9月6日に発売されたXGIMIのフルHDプロジェクター、XGIMI MoGo 3 Proをレビューします。
XGIMIのプロジェクターとしては待望のNetflix公式ライセンス取得で、リモコンからも直接アクセスできたりと快適になりました。MoGoシリーズは特にプロジェクター初心者を中心に人気ですが、MoGo 3 Proはスタンド一体型、しかも間接照明にもなる仕様で上位機種を持っている僕でもかなり魅力的に映る製品に感じました。
MoGo 3 Proの特徴や周辺機器のレビューもしていますので、ぜひ購入の参考にしてください!
- 500mlペットボトルサイズで持ち運びしやすい。
- 正確で速い自動台形補正など手動調整の手間が少なくすむ。
- Harman Kardon監修のスピーカーでくっきり立体感のある音質が楽しめる。
- 間接照明やBluetoothスピーカーにできるなどインテリア性も高い。
- Netflix公式対応で最新のGoogle TVを搭載しているので映像コンテンツを満喫できる。
- 高い静音性で映像コンテンツに集中できる。
- 入力端子がMicro HDMIなのでアダプターが必要。
- 昼間は上位機種に比べ若干見にくい。
- 3.5mmステレオミニジャックがない。
XGIMI MoGo 3 Proの特徴
まず、外観や付属品などからMoGo 3 Proの特徴を紹介していきます。
外観
外観は一見するとポータブルスピーカーのような円筒形で、いかにもプロジェクターといった感じがしません。ベージュを基調とした落ち着いたデザインで、インテリアと馴染みそうです。
サイズはφ95 x 204.9 mmです。例えると高さは500mlペットボトルぐらい、直径は100枚入りのウエットティッシュのボトルぐらいです。このサイズ感なら、リュックなどに入れて普通に持ち運べるサイズ感ですね。
入力端子は、USB type-C(入力ポート、PD3.0対応)、USB−A、Micro HDMI(ARC対応)の3つです。これまでXGIMIはフルサイズのHDMI端子を採用してきましたが、小型化のためMicro HDMIの採用に踏み切ってきた印象ですね。
上部には熱の排気口があります。スリットの形状がおしゃれですね。
底の部分には1/4インチのネジ切りがあり、三脚に固定可能です。底部はゴム製の滑り止めがついていますので、そのまま設置しても滑りにくく安定します。
実際にプロジェクターとして使う時は、このようにスタンド一体型で角度調整ができるようになっています。130度の範囲まで調整でき、真上に向けることはできませんが天井投影も可能です。
本体にストラップがついており、屋外に持ち運ぶ時に手に持ちやすくなっています。ストラップはちょうど指が4本入るぐらいの余裕があり、アウトドアで使う場合でも便利ですね。
実際に部屋に置いてみたのですが、愛用しているXGIMI HORIZON Ultraと近い配色でいいですね。サイズがコンパクトで置き場所の自由度が比較的高いのはありがたいです。
個人的に外観デザインはかなりおしゃれに感じました。使わない時は折り畳め、使う時は角度調整できるのはいいですね!
付属品
XGIMI MoGo 3 Proの付属品は、ACアダプター、リモコン、説明書があります。
リモコンを見て個人的に嬉しかったのが、NETFLIXやPrime VideoといったVODにすぐアクセスできるボタンが付いたところです。いずれもよく見るので、テレビのリモコンのようにすぐ
従来のXGIMIのリモコンと比較すると、ボタンがベージュになったので暗所で若干見やすくなりました。ボタンの数がXGIMI HORIZON Ultraのリモコンの14個から19個に増え、より操作性は高くなりましたね。
それだけではなく。電源ボタン、オートフォーカスボタン、設定ボタンが蓄光仕様になり暗所で見やすくなりました。実はリモコンに蛍光塗料を塗ってほしいとXGIMI MoGo Pro+のころからレビュー記事に書いていて、やっと搭載されました。
ACアダプターはUSBーCに対応したもので、最大で約60Wの出力に対応しています。バンドが付属しており、まとめやすくなっています。プロジェクターの電源アダプターは電源ケーブルとACアダプターに分離していて組み合わせるタイプが多く、中継のアダプター部分が大きくなりがちです。XGIMI MoGo 3 Proのアダプターはかなりスッキリまとまっているので、天井固定などしやすそうですね。
本体だけではなくリモコンなどの付属品も進化が見られました。
XGIMI MoGo 3 Proの機能レビュー
次に、XGIMI MoGo 3 Proの機能を中心に実機を用いてレビューしていきましょう。
ISA2.0搭載で充実した補正機能
