ideaCam S1 Plusは、ウェブカメラ以外の使い方をアイディア次第で模索できる製品でした。今回は顕微鏡や拡大鏡としても使ってみましたが、実際はYouTubeの生配信で手元を映したりスキャナーとしても使えたりするなどもっと活躍の幅が広がります。
3万円前後の価格帯でウェブカメラとしては高価な部類ですが、とにかく幅広い使い方ができ便利なカメラですのでぜひ一度お試しください。
- 人撮りからモノ撮りまで幅広く活用できる
- LEDライト付きでマクロ撮影でも明るく撮影できる
- 15倍の拡大レンズで一眼では取るのが難しいマクロも簡単に撮影できる
- EnSpireを使って映像の調整ができる
- モニター固定だけじゃなく三脚でも使用可能
- ケーブルがUSB Type-A
- Macでは一部機能がまだ使えない