この記事では、世界初のDolby Vision対応の4Kホームプロジェクター、XGIMI HORIZON Ultraを実機を使ってレビューします。価格は直販で279,800円(税込)です。
XGIMI MoGo Pro+の購入をきっかけにこれまで10台以上のプロジェクターをレビューしてきましたが、正直XGIMI HORIZON Proと比較してもXGIMI HORIZON Ultraは別格です。279,800円という勇気のいる価格で購入を決断しましたが、大好きなアニメや映画、ゲームをテレビ以上の大画面で楽しめて正直買ってよかったと感じています。
XGIMI HORIZON Ultraの購入を迷っている方や、家庭用プロジェクターの最高峰ってどんな感じなの?という方に向けて実際に使ってみた僕の視点で徹底レビューしていきます。
- エレガントなデザインで所有欲を満たせる。
- 2300ISOルーメンで鮮やかな発色・昼間でも使える明るさ。
- 高速かつ正確な補正機能で設置が簡単。
- Android TV 11搭載で幅広いアプリが使える。
- ゲームモード搭載で18ms以下の低遅延。
- eARC対応のHDMIや光デジタル対応など豊富なインタフェース。
- ファンノイズが20dB以下で静か。
- 長焦点なので大画面で投影するには距離が必要。
- リモコンが暗い場所で見にくい。
XGIMI HORIZON Ultraの外観レビュー
まず、外観からレビューしていきます。
XGIMI HORIZON Ultraの外観を見てまず感じたことは、圧倒的なエレガントさです。ボディのサイドと天板にPUレザーをあしらっており、革張り独特の落ち着いた風合いはプロジェクターというよりおしゃれなインテリアに近いと感じました。革張りのおかげで持った時に滑りにくく、実用性も兼ね備えたデザインです。
前面のフローカバー部分にはファブリックを採用し、素材の違いを楽しめます。これまでメタリック感を出して高級感を演出しているプロジェクターは多く見てきましたが、使っていないときもインテリアとして楽しめるXGIMI HORIZON Ultraのような機種は初めてです。
底には三脚用のネジ穴が空いていますので、天井吊りや三脚に固定して楽しめます。
前面のフローカバーは電源を入れると自動で開く仕様で、レンズ部分をスマートに保護できます。このギミックが男心をくすぐりますね。
対応する入出力ポート
XGIMI HORIZON Ultraは、下記の入出力ポートを搭載しています。
入力ポート | 出力ポート |
---|---|
DC x 1 HDMI x 1 HDMI (eARC 対応) x 1 USB x 2 LAN x 1 | ヘッドホン x 1 (3.5mm) 光デジタル x 1 |
HDMIはeARCに対応していますので、eARC対応のサウンドバーやAVアンプに接続すればXGIMI HORIZON Ultraの電源を入れただけでスピーカーも起動します。
また、プロジェクターとしては珍しいヘッドホン端子も搭載し、夜に大きな音を出しにくいシチュエーションでも有線ヘッドホンで楽しめます。Bluetoothにも対応していますので、Bluetoothヘッドホンも使えますよ。
サイズ
XGIMI HORIZON Ultraのサイズは、高さ265mm、幅224mm、奥行き170mmと大きめです。モバイルプロジェクターのXGIMI Halo+と並べてみましたが、倍以上のサイズがあります。
とはいえ高さはiPhone 15 Proぐらい、幅と奥行はiPad Pro 12.9インチモデルと同じぐらいなので高スペックにしてはコンパクトに抑えたほうとも言えますね。
XGIMI HORIZON Ultraの使用感レビュー
ここからは、XGIMI HORIZON Ultraを実際に使用して感じたことや、便利だと感じた機能についてレビューしていきます。
画質はただただ圧巻
XGIMI HORIZON Ultraを使ってまず感じたこと、それは壁にテレビを埋め込んだかのような明るさと発色の素晴らしさです。過去に10台以上のプロジェクターを使ってきましたが、正直ここまで圧巻の画質は初めてで感動しました。レーザープロジェクター特有のスペックルノイズもなく、さすがレーザーとLED光源のハイブリッド型といったところです。
特にレーザー光が使われている赤色の発色がきれいで、LED光源だとオレンジっぽくなったり淡くなりやすい鮮やかな赤色をうまく表現してくれます。白飛びも少なく、メリハリのある高いコントラストの映像を楽しめますよ。
