新型コロナウィルスの影響で仕事も家で行うことが多くなり、在宅時間が増えました。もちろん本当はもっと県外に出たり映画館で映画を観たり外に出ていきたいのですが、なかなかそういうわけにもいきませんよね。
実は最近「XGIMI MoGo Pro+」というモバイルプロジェクターを購入したのですが、このプロジェクターが今まで購入した中でも最高に満足度の高い製品でしたので、その魅力をご紹介していきたいと思います!
- お手軽に大画面を実現でき、発色もかなりいい。
- 垂直・水平方向の自動台形補正はやっぱり楽
- ちょっとした角度調整もできるので場合によっては三脚がなくても大丈夫
- 音はharman/kardonのお墨付き
- 端子類も充実していて映像・音声の出入力も便利
- Android TV内蔵はかなり便利
- Bluetooth接続で遅延はほぼ感じられず快適
- 排気音が静か
- 地上波デジタル放送も見られる
- 電源ケーブルはUSBが良かった
- Netflixを見るときはひと手間がいる+PC版のUIなので操作がしにくい
- リモコンのボタンは蛍光塗料を使ってほしい
なぜプロジェクターを購入しようと思ったのか
まず、なぜ私がプロジェクターを購入しようと思ったかからご説明していきます。家にはテレビもあり、最近ではソニーの55インチ4Kテレビも購入したので特に不満はありませんでした。
大きな要因は家をリノベーションしたことです。リノベーションをする際に自室の壁の素材や柄を自由に選択できたのですが、その中でも「プロジェクター壁材」というプロジェクターの仕様に適した壁紙を選択していました。
実はその時はプロジェクターを使う予定もなく、どうせ白い壁を選択するのであれば値段も変わらないので機能性のいい壁紙にしたいというぐらいでしたが、あまりにきれいで穴も空けたくないのでせっかくならこの壁にプロジェクターで投影して映画を観てみたいなと感じたのがきっかけです。
また、SONYのテレビを購入した際にNetflixはhuluなど4つのVODを2ヶ月間無料で視聴できるというキャンペーンが付いていたので、せっかくならその期間中にプロジェクターを購入しようと考えていました。
プロジェクターの選定でこだわったこと
プロジェクター選びは初めてだったのですが、初めての買い物で失敗したくないのでいくつか選定の基準を持っていました。
- 価格は10万円を超えない程度。
- 台形補正は垂直、水平方向も自動で行ってほしい。
- 画質はフルHD以上。
- ファンの音が静かで、音に拘っているモデル。
- SONYのテレビがAndroid TV内蔵で使いやすいので、Android TV内蔵モデルのプロジェクター。
- 明るさは300ANSIルーメン以上。
- 持ち運んで使いたいので、コンパクトでバッテリー内臓だと嬉しい。
この条件をすべて満たすプロジェクターは、実は今までありませんでした。例えば「MOGO PRO」は垂直方向の台形補正は自動ですが、水平方向の台形補正には対応していません。つまり水平方向は場所を変えるたびに手動で補正をしなければいけません。
また、画質にもこだわりたかったのでフルHD以上の解像度がほしかったのですが、超人気モデルの「Anker Nebula Capsule II」ですら720p HD解像度です。ANSIルーメンも200までなので、少し暗いです。ソニーの高級プロジェクターの中には100ANSIルーメンで暗部の再現性とコントラストを高めたモデルもありますけどね。
MoGo Proがかなり値引きされていたので少し妥協をしてMoGo Proの購入を考えていたところ、12月2日に「MoGo Pro」の上位機種、「MoGo Pro+」が発売するというニュースを見て「これだっ!!!」と思いました。
MOGO PRO+開封の儀
箱はシンプルで非常におしゃれです。Apple製品の箱みたいですね。
開封すると、本体が出てきました。新品の場合は、このようにフィルムでしっかり保護されています。
XGIMI MoGo Pro+はダークグレーで、非常にかっこいい外観です。
付属品は電源ケーブルとリモコン、説明書や保証書が入っていました。保証は正規代理店で購入しなければ受けられないので、購入する際はしっかり確認しましょうね。
スペックは以下のとおりです。特に魅力に感じた部分は太字にしています。
投影解像度 | 1920 x 1080 (1080p) |
明るさ | 300ANSIルーメン |
本体サイズ (縦x横x高さ) | 105.5 x 94.5 x 146 mm |
重さ | 0.9kg |
フォーカス調整 | 高速オートフォーカス |
投影方式 | DLP |
入力可能な映像解像度 | 4K(3840×2160px) 2K(2560×1440px) 1080p(1920×1080px) |
画面縦横比 | 16:9 |
投射サイズ | 30~100インチ |
投影倍率 | 1.2:1 (投影距離2m:76インチ) |
自動台形補正 | 垂直水平方向に対応 |
台形補正範囲 | 垂直: ±40°、水平:±40° |
上下反転投射 | 〇 |
ディスプレイチップ | 0.23インチ DMD |
スピーカー出力 | 3Wx2基 Harman/Kardon製 |
CPU | Amlogic T950X2 |
GPU | Mali-G31 |
RAM | 2GB |
ストレージ | 16GB |
OS | Android TV 9.0 |
Google アシスタント | ○(リモコンや接続マイクからの音声操作) |
ミラーリング | Chromecast |
インプット | DC x 1 HDMI x 1 USB 2.0 x 1 |
アウトプット | ヘッドフォン x 1 |
Wi-Fi※1 | 2.4/5GHz, 802.11a/b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 4.2/5.0 |
騒音 | < 30dB |
連続使用時間目安 | 動画 2~4時間 / 音楽 最長8時間(使用環境により異なります) |
消費電力 | 65W |
電源 | AC100-240V, 50/60Hz |
光源寿命 | 30000時間 |
同梱物 | 充電ケーブル(日本仕様)、リモコン、説明書 |
XGIMI MoGo Pro+の魅力
では早速、XGIMI MoGo Pro+の魅力をご紹介します。
お手軽に大画面を実現でき、発色もかなりいい。
ではまず、実際壁に投影した映像を御覧ください。
すげぇ!!!
本当にすごいものを見ると語彙力を失いますが、初プロジェクターということもあり思わず声が出ました。いろんなレビューを事前に見ていたときは「ふ〜ん」ぐらいでしたが、期待以上でした。これは推定80インチですが、四隅まで綺麗な上に炭治郎の赤髪も鮮やかですよね。
というのも一般的なモバイルプロジェクターは100~200ANSIルーメンで明るさが控えめなのに比べ、XGIMI MoGo Pro+は300ANSIルーメンという明るさも関係しています。明るさに加え、フルHDというモバイルプロジェクターとしては比較的高い解像度なので、ドットも気にならなかったです。
また、最新の映像エンジン「XVLEエンジン」の採用により、明るさはMoGo Proと同じですがより映像ノイズの少なさや忠実な発色にこだわって開発されているということでした。
明るさは既存のMoGo Proと同じだが、新たな映像エンジンにより、「より忠実な色で、映像ノイズを低減し、よりシャープに投写できる。そのため、比べるとより明るく感じてもらえると思う」(ビーラボの矢野雅也代表取締役)という。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1291184.html
確かに赤色は特に液晶でも朱色に転じやすい色ですが、映像を見る限り忠実な赤色を再現していますし色かぶりも感じられませんでした。
少し引いてみます。スマホの写真で適当に撮っているので色が少し薄く見えますが、実際はもっと鮮やかです。
人肌も非常に自然な発色です。マックスむらいさんといえば赤いパーカーですが、非常に鮮やかに表現できています。
ちなみに昼間に普通に電気をつけている状態では見れないことはありませんが、見にくいですね。これはプロジェクターの宿命だと思うので、あくまで暗い場所での視聴をおすすめします。
垂直・水平方向の自動台形補正はやっぱり楽
本体に「AUTO KEYSTONE」というカメラが付いていますが、この特殊なカメラで台形補正を実現しています。
今までの「MoGo Pro」では投影面に対して横方向に動かすとそのたびに手動で台形補正を行う必要があったのですが、「MoGo Pro+」はその手間が省けます。
実際に台形補正、オートフォーカスを試してみましたが、ほんの数秒で補正されるのには感動しました。アウトドアでの使用であれば特定の場所ではなく様々な場所に移動して使うと思うので、非常に便利ですね。
では、ちょっといじわるなテストをしてみます。かなりタイトな角度でどれだけ台形補正されるかテストしてみました。
補正中はこのようなQRコードのようなマークが表示されます。
この通り、かなり角度をつけて投影しているので補正もかなり角度がついていることが分かります。本当にこれで台形補正ができているのか半信半疑のまま、正面で見てみました。
すごい!!水平方向も垂直方向もしっかり補正されていました。
ちょっとした角度調整もできるので場合によっては三脚がなくても大丈夫
「MoGo Pro+」は、三脚を使わなくても垂直方向に30度まで傾斜をつけることができます。
モバイルプロジェクターは通常三脚での使用が前提ということもあり角度調整はあくまで三脚頼みという部分がありますが、「MoGo Pro+」ならテーブルに直接置いて壁に投影すればいいという場面が多そうです。これに加え自動台形補正もあるので、本当にポンと置いたらその場がシアタールームになるという、まるでドラえもんの世界みたいですね。
音はharman/kardonのお墨付き
映像が綺麗で台形補正もかんたんなことは分かりました。では、肝心の音はどうかといいますと、こちらも結構いいと思います。
というのも「harman/kardon」という高級車のスピーカーにも採用されるようなオーディオメーカーが監修している3Wのスピーカーが2基付いています。
音はいわゆる「かまぼこ型」で、高音域と低域がおとなしめで中域(人の声など)に音のピークがあるようなチューニングに感じました。
こうやって聞くとイヤホンなどオーディオに詳しい方は「音がこもって聴こえるのではないか」と感じるかもしれません。
しかし音楽を聴くのではなく映画やアニメを観るという用途においては、むしろ人の声が聞きやすく好ましいチューニングであると感じました。
また、音量は最大にすると「近所迷惑になるんじゃないか」というぐらいまで大きな音が出ますので、音量不足を感じることはありませんでした。
端子類も充実していて映像・音声の出入力も便利
「MoGo Pro+」は、HDMIケーブルとUSB入力に対応しています。
これにより例えばブルーレイプレイヤーやUSBメモリなど、普段使っているような機器も接続することができます。
また、3.5mmイヤホンジャックもついていますので、ヘッドホンをつければ自分だけのシアタールームの完成です。
ただし、イヤホンジャックをつけていてもhuluで動画を見ているときに0.数秒の遅延を感じられました。
Bluetoothでの接続にも対応していますが、こちらは特に遅延も気にならず視聴できました。
Android TV内蔵はかなり便利
通常のプロジェクターと大きく異なる特徴は、Android TV内蔵ということです。
https://www.android.com/intl/ja_jp/tv/
SONYのBRAVIAを3台所有しているのですが、BRAVIAもAndroid TV内蔵なので同じ操作感で使用できました。
便利機能の1つは、Googleアシスタントが使える部分です。例えばGoogleアシスタントのボタンを押して「鬼滅の刃を見たい」といえば、鬼滅の刃の動画を検索してくれますし、「今日の天気は?」といえば今日の天気を教えてくれたりします。
キーボードが付いているわけではないので声での入力が可能な部分はかなり助かりますね。
また、NetflixやhuluといったVODもPCを接続しなくても見られますので、インターネットさえあれば活用の幅がかなり広がります。というのも「torne mobile」というアプリもあり、nasneという機器があればネットワーク経由でテレビも見られるようになります。BUFFALO社がnasneの継承をするというニュースがありましたが、来年発売されたら早速試してみたいです。
Bluetooth接続で遅延はほぼ感じられず快適
このプロジェクターはBluetooth接続にも対応しており、Bluetooth対応ヘッドホンやスピーカーとも接続することができます。
Android TV内蔵ということをお話しましたが、例えば動画を見なくても「Google Play Music」で音楽を聴くことも可能です。
私は主に「SONY MDR-1ABT」というBluetoothヘッドホンを使っていますが、Apple端末や他のプレイヤーとの相性があるのか、動画を見る際は音ズレがかなり気になるためしばらく有線で使用していました。
しかしこのMoGo Pro+でBluetooth接続をしたときは全くといっていいほど遅延が感じられず、「SONY MDR-1ABT」の音が好きということもあり最高の体験となりました。
夜にあまり大きな音を出せないような環境でも、有線で、Bluetoothで音を聴くことができるので、かなり活躍の幅があると感じました。
排気音が静か
しばらく使っていて気づいたのですが、排熱時のファンの音が非常に静かです。というのも、最大輝度に設定しても本体に耳を近づけないとファンが鳴っていることに気づかなかったんですよね。大体25dBで、空気清浄機の普通動作音ぐらい静かです。
大きなプロジェクターは結構耳障りなファンの音が出ていた記憶がありましたが、XGIMI製のプロジェクターは総じてファンが静かな機種が多いそうです。
というのもXGIMIはあの人気プロジェクター「popIn Aladdin」のOEMを担当している企業ですからね。
自社でも開発しOEMで他社製のプロジェクターも開発する力のある企業ですので、プロジェクターを使用する上でストレスになりそうな部分はどの企業よりも力を入れて改善するはずです。
地上波デジタル放送も見られる
実は、このプロジェクターで地上波デジタル放送も見られます。
「DiXIM Play」というアプリのAndroid TV版を購入すれば、ネットワークのつながるレコーダーをお持ちであればMoGo Pro+で地デジも見られます。
https://www.digion.com/sites/diximplay/
画質はもちろん4KTVには劣るのですが、大画面での圧倒的迫力とMoGo Pro+に搭載されている新映像エンジンの自然な色でかなり満足しています。
あと一歩なところ
かなり満足度の高いモバイルプロジェクターであることは間違いないのですが、少し気になる部分もありましたので購入の参考になれば幸いです。
電源ケーブルはUSBが良かった
電源ケーブルは少し大きめの一般的なACアダプターですが、せっかくモバイルプロジェクターなのでモバイルバッテリーでの充電も想定されていてほしかったというのが正直な感想です。
というのも、ライバル機種の「Anker Nebula Capsule II」はUSB-CによるPD充電に対応しています。
Ankerはモバイルバッテリーも開発している会社ですのでその思想が真っ先に合ったと思うのですが、ぜひ今後XGIMIさんにもUSB-Cによる充電が可能な機種を開発してほしいです。
Netflixを見るときはひと手間がいる+PC版のUIなので操作がしにくい
実はAndroid TV内蔵とはいえダウンロードしても正常に起動できないアプリがありまして、その一つがNetflixです。
見れないわけではなく、「XTV Manager」というアプリをダウンロードしてそこから見る必要があります。
それぐらいならいいのですが、Android TVに最適化されていないPC版のNetflixになるので若干操作しにくいです。
Netflixのような代表的なVODは、今後ネィティブ対応してほしいです。
リモコンのボタンは蛍光塗料を使ってほしい
プロジェクターは基本的に暗い場所で使用しますが、リモコンで操作するときにもちろん真っ暗です。
真っ暗な場合ボタンの配置ぐらいは分かりますが、どのボタンがなんのボタンなのかは暗い場所だと非常に分かりづらいです。
解決策としてはボタンのアイコン部分を蛍光塗料で塗っていただけると分かりやすいかなと思いました。暗い場所でのリモコンの操作のしにくさは細かい部分でストレスに感じてくるので、次回作以降でぜひご検討いただきたいところですね。
こんな方におすすめ!
このモバイルプロジェクターは、かなり満足度が高いです。初めて4Kテレビを購入した時の感動以上でした。
もし今後購入される方は、私のように下記のような基準で考えている人にはおすすめです。
- 価格は10万円を超えない程度。
- 台形補正は垂直、水平方向も自動で行ってほしい。
- 画質はフルHD以上。
- ファンの音が静かで、音に拘っているモデル。
- SONYのテレビがAndroid TV内蔵で使いやすいので、Android TV内蔵モデルのプロジェクター。
- 明るさは300ANSIルーメン以上。
- 持ち運んで使いたいので、コンパクトでバッテリー内臓だと嬉しい。
また、僕のようにプロジェクター初心者で後悔したくない方にもいい投資になると思います。
安いプロジェクターで動画を観るのと、しっかりお金をかけていいプロジェクターで動画を見るとでは感動が違いますし、テレビと同じでコロコロ買い替えするようなものではないと思いますので最初から自分の求めるスペックを満たす製品を買うと後悔がないと思います。
あとはこのデザイン、シンプルなのでインテリアとしても映えそうですね。
フジテレビのめざましテレビでも紹介されました
マイナーなメーカーのプロジェクターかと思いきや、実はテレビでも紹介されたりします。2021年1月25日放送のめざましテレビでも、志田未来さんたちが蔦屋書店に行きこのプロジェクターを使っていました。
補正機能や角度調整意外は同等性能の「XGIMI MoGo Pro」も年末年始にお安くなると思いますので、こちらもぜひチェックしましょう。