XGIMI MoGo 3 Proは、ISA2.0という独自の補正技術を持っています。具体的には、下記の5種類の補正機能を搭載しています。
- 自動台形補正・・・プロジェクターの角度を変えたら自動で補正してくれる。
- オートフォーカス・・・ピントを自動調整してくれる。
- 障害物自動回避・・・投影面に障害物があったら避けて投影してくれる。
- スクリーンへのアジャスト・・・スクリーンがあった場合、スクリーンの縁を検知して合わせてく
- 目の保護機能・・・スクリーンの前を横切ると自動で画面を消してくれる。
プロジェクターは小型で位置の調整がしやすい分、その都度すべて手動調整していると手間になります。自動調整対応だったとしても、精度が悪かったり速度が遅いとイライラすることも。XGIMI MoGo 3 Proは、プロジェクター専門メーカーというだけあってかなり補正技術の精度が高いです。
まず、自動台形補正とオートフォーカスを検証してみました。下記の1枚目の写真のようにわざと少し斜めに向けてみましたが、7秒ほどで2枚目の写真のようにほぼ台形を感じないぐらいまで補正されました。自動台形補正時はオートフォーカスも同時に行われるため、そのまますぐに作品を楽しめます。
次に、障害物自動回避機能を検証してみました。投影面にわざと窓が入り込むように設置してみたのですが、補正後は窓がギリギリ入らない範囲でスクリーンに映し出されていますね。
他社製だと自動台形補正だけでは満足のいく台形補正がされないため手動で補正し直したりするのですが、XGIMI MoGo 3 Proは自動台形補正だけでも十分満足できました。
僕が歴代プロジェクターでXGIMIばかり買う(MoGo ProやHORIZON Ultra)のは、補正機能が優秀ってところもあります。
450ISOルーメンの明るさかつ90%DCI-P3の高色域
XGIMI MoGo 3 Proは、MoGo 2 Proより明るい450ISOルーメンという明るさと90%DCI-P3の高色域に対応し、映画やゲーム作品の魅力を引き立ててくれます。実際に投影した映像がこちらです。
光の三原色となる赤、青、緑を中心とした映像ソースを見ていただきましたが、色域が広くポータブルプロジェクターとしては明るいためかなり深みのある色再現に感じました。個人的にそれ以外でも感心したのが白の正確性で、設定をよく見たら「11ポイントホワイトバランス補正」という機能で自動的に補正されていました。プロジェクターは開封してすぐの状態だと白が黄ばんでいたりして調整が必要なことが多いのですが、MoGo 3 Proは初期状態で自動的にホワイトバランスが調整されるので設定の手間がかなり省けました。
僕が愛用しているHORIZON Ultraにも似た機能があるので、上位モデルの補正機能も載せてくるあたり本気ですね。
明るさについては、昼間でも電気を消した状態であればある程度見えました。夜間の使用ほどくっきりとはいきませんが、映像を十分楽しめる明るさは確保できているように感じます。
電気をつけると、さすがにかなり見にくくなります。ここはより明るいHORIZONシリーズを使うべきかなと思いますね。ただ昼間でもカーテンを閉め切ったら夜みたいに鮮やかに楽しめますし、夜以外でも活躍の場は広がりそうです。
Harman Kardon(ハーマンカードン)監修の立体感のある音
前作のMoGo 2 Proでは省かれていた、Harman Kardon監修のスピーカーが復活しました。5Wスピーカーを2基搭載とMoGo 2 Proの8Wからは仕様的に劣っているように見えますが、個人的に明らかに音の立体感が増した気がします。
例えばゲーム実況を再生した時、実況者の声がかなりくっきりと聞こえます。音の指向性はほぼなく、MoGo 3 Proを中心に360度放射状に音が流れるのでどの位置にいても音質の差が少ないのは嬉しいですね。重低音がそこまで深く出ないので戦闘シーンなどの迫力は薄いかなと思いきや、その分透明感の高い音なので金属の甲高い音や疾走感のある風の音などは上手く表現できていました。
サウンドスタイルはデフォルトで「映画」が設定されていますが、動画を観る場合は基本的にこのモードで十分でしょう。ダイアログエンハンサーという声がよりくっきり聴こえるモードもあるのですが、正直オフの状態でもかなり声が聴きやすいです。その他にも「音楽」や「ゲーム」、「スポーツ」といったサウンドスタイルが用意されていますので、自分の視聴スタイルに合わせて音質を変えられるのはいいですね。
間接照明になるスピーカーライトモードを搭載
XGIMI MoGo 3 Proは、プロジェクターを上にスライドさせるだけで間接照明として利用できるスピーカーライトモードを搭載しています。仕組みはプロジェクターのLEDを利用して、ベース部分に反射させるイメージです。