深い青色や明るいことにより相対的に黒色が濃く見えるなど、今までのプロジェクターにはなかったような映像体験ができました。
画質は思わず「おおっ」と声が漏れるほどきれいです。
昼間でも使える明るさ
2300ISOルーメンという、プロジェクターとしては最高性能の明るさなので昼間でも十分使えると感じました。下記の写真はシーリングライト2灯でカーテンを開けた昼間の状態です。普通のプロジェクターなら文字を読むことすら難しいほど明るくしていますが、ちゃんと何があるのか識別できるぐらい明るいです。
下記の写真はシーリングライトを消して、カーテンを開けただけの状態です。この明るさなら昼間でも常用できそうかなと感じました。
カーテンを閉め切れば、ほぼ夜と変わらないぐらいくっきり見えます。
進化した自動補正技術で爆速かつ正確
XGIMI HORIZON Ultraは最新のISA 3.0 テクノロジーを搭載し、高速かつ正確な補正技術を搭載しています。とにかく「あれっ、今補正した?」と補正したことを感じさせないほど爆速で、これに慣れるとこれまで使ってきたプロジェクターがストレスになるほど快適です。主に下記の6種類の補正機能を搭載しています。
- 中断なしのオートフォーカス
- 中断なしの自動台形補正(水平・垂直)
- スクリーンへの自動アジャスト機能
- 障害物自動回避機能
- 新機能 インテリジェントアイプロテクション
- 新機能 壁色自動適応機能
XGIMI HORIZON Ultraからは、インテリジェントアイプロテクションと壁色自動適応機能が追加されました。
インテリジェントアイプロテクションは、プロジェクターの前を横切ると自動的に画面への投影を止めてくれる機能です。本来プロジェクターの前を通ると光源でかなりまぶしく感じますが、XGIMI HORIZON Ultraは「視力保護」というメッセージが表示されLEDが暗くなります。長焦点プロジェクターで距離が必要なので、前を横切る頻度が増える分この機能は嬉しいですね。
また、壁紙自動適応機能はモニターでいうキャリブレーションです。壁紙自動適応機能を使うと下記のようなカラーパレットが表示され、20秒ぐらいで壁に適した発色にしてくれます。アンミカさんの名言で「白って200色あんねん」と言いますが、どんなに白い壁でも適切な色に設定してくれるプロジェクターってこれまでになかったですよね。
下記の画像で壁紙自動適応前と後の写真を紹介していますが、1枚目は少し赤みがかっているのに対し2枚目は赤、白、黄色、青色がかなりきれいに出ていますよね。
プロ用のキャリブレーターを購入しようとすると、安くても2〜3万円は必要なのでキャリブレーター内蔵のXGIMI HORIZON Ultraは本格的なプロ仕様と言えますね。
音質
XGIMI HORIZON Ultraは、高級車のベンツなどにも採用されているHarman/Kardonが監修した12Wスピーカーを贅沢に2基搭載しています。数値上は、プロジェクターとして最高スペックのスピーカーです。
デフォルトではサウンド効果は「Harman/Kardonオリジナル」、サウンドモードは「映画」が選択されていますが、プロジェクターとしてはかなり迫力のある音が鳴るので別途サウンドバーは必要ないかなと感じるほどです。ただ、スピーカーが前方に集中しているので360°の立体感は少なく、プロジェクターより前の位置で視聴する場合は音が後ろから聞こえる感覚があるのでできればプロジェクターより後ろで視聴をおすすめします。
また、音声フォーマットは下記のものに対応しています。
- DTS-HD
- DTS-Studio Sound
- ドルビーオーディオ
- ドルビーデジタル
- ドルビーデジタルプラス
上記に対応した映画を観ると、かなり迫力のある高音質な音になりますよ。
Android TV 11を搭載しNetflixにも対応
XGIMI HORIZON Ultraは、2023年時点で最新のAndroid TV 11を搭載しています。つまり、対応するVODやアプリがかなり豊富です。YouTubeやU-NEXTはもちろんのこと、Netflixや地上波放送が見れるXit wirelessにも対応しています。
また、リモコンに話しかければGoogleアシスタントも使えます。例えば「東京の明日の天気は?」と話すと、明日の東京の天気を表示してくれます。「YOASOBIをかけて」と話すとYOASOBIの「アイドル」を流してくれたり、コンテンツをスマートに楽しむような使い方もできます。
スマートディスプレイとしても使えますよ!
