本記事は、iBasso Audioのバスパワー駆動のUSB DAC、「DC05」を半年間使用したレビュー記事です。実際に使ってみて、特徴や実際の使用感を紹介します。
- iBasso Audio DC05の特徴
- iBasso Audio DC05の実際の使用感
こんにちは!ポータブルオーディオが大好きなガジェットブロガーのたいしょんです。
最近iPhoneで音楽を聴くことが多くなったのですが、そのきっかけがiBasso Audio DC05を購入したことでした。8,800円で購入できるDC05ですが、1万円以下のUSB DACとは思えないほど音がいいんですよね。
イヤホンジャックのないiPhoneとヘッドホンのM50xと組み合わせたら毎日音楽を聴くのが楽しくなりました。
あまりに良かったので、多くの方にぜひ知ってほしいと感じてレビュー記事にしてみました。この記事を見ている方はおそらくDC05をすでに知っていて使用感が気になる方が多いと思いますので、実際使用してみて感じたメリットやデメリットを中心に紹介します。
- 1万円以下とは思えない高音質
- アダプター付きで様々な機器に対応
- 様々なロスレス・ハイレゾ音源の再生に対応
- ケーブル交換できない
- 長時間使用すると発熱がある
- 接続したデバイス側のバッテリーが早く減る
iBasso Audio DC05の特徴
DC05は、下記の特徴を持つUSB DACです。
- 3万円のDAPに搭載されるES9219C チップをデュアル搭載
- NDK 社製のフェムト・クロック水晶発振器をUSB DACとして初採用
- レンダラー機能を内蔵 MQA x16 デコードに対応
ES9219C チップと言われてもピンとこないかもしれませんが、Shanling M3Xといった3万円〜4万円のDAPに搭載されている高音質なチップです。そのチップを8,800円のUSB DACにデュアル搭載し、専用機並の音質を実現したのがDC05なんです。
オーディオ界で権威のあるVGP2022で金賞を受賞し、今最も注目されている製品です。
ここからはもう少し詳しくDC05の特徴を見ていきますね!
カラーバリエーションはブラックとグリーンの二色
DC05のカラーバリエーションは、ブラックとグリーンの二色です。
僕はグリーンを購入しましたが、アルマイト加工され落ち着いた光沢感でかなり気に入っています。他社のUSB DACでグリーンはなかなかない色なので、他の方が持っていない色がいいならぜひグリーンを選んでみてください。
ブラックと1週間悩みましたが、グリーンを選んで後悔はありません!
3.5mm ステレオジャック搭載
DC05は、3.5mm ステレオジャックを搭載しています。市販されている一般的な有線イヤホンやヘッドホンであればほぼ使用可能な、汎用性の高い規格です。
付属品は合計4点
DC05の付属品は、下記の4点です。
- DC05本体
- USB-Aアダプター
- Lightningアダプター(初回限定特典)
- 説明書
DC05はUSB Type-C対応ですが、付属のアダプターを使用することで様々な機器と接続できるようになっています。Lightningアダプターは初回限定特典ですが、2022年5月時点でもまだ手に入りました(一応お店に確認したほうが確実です)。
重さは8.86g
DC05の重さは実測で8.86gです。かなり軽量ですので、持ち運びしやすいです。
大きさは12x 15 x 105(mm)
DC05の大きさは「12x 15 x 105(mm)」と、手のひらサイズです。スマートフォンなど外に持ち運ぶ機器との接続も想定されているため小型ですね。
仕様まとめ
ここまで紹介してきたDC05の仕様をまとめます。
カラー | グリーン / ブラック |
サイズ | 12x 15 x 105(mm) |
重量 | 8.86g(実測値) |
DAC チップ | ESS ES9219C x2 |
入力端子 | USB Type-C / USB-A |
出力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック |
iBasso Audio DC05を実際に使ってみて感じたメリット
ここからは、DC05を実際に使ってみて感じたメリットを紹介します。
- 1万円以下とは思えない高音質
- アダプター付きで様々な機器に対応
- 様々なロスレス・ハイレゾ音源の再生に対応
1万円以下とは思えない高音質
スペックを見て3万円台のDAPに搭載されているチップを載せていたので期待していたところでしたが、DC05は1万円台のUSB DACとは思えないほど音質がいいです。
まず、デュアルDACの効果で無音時に流れる「サーーッ」というホワイトノイズが皆無です。これはES9219Cチップをデュアル構成にして1.55nVのノイズフロアに抑えることに成功したためで、これにより音の立体感がありました。
ヘッドホンのオーディオテクニカM50xを使用していますが、音量は半分でちょうどいいほど出力も十分です。16Ω負荷時の出力レベルは[シングルDAC:97mW]であるのに対して、[DC05(デュアルDAC):140mW]なので、音量が取りにくいヘッドホンでも十分鳴らしきれます。
音質の傾向は若干ドンシャリ(高音と低音が強調されている状態)で、ロックやJ-POPと相性抜群です。若干ボーカルが引っ込むかなという印象で、そこはイコライザーなどで調整すれば好みの音に近づきました。
ホワイトノイズが抑えられているからか、高音域の透明感は1万円以下のUSB DACとは思えないほど高いです。鈴やバイオリンなどの高音域がより生の音に感じられます。特に解像感の高いモニターヘッドホンと相性がよく、M50xで使用してみたらかなり満足がいく音質になりました。
アダプター付きで様々な機器に対応
DC05は、アダプター付きで様々な機器に対応しているのがメリットです。
例えばアダプターなしの状態であればUSB-Type CでMacBookやiPadで使用可能です。また、Androidスマホでも使用できます。
Androidの場合は専用の「iBasso UAC」 という専用アプリが用意されており、64段階のハードウェアボリュームが設定可能になります。裏を返せば、Androidにこのアプリがなければ1ボリュームごとの差がかなり大きくなるので、必須です。
また、Lightningアダプターを使用すればiPhoneやiPad mini 5以前のiPadにも使用可能です。USB-Aアダプターを使用すれば、ノートPCやデスクトップPCでも使用できます。ここまでアダプターが充実しているUSB DACは限られているので、DC05の優位点と言えますね。
様々なロスレス・ハイレゾ音源の再生に対応
DC05を使用すれば、原音に近いMQAといったロスレス音源の再生も可能です。
MQAって何?