ランタンのような暖色系の落ち着いた色なので、おしゃれなインテリアとして活用できるのは嬉しいですね。ライトをオフにする時はプロジェクターを下にスライドさせるだけなので、照明利用のみならリモコンいらずで快適です。
そして実は、この状態でスマートフォンからBluetooth接続できMoGo 3 ProをBluetoothスピーカーとして使用できます。音楽に合わせてLEDの色も変化し、ムードを演出できます。一度スマホを接続すればMoGo 3 Proのリモコンから曲送りや再生停止もできますので、スマホを触らなくても操作可能です。音質はHarman Kardon品質で、BGM用途にはむしろ贅沢なほど音がいいです。
プロジェクターの高輝度ライトを使用する都合上ファンの音は鳴り続けるのですが、音楽を鳴らせばほとんど気になりませんしエアコンぐらいの音なのでそこまで気にせず使えますよ。
寝る前に音楽で癒やされたいって方には特にぴったりな機能ですね。
高い静音性
プロジェクターと切っても切り離せないのがファンノイズで、あまりにうるさいと映像に集中できなかったりします。MoGo 3 Proはすぐ側で測定しても平均で23dB前後と、木の葉の触れ合う音ぐらいのノイズなので十分映像に集中できる静かさでした。製品仕様では1m以内で32dB以下ですが、普通に使っていればそれよりも低いので問題ないでしょう。
ゲーマーに嬉しいHDR10やゲームモードを搭載
ゲーム目的でMoGo 3 Proを購入される方もいらっしゃると思いますので、ゲーミング機能についても触れておきます。MoGo 3 ProはPlayStation 5で対応しているHDR10が使えますので、明暗差が激しいゲームでも白飛びや黒つぶれを最低限に抑えてゲームプレイ可能です。
また、ゲームモードを選択すると自動台形補正オンで60ミリ秒以下、自動台形補正オフで27ミリ秒以下に遅延を抑えられます。
僕はPlayStation 5で原神をプレイしているのですが、コントラストが高く色が鮮やかな世界観なだけあってMoGo 3 Proの色再現が十分に発揮されているように感じました。ゲームモードについても効果が実感でき、モード切替前はコントローラーからの入力遅延が顕著に見られましたが切替後は気にならなくなる程度まで改善されました。
RPGゲームでは十分ですね。
ゲームプレイで1点気になったのは、HDMIの仕様がMicro HDMIなので変換アダプターを使う必要があるところでしょうか。僕はたまたま所有していたのですが、もしゲームをしたい場合は別途変換アダプターを用意しましょう。
待望のNetflix公式ライセンスを取得したGoogle TV
XGIMIのプロジェクターでNetflixを見るには、今まで正規の方法でアプリをインストールできませんでした。しかしMoGo 3 ProになってようやくNetflix公式ライセンスを取得しましたので、プリインストールされたNetflixアプリで映像を楽しめます。また、OSがAndroid TVからGoogle TVに変わりました。
Android TVとGoogle TVの変更点は主に下記の3点です
- ホーム画面のトップが「おすすめ」タブになっている
- 「Google Play ムービーアプリ」相当の機能を「映画」「番組」タブに統合
- 「Google Playストアアプリ」相当の機能を「アプリ」タブに統合
個人的にGoogle TVの方が使いやすい印象ですね。
リモコンのマイクボタンを押せば従来通りGoogleアシスタントが使え、例えば「明日の東京の天気を教えて」と話せば明日の東京の天気を表示してくれます。動画を探す時も「HIKAKINの動画を見せて」と話せばHIKAKINさんの動画一覧を表示してくれたりと、声で操作できるのでかなり快適です。
リモコンで文字を打つのは結構面倒なので、積極的に使いたい機能ですね。
XGIMI MoGo 3 Proの周辺機器をレビュー
ここからは、XGIMI MoGo 3 Proをより快適に、便利に使えるアクセサリーを紹介していきます。
XGIMI MoGo 3 Pro専用ケース
MoGo 3 Proには、専用ケースが用意されています。従来のMoGoシリーズのケースはハードケースでしたが、この専用ケースはプレミアムPUレザーを使用し防水、防塵、耐衝撃、耐摩耗性にも配慮したケースに仕上がっています。
中の素材はスエードライニング素材を使用し、優しくMoGo 3 Proをカバーしてくれます。リモコンが入る内ポケットもあり、電源アダプターを除いた最低限の荷物を持ち運べます。
MoGo 3 Pro同様に掴みやすいストラップがありますので、積極的に屋外に持ち運びたくなりますね。
外にMoGo 3 Proを持ち運ぶ頻度が高い方はぜひ!
XGIMI MoGo 3 Proマジカルレンズ
MoGo 3 Proで、まるでVR空間のように臨場感あふれる映像を映し出せるようになる周辺機器がXGIMI MoGo 3 Proマジカルレンズです。投影角が60度から180度に広がり、高い没入感で映像を楽しめます。
使う時は、レンズ横のクラッチをXGIMI MoGo 3 Proの溝にはめるだけで固定できます。
下記が何も装着していない状態です。これはこれできれいな星空ですよね。
そして下記の映像が、XGIMI MoGo 3 Proマジカルレンズを装着した状態です。VR空間のように左右に広がりができ、まるでプラネタリウムを見ているかのような臨場感が出ていますよね。
XGIMI WallアプリをインストールするとXGIMI MoGo 3 Proマジカルレンズにぴったりな臨場感のある映像が流せるようになり、部屋の天井に映すとかなり神秘的です。
お部屋でプラネタリウムをやりたい方はぜひ!
XGIMI バッテリー付きスタンド
ケーブルに縛られず自由な場所でMoGo 3 Proを使いたいという方は、XGIMI バッテリー付きスタンドを使ってみましょう。20,000mAhの大容量のリチウムバッテリーを搭載したスタンドで、最大2.5時間再生できるようになります。
スタンド自体は2つのパーツに別れており、バッテリー内蔵部分を外して下のスタンドのみを使うことも可能です。収納する時もコンパクトに収まるので良いですね。最大で66.5cmまで延長可能ですので、家でも外でも楽しみたいという方は1本持っておくと便利です。
ケーブル自体がMoGo 3 Proとスタンドを最短距離で結んでいますので邪魔になりませんし、電源ケーブルから開放されるので設置の自由度が上がるのは嬉しいですね。バッテリーが切れてももう一つのUSBポートで給電しながら使えますし、給電が途絶えてもスタンド側のバッテリーに自動的に切り替わってシームレスに動作するので便利です(UPSみたいに無停電電源装置の代わりに使えます)。
バッテリーとスタンドで分けたくない方はおすすめです!
XGIMI MoGo 3 Proのメリット・デメリット
実際にXGIMI MoGo 3 Proを使ってみて感じたメリット・デメリットを紹介します。
メリット
XGIMI MoGo 3 Proのメリットは、下記の6点です。
- 500mlペットボトルサイズで持ち運びしやすい。
- 正確で速い自動台形補正など手動調整の手間が少なくすむ。
- Harman Kardon監修のスピーカーでくっきり立体感のある音質が楽しめる。
- 間接照明やBluetoothスピーカーにできるなどインテリア性も高い。
- Netflix公式対応で最新のGoogle TVを搭載しているので映像コンテンツを満喫できる。
- 高い静音性で映像コンテンツに集中できる。
XGIMIプロジェクター初のNetflix公式対応はかなり熱いです!
デメリット
XGIMI MoGo 3 Proのデメリットは下記の3点です。
- 入力端子がMicro HDMIなのでアダプターが必要。
- 昼間は上位機種に比べ見にくい。
- 3.5mmステレオミニジャックがない。
HDMIケーブル単体ではMoGo 3 Proに接続できなくなりましたので、もしゲーム用途で使いたい場合は安くていいのでMicro HDMIアダプターを用意しましょう。ここは個人的に従来機種のほうが便利に感じました。
昼間の画質をレビューで見ていただきましたが、HORIZON Ultraを使っている僕からすると正直暗く感じました。昼間もプロジェクターを使いたい方は、ぜひ上位モデルを検討してみてください。
そして地味に省かれたのが、3.5mmステレオミニジャックです。Bluetoothで接続すればいい話ですし、特段不便ではないのですが音声遅延を最小限にしたいのと、モニターヘッドホンなど音質のいいモデルが有線であることが多いのでできればXGIMI MoGo 2 Proと同様に搭載していてほしかったかなと感じました。
このデメリットさえ許容できれば個人的におすすめできますね。
XGIMI MoGo 3 Proのレビューまとめ
XGIMI MoGo 3 Proをレビューしました。
僕が初めて購入したXGIMI MoGo Pro+から3世代目となりますが、使い勝手がかなり改善していて今からプロジェクターを始める方が羨ましく感じます。特にNetflix公式対応、リモコンの蓄光対応、スタンド一体型で角度調整できるの3点はかなり魅力で、過去に不満に感じていた部分の大半が改善されていました。
10万円以下でプロジェクターを探している方や、アウトドアで持ち運びしやすいプロジェクターを探している方はぜひお試しください!
XGIMI MoGo 3 Proの購入方法
XGIMI MoGo 3 Proを実店舗で購入する場合は、下記の販売店をご活用ください。
ヤマダデンキ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズデンキ、上新電機、ノジマ、蔦屋家電
*詳しい販売状況については、直接店舗にお問い合わせください。
ECサイトで購入される場合は、下記のAmazon、楽天市場、XGIMI公式サイトよりお買い求めいただけます。
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