補足すると、XGIMI HORIZON UltraでNetflixアプリを使う場合以下の注意点があります。
- 視覚保護機能が働くとアプリが落ちる。
- 台形補正や画質の調整をするとアプリが落ちる。
- Google Playストアからダウンロード、アップデートができない(別途ダウンロードマネージャーからインストールする)。
Netflixアプリはまだ不安定な部分があり、今後のアップデートに期待です。
ゲームモード搭載でPS5にもピッタリ
XGIMI HORIZON Ultraはゲームモードを搭載しているということで、PlayStation 5で実際にゲームをプレイしてみました。
ゲームも映画と同じで、かなり鮮やかで発色がきれいですね。4K解像度ということもあり、普段使っているXGIMI Halo+とは雲泥の差です。FPSゲームのサイバーパンク2077をプレイしましたが、普通に遊ぶ分には遅延をほとんど感じませんでした。
ゲームのブーストモードにすると、より遅延を減らすかわりに台形補正機能が使えなくなります。ゲームモード時の時のレイテンシは18ms以下とかなり少ないので格闘ゲームなどシビアなゲームならゲームモードにしたほうがいいかもしれません。
個人的に通常モードでも遅延は気にならなかったので、台形補正の便利さを優先して普通に使っています。
ロスレスズームで画質の劣化なく投影距離を変えられる
XGIMI HORIZON Ultraは、光学ズームモジュールによるロスレスズームに対応していますので画質の劣化なく画面サイズを変更できます。1倍〜0.8倍まで設定できますので、よりXGIMI HORIZON Ultraを後ろに設置したい場合でも最適な画面サイズにできますよ。
ズームといっても画面を小さくする方ですね。
静音性はかなり高い
プロジェクターに重要なのはファンノイズの静かさだったりするのですが、XGIMI HORIZON Ultraはほぼゼロ距離から測定しても18.7dBと20dBを切る静音性を実現しています。この数値はこれまで使ってきたどのプロジェクターよりも低い数値です。
もちろん動作環境やモードによって変動はありますが、体感上確かに比較的ノイズが静かに感じるので嬉しかった点です。
XGIMI HORIZON Ultraのメリット・デメリット
XGIMI HORIZON Ultraのメリットとデメリットをまとめます。
XGIMI HORIZON Ultraのメリット
XGIMI HORIZON Ultraのメリットは下記の6点です。
- エレガントなデザインで所有欲を満たせる。
- 2300ISOルーメンで鮮やかな発色・昼間でも使える明るさ。
- 高速かつ正確な補正機能で設置が簡単。
- Android TV 11搭載で幅広いアプリが使える。
- ゲームモード搭載で18ms以下の低遅延。
- eARC対応のHDMIや光デジタル対応など豊富なインタフェース。
- ファンノイズが20dB以下で静か。
まず見た目、プロジェクターのようなゴテゴテ感がないおしゃれデザインで、持っていることに喜びを感じられます。革張りのプロジェクターって、なかなかないですよね。
そして機能性、2300ISOルーメンの明るさは圧巻で、今まで使ってきたどのプロジェクターよりもきれいな発色でした。
これからプロジェクターを買う方は、少し背伸びしてでもXGIMI HORIZON Ultraを買ったほうが満足できると思います。
XGIMI HORIZON Ultraのデメリット
- 長焦点なので大画面で投影するには距離が必要。
- リモコンが暗い場所で見にくい。
XGIMI HORIZON Ultraは長焦点プロジェクターなので、大きな画面を映すにはそれなりの距離が必要です。例えば90インチを投影したい場合、約2.5m必要でした。個人的に1.8mぐらいが嬉しかったので、近い距離がいい場合はNOMVDIC P1000のような短焦点・JMGO O1のような超単焦点プロジェクターがいいですね。
また、暗闇でリモコンが見にくいのは少し困りました。最近はNOMVDIC P1000のようなリモコンにバックライトをつけて見やすくしているモデルもあるので、暗い場所で使うプロジェクターだからこそリモコンも使いやすくしてほしいですね。
XGIMI HORIZON Ultraのレビューまとめ
XGIMI HORIZON Ultraをレビューしました。
正直今まで使っていたプロジェクターは何だったのかと思うほどの圧巻画質、機能性で、279,800円という価格すら安く感じてきました。80インチクラスの液晶テレビは、安くても40万円を超えてくることを考えればXGIMI HORIZON Ultraはかなりお得です。メーカーが謳っている「世界初のDolby Vision対応」とか関係なく、通常の映像ソースでも満足できる画質に仕上がっています。
満足できなくてもXGIMI公式ショップで購入すれば開封しても30日間返品可能ですので、ぜひ一度この最高の体験をあなた自身で手に入れてください。