MQAは「Master Quality Authenticated」の略称で、アワード受賞歴のあるオーディオテクノロジーです。オリジナルマスターサウンドを小さなファイルサイズに収めることができ、ダウンロードやストリーミングも簡単です。ハードディスクやSDカードへの保存も可能です。もちろんMQA-CDでの提供もできます。
引用:MQAとは?
MQA音源はTIDALなど対応する音楽配信サービスで体感できます。
また、ハイレゾ音源にも対応していますので、対象の音楽配信サービスを使用すればさらに高音質で音楽を聴けます。
僕はハイレゾ音源を聴くためにAmazon Musicを使っていますが、圧縮音源より情報量が増えよりリアル感が増すので気に入っています。
iBasso Audio DC05を実際に使ってみて感じたデメリット
ここからは、DC05を実際に使って感じたデメリットもまとめます。
- ケーブル交換できない
- 長時間使用すると発熱がある
- 接続したデバイス側のバッテリーが早く減る
ケーブル交換できない
DC05は、ケーブル交換ができない点がデメリットです。つまり、断線した時にケーブルの交換ができないので自分で修理できません。
例えば似たようなUSB DACでShanling UA2はケーブル交換ができる機種でしたので、気になる方はこちらを検討してみたほうがいいです。
僕は室内利用なので気にしていません。
長時間使用すると発熱がある
DC05を1時間以上使用していると、ボディが熱くなります。熱伝導性が高いアルミニウム合金かつチップが高性能になればなるほど熱を持ちやすいので仕方ないですが、長時間使用する際はなるべくDC05本体に長時間直接肌に触れないようにしましょう。
接続したデバイス側のバッテリーが早く減る
DC05を接続してiPhoneを使用していると、iPhone側のバッテリーが早く減ります。体感で、普段8時間バッテリーが持っているのにDC05を使っていると 7〜6時間になるぐらいです。
DC05にiPhone経由で電力を供給しているので仕方ないですが、もしバッテリー持ちが気になるようでしたらモバイルバッテリーも併用しましょう。
もしiPhone12、13シリーズを使用している方は、CIOのハイブリッドワイヤレスモバイルバッテリーであればワイヤレス充電でLightning端子を塞がないのでDC05と相性がいいです。
よくある質問
- LEDランプの色は何を意味していますか?
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再生状態によってLEDランプの色が変わります。それぞれの色は下記の状態を示しています。
- 赤色・・・再生待機状態
- 青色・・・DSD形式
- 緑色・・・PCM形式
- ピンク・・・MQA形式
例えば下記の状態は再生待機状態なので、赤色です。
- 保証はありますか?
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iBasso Audioの国内正規代理店である株式会社MUSINで1年保証が受けられます。
- デュアルDACってなんですか?
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デジタル音声データをアナログ音声に変換するDAC(デジタルtoアナログ・コンバーター)を2つ搭載していることです。シングルDACより消費電力は上がりますが、その分出力を上げたり音質を向上させることができます。
iBasso Audio DC05のレビューまとめ
iBasso Audio DC05のレビューをまとめます。
結論として、DC05は1万円以下のUSB DACとは思えないほど高音質でオーディオの入門用としてかなりおすすめな製品です。3万円台のDAPに搭載されているES9219C チップをデュアル搭載し、ノイズフロアも1.55nVとほぼ無音ですので解像感も高いです。
音の傾向は若干ドンシャリで、Shanling UA2のフラットな音質より個人的にリスニング用途で楽しく音楽を聴けるチューニングでした。
改めてメリットとデメリットをまとめます。
- iPhoneやAndroidでMQAやハイレゾ音源を聴きたい人
- 1万円以内で専用機並の高音質を体験したい人
- 様々なデバイスを使用して音楽を聴きたい人
コストパフォーマンスでいけば2022年時点で間違いなくトップクラスですので、ぜひ一度お試